【残念ながら閉店】
古い街なら美味い和食店もあるはずと、ランチに立ち寄った京王線府中駅。
北口側に手打ち蕎麦の店があるようなので、歩いて行ってみたのは、
手打ちそば処「千寿」さん。
桜通り沿いにある小さな蕎麦屋さんです。
🌀アクセス
手打ちそば処「千寿」さんの所在地は、府中市寿町一丁目。
最寄駅は、京王線の府中駅。
駅の西側、大国魂神社から北に伸びるけやき並木通りを北の端まで歩き、桜通りとの
交差点(けやき並木北)を西へ曲がってすぐの処にあります。
駅からは歩いて5分ほどかかりますが、府中の歴史を感じる立派な並木道を散策がてら
向かうなら、そう苦にもならない距離でしょう。
駅から遠くない立地の小さな規模のお店ですので、専用の駐車場はなし。
車で行くなら、事前にコインパーキングの位置を調べておく必要があります。
🌀外観と店内の様子
お店は、コンビニの隣にあるビルの一階部分。
間口の狭い小さなお店ですが、ちょっとお高い小料理屋のような整った外観をしてい
ます。
木の看板に描かれた文字がだいぶ薄くなっていますので、結構昔からあるお店なのかも
しれません。
暖簾を潜ると、店内はお茶室のような土壁で囲まれた、落ち着きのある和の空間。
ご夫婦らしきお二人で切り盛りしているようで、丁寧な物腰の花番役の奥様が迎え
てくれました。
席は、4人用と2人用のテーブル席が合わせて6つ。
先客はスーツを着たお一人様のみ。
時節柄とても好ましい、静かでこじんまりとした店内です。
🌀メニューと料理
メニューを見ると、冷たいおそばと温かいお蕎麦があって、それぞれ数種類づつ。
辛味大根やとろろ、鴨、天ぷら等々、要所を押さえたラインアップですが、品数と
しては多くありません。
お店の規模からすると無理のない妥当な線でしょうか。
ただ、1,000円でお釣りがくるリーズナブルな「炊き込みご飯とせいろのセット」
なんてセットメニューも一つ用意されていて、お客のニーズにはしっかり寄り添って
くれています。
一品料理も揃っていて、軽く蕎麦前を楽しむこともできそう。
飲み物のメニューはこんな感じ。
日
本酒は5種類あって、飲んだことがあるのは八海山くらいかな。
こちらも過不足のないラインアップかと思います。
初訪問の店では、天せいろを注文したくなるのですが、メニューの並びからして
辛味大根が一押しのように見受けられたので、
「おろしそば」(970円)を注文してみました。
先客が1組だけだったせいか、数分で配膳。
蕎麦は大鉢に盛られ、その上の中央に辛味大根、周りに揚げ玉・ネギ・海苔・削り節
が薬味として載せられ、実に食欲を唆られるぶっかけ蕎麦となっています。
辛味大根も、辛さが激烈に強すぎるようだと少々持て余してしまいますが、ここの
ものは比較的マイルドな辛味で、私には丁度良い味。
ぶっかけですから、蕎麦つゆを上から回しかけたら、薬味ごとグチャグチャに混ぜ
込んで啜るのが正解でしょう。
蕎麦をリフトしてみると、細切りでむらの少ない端正なお蕎麦。
ぶっかけて混ぜ込んでしまっているので、際立った蕎麦の香りを感じることはあり
ませんが、味や喉越しは上々。
胃もたれ気味の日だったのですが、薬味の旨味と辛味大根の刺激で食も進み、あっと
言う間にズズッと完食。
美味しかったです。
蕎麦湯はトロトロではありませんが、やや白濁したもの。
あれっ?そう言えば寒い日だったのですが、蕎麦茶とかお茶とか温かい飲み物が出さ
れていませんでした。
本来、蕎麦屋では、水分は酒と蕎麦湯と水だけを出すもので、香りのするお茶や
ましてや珈琲を飲ませるなんて論外.・・・って考えもありますよね。
まぁ、お店の方からそんな威圧感は何一つ感じなかったですし、頼めばきっと水でも
お茶でも出してくれたと思うのですが、正統派の蕎麦屋としてのこだわりは持って
いらっしゃるように感じます。それはそれで好印象。
蕎麦の香りまで追求した高級蕎麦路線ではなさそうですが、手打蕎麦として価格設定
は標準的なもの。
何より(この日たまたまかもしれませんが)、こじんまりとして上品な設えの店内で、
静かに端正な手打ち蕎麦を味わえる至福。
帰りがけには厨房の奥から、ご亭主の「来店感謝」の声がけもありました。
私にとっては、そんなところも大事なポイント。
また食べに来たいと思うお店が一つ増えました(喜)
【手打ちそば処 千寿】
■所在地 府中市寿町1-9-1
■営業時間 11:30-14:30 17:30-20:30
■定休日 火曜日(休日の場合は翌日)
■最寄駅 京王線府中駅 下車徒歩5分
■駐車場 なし