西武新宿線田無駅近くに住む、知人の家を訪問することになりました。
珈琲好きの家なので、挽き立てのコーヒー豆でも手土産にもって行こうとスマホ検索してみると、南口方面の住宅街の真ん中に、豆の小売りもやっている喫茶店があるのを見つけました。
自家焙煎珈琲の「香茶美珈琲」(かさびこーひー)さんです。
アクセス
店があるのは、西東京市向台町。
すっきり整備された北口とは対照的に、まったく開発される様子のない南口側に降りて徒歩10分弱。
市役所の前を通り、バッティングセンターを横目に通り過ぎ、小さな川に架かる橋を渡って、すぐ左に曲がった先の細い路地をクネクネと歩いた先・・・といった、特に目印もない住宅街の一角にある喫茶店です。
よく見ると、曲がり角の電柱に広告板はかかっていました。
店の駐車場はないし、付近にもコインパーキングもないので、駅から歩いていくしかないような立地ですね。
外観と店内の様子
前の道も細いし、まわりには戸建て住宅しかないところなので、店の真ん前に立たないと喫茶店があるなんて気づきません。
入口横にある焙煎室の煙突が、かろうじて目印にはなっています。
隠れ家カフェなんて言い方がありますが、周辺に大きな施設があるわけでもなく、人通りも少ないので、これは隠れ過ぎ・目立たな過ぎな喫茶店ですね。
自宅の一階を改装したように見えますが、控えめな看板と窓から覗ける大きな焙煎機、白い壁に赤いドアが上品な雰囲気を醸し出しています。
ドアを開けて店内に入ると、テラコッタの床に洒落た照明が灯っている南欧風の設え。
「おっ! 洒落てるね」と思わされます。
この日は、マスターが一人で応対してくれていました。
席は、カウンターが数席に、二人掛けのテープルが4つ。
大きな店ではありませんが、場所と外観から想像してたよりは席数もあって、しっかりと喫茶店らしいスペースになっています。
窓の外には、地中海の陽射しを感じる(実際には北多摩の陽射しですが)、花で飾られた庭を眺められます。
内装と窓からの眺めに統一感があって、趣味よくまとめられたお店ですね。
周りの昭和な町並みと比べとると、ギャップがあって、意外性が楽しいです。
メニューと料理
メニューを見ると、ストレート珈琲の他には、焼き菓子としてフィナンシェやクッキー等があるのみ。
ブレンドコーヒーさえありませんが、アイスコーヒーはあります。
その代わりに、豆の煎り方は「中煎り」「中深いり」「深いり」の3種類から好みのものを選べます。
本当に、珈琲の味だけを純粋に楽しんで、気に入った珈琲豆を買って帰るというスタイルの喫茶店です。
どの豆も同じ値段というところが、商売気がないというか、微笑ましいというか。
さて、どれにしようか迷いましたが、なんとなく中深入りの「エチオピア モカ」(500円)を注文してみました。
マスターは珈琲の入れ方に拘りが強いようで、使っているフィターは布製のネルフィルター。
ドリップポットとサーバーに、熱湯を3回移し替えてから温度計で湯温を測定。
適温になってから珈琲を淹れ、小さなカップで自ら味を確認してから提供されました。
何か茶道の御点前でも見ているような気がして面白いですね。
好みの珈琲を、全力で淹れようとしてくれていて、こちらも気分が良いです。
味としては、苦みが引き立つように豆を焙煎をしている珈琲なんですかね。
飲んでみると、珈琲から粉っぽさとか、えぐみなんていうイヤな味は感じません。
中深煎りでも私には味が強めに感じたので、ミルクを足して円やか味にしてみました。
お子様舌なんです。
ここのミルクは、ミルクもどきの一口ポーションなんて使っていません。
それにしても、少々ミルクを入れすぎたかな。
土曜日の夕方の訪問でしたが、相客は一人。
お店としては不本意でしょうが、私は空いているくらいの店の方が好きなんです。
静かで落ち着く空間で、珈琲を楽しめました。
帰りがけに、訪問先用と自宅用の珈琲豆を購入。
なかなか素敵な喫茶店ですし、他の珈琲も味わってみたいのですが、車では来づらいし、駅前とも言えない微妙な立地ですし、さて、次はどうやって来ますかね。
多摩湖自転車歩行者道路の散歩ついでか、バッティングセンターで汗を流しにくるついでか?
挽き立て豆も買えるので、我が家の徒歩圏にもあってほしいような、近所の人が羨ましいような、そんな喫茶店でした。
【香茶美珈琲】かさびこーひー
◇所在地 東京都西東京市向台町4-5-14
◇時 間 11:00〜19:00
◇定休日 水曜・第三土曜
◇駐車場 なし(都立田無特別支援学校の前にコインパーキングあり)