千曲川を挟んで長野市の東隣に位置する須坂市は、かつては製糸業で大いに栄えた商業の街。
今も蔵造りの商家などが多く残り、往時が偲ばれる情緒ある街並が続いています。
まだ残暑の厳しい頃、多摩エリアから上信越自動車道を経由し、避暑地である志賀高原へ。
そろそろランチにしようと須坂長野東インターで高速を降り、須坂の街中に入ってきました。
ここまで来たからには、信州ならではの料理を味わいたいところです。
向かったのは、築100年の古民家をベースにして、古材をふんだんに使用して再生した
『旬菜古民家ゆるり』さん。
地元信州の味は勿論のこと、海鮮料理を含めた和食全般、幅広いメニューが揃う食事処です。
店の所在地は、須坂市の中心部に近い本上町。
最寄駅である長野電鉄須坂駅からは徒歩で15分ほど。
須坂駅と豪商の館・田中本家との丁度中間あたり、寿町通り沿いに店はあります。
上信越自動車道の須坂長野東インターからは、車で10分。
駐車場は14台分あるので、車で乗りつけるのには便利なお店です。
外観は、屋根の大きな再生古民家の一軒家。
大きな屋根には明かり取りの小屋根が2か所、一番上の棟にも明かり取りと煙抜きのための越屋根が載っている、凝った造形の古民家です。
元は屋根裏でお蚕を飼っていた養蚕農家だったのでしょうか?
暖簾をくぐって中に入ると・・・
店内には、テーブル席やカウンター席、畳の部屋に座卓ではなくテーブルと椅子を置いた席などが配置されています。
私たちは、畳敷きのテーブル席に案内されました。
客層は、地元のご婦人グループや、家族・親戚による集まりが多いようで、普段よりちょっとだけ華やかな食事の場として利用されているようです。
店の中央のエリアは吹き抜け状の広い空間。
もともと飲食店用に作らた建物ではないので、間仕切りに視界が遮られてフロア全体を見渡すことはできませんが、どの席も適度に囲まれ感があるので、どの席でも落ち着いて食事ができそうです。
メニューを見ると、御膳など和食系のセットメニューが豊富。
他には、地元特産の信州牛や、何故か海産物を使った料理を得意としているようです。
中でも、店のいち押しメニューは『みそすき御膳』。
信州牛と信州味噌のコラボですから、間違いなく信州の味。
そんなわけで、同行の妻殿が注文したのは、その『みそすき御膳』(1,680円)。
信州牛のみそ煮込み卵とじですね。
まろやかな味噌味なので、ご飯によくあいます。
お刺身は氷の器に盛られていて、目にも涼やか。
茶碗蒸しなんかも付いて、満足感の高い御膳になっています。
一方、私が注文したのは、『海の宝石箱 上ちらし』(2,100円)。
木箱の蓋をパカッと開けると、
海老、蟹、帆立に鯛、蛸、中トロ、湯葉と、彩り豊かなネタの上に金箔までまぶされたチラシ寿司が、正に「ほぉせきばこやぁ〜」的なビジュアル。
蓋を開けさせる演出とか、華やかな寿司ネタの色を際立たせるシンプルな器の配色とか、センスがよろしいです。
なかなか鮮度の良い寿司ネタで、大変美味しゅうございました。
郷土料理が食べたいなどと言いながら、結局は海のない長野県内で海鮮料理を堪能してしまいましたが(笑)。
高速道路などの交通網が整ったおかげなのか、はたまた保冷保管技術が進歩したのか、長野県内でも鮮度の良い海鮮料理を味わえる店が増えてきたように感じます。
魚好きとしては嬉しい限り。
須坂市内には、北信屈指の豪商・田中本家といった観光名所もありますし、北隣りには栗菓子や北斎の肉筆画で有名な小布施の町があります。
多摩地区からは車で3時間程度の道のりになりますが、観光で北信・長野方面に来た時には、お薦めできる食事処です。
【旬菜古民家 ゆるり】しゅんさいこみんか ゆるり
▪️所在地 長野県須坂市本上町1385▪️最寄駅 長野電鉄須坂駅徒歩15分▪️最寄IC上信越自動車道須坂長野東IC▪️営業時間11:00~14:3017:00~21:30▪️定休日 無休▪️駐車場 有り