甲府市と韮崎市の間にある山梨県甲斐市。
甲州街道を長野県方面に向けてドライブしていると、市内には武田信玄が行った治水事業として有名な信玄堤や、
富士山を望む展望台がある赤坂台総合公園(ドラゴンパーク)があって、ちょっと寄り道したくなるスポットの並ぶエリア。
そんな二つのドライブスポットのちょうど中間にあるのが、蔵作りの重厚な建物が目をひく
『手打ちそは 蔵(くら)』さん。
ちょっと歩き疲れてきたところでもあったので、見事な建物の外観に吸い寄せられるように立ち寄ってきました。
最寄駅としては、JR中央本線の竜王駅。
多摩地区からだと、八王子駅から甲府駅まで特急スーパーあづさを使って約1時間半。
駅からは2kmくらいあります。
車で行くなら、中央高速道を甲府昭和ICで降り、国道20号を西へ6kmほど。
多摩地区からは約100km、やはり1時間半くらいのドライブになります。
駐車場は店の横に10台分以上。
この付近の国道20号線は、中央分離帯のある4車線道路なので、長野県方面から来るときには一度通り過ぎてからUターンしなければならないので注意が必要です。
駐車場に車を停めて、白塀に囲まれた店の入り口に向かいます。
蕎麦屋というよりは料亭のようで、立派すぎて気後れしそうな外観です。
門をくぐった先の眺めも風情満点。
植え込みも綺麗に整えられていて見事です。
この時期は穴子がオススメとのこと。
旬を大事にする店って好感度上がりますね。
店内には、テーブル席と小上がり席。
清潔感がある店内で、席の間隔もゆったり。
天井は高く、まだ新しい太い梁が見えます。
大きなガラス窓からは日が差しこんで、店内は明るい雰囲気。
位置的に窓の外の樹木の先は、釜無川の河岸段丘。
見苦しいものが視界に入らないので景色も好ましい。
ウッドデッキに出て散歩したくなります。
古い建物を再利用したわけではなく、新築の建物のようです。
大人数の団体客向けの造りでもないのに、こんな立派な建物をつくって採算にあうのか不思議に感じます。
まぁ、私が心配することではありませんね(笑)
入り口横にメニューが置いてあったので心配はしていなかったのですが、設えの見事さに比べてリーズナブルな価格設定。
街の手打蕎麦屋と比べても、決して高くはありません。
ご飯ものやセットメニューもあって、お得感さえあります。
B級グルメとして有名になった甲州名物「とりもつ」もありました。
そんなわけで、とりあえず注文したのは『とりもつ』(600円)。
照りよく煮付けられたとりもつが、葉物野菜で彩られていて見た目も綺麗。
品があります。
レバーや砂肝などが主体で、特に珍しい部位が入っているわけではありませんが、程よい甘辛さで美味しい。
私が食事として注文したのは、オススメにしたがって『あなご天重セット』(1,750円)。
あなご天重は、大きな穴子が香ばしく揚がっていて、美味しく満足できるもの。
かぼちゃとさつまいもの野菜天付き。
ボリュームも十分です。
蕎麦のほうは、細切りで悪くはないのですが、風味がやや弱く感じられました。
建物が素晴らしいし穴子天も立派だったので、蕎麦まで香りの素晴らしい絶品のものを期待してしまったら、この価格設定では無理だろうなという気はします。
ごちそうさまです。
旅行中に休憩を兼ねて昼食を取りに立ち寄るのには、設えや窓からの眺めが好ましくて、ゆったり食事ができ、価格も納得レベルなので、大変オススメのお店です。
ただ、蕎麦好きが蕎麦の味重視で食べに来ると、店の高級感と比べて期待ハズレに感じるかもしれません。
・・・二八蕎麦としては決して悪くはないんですが、この店の設えだと、客としては期待値が勝手に高くなってしまいます^ ^。
客層をみても地元客が普段の昼食を取りに来ているというよりは、雰囲気重視のドライブ途中の行楽客や、主婦の食事会らしき客が多いようですね。
それでも、飾られたこんな花の趣味の良さや、
これ売ってくれないのかな?なんて蕎麦猪口を眺めていると、癒された気分になります。
良い店を見つけました。
温かい蕎麦やセットメニューを注文して食事をすれば、余程の蕎麦通でなければ不満は感じないんじゃないかな。
庭の彩りが変わる別の季節にでも、また立ち寄ってみたいと思わされる、満足度が高くて稀有な設えの蕎麦店なのでした。
【手打ちそば 蔵】
▪️所在地 山梨県甲斐市竜王38
▪️営業時間 11:00~15:00(LO15:00)
17:00~21:00(LO21:00)
▪️定休日 火曜日
▪️Web-site www.kura-soba.com