日本茶の産地といえば、静岡茶や京都の宇治茶、近くには狭山茶など、どちらかと言うと温暖で日当りのよい土地という印象がありますが、ここ新潟県の村上茶は、商業ベースで流通している御茶としては日本最北端の茶所であり、日照時間が比較的少ないことから渋みの元となるタンニンの含有量が少なく、その分甘みを感じるお茶であるという特徴をもっています。
お茶も嗜好品ですから、渋みがないと物足りないという方も多いでしょう。
でも私は、甘みがあって飲みやすい、煎茶であっても玉露のような味わいのある「村上茶」が気にいっているのです。
ネットでも取り寄せることはできるのですが、折角ここまで来たのですから、村上茶の老舗『九重園 村上本店』さんに立ち寄ってきました。
こちらの建物は、歴史を感じる本物の町家建築。
有料となりますが、奥の座敷が喫茶室として開放されていて、そこで御茶を頂くこともできます。
店内には、各種グレードの御茶が並んでいて、
店名を冠した「特上 九重」(100g 1,620円)辺りがオススメでもありますが、ひとランク上の「舞鶴」(100g 2,160円)からは“手摘み”の御茶になりますし、逆にひとランク下の「あさひの茶」(100g 1,080円)でも、温めのお湯で丁寧に淹れると、確り甘みがある美味しい御茶になります。
忙しい朝には、熱湯で淹れてしまえる、200gで1,080円の「がぶ飲み茶」もお手軽価格でGood。
店内で御茶を選んでいると、喫茶室に行かなくても「まぁ、一杯どうぞ」ということで、御茶を淹れてくれたりします。
こちらは「あさひの茶」だそうで、とろっとした甘みを感じる、十二分に美味しい御茶です。
ちなみに茶托は、これも村上名産の「村上堆朱」ですね。
「堆朱」は高価なので気軽に手は出せませんが、何時かは買って帰りたいものです。
外は暑いので、冷房の聞いた店内でホッと一息。
また、村上の城下町を歩いていると、所々でこんなように「塩引き鮭」を吊るした風景が見られます。
こちらは、「海鮮 一鰭」さんの斜め前にある、『味匠 喜っ川』さん。
こちらも古くて風情のある町家建築。
吊るされた鮭に惹かれて店内を覗いてみると、
お持ち帰りできそうな各種鮭料理・加工品が沢山並んでいます。
他の客につられて店の奥に行くと、加工場には天井から吊るされた大量の鮭。
これは壮観ですね。
奥行きの深い、典型的な町家建築となっています。
8月は鮭料理の旬ではありませんが、調理後に瞬間冷凍した商品がストックしてあるそうです。
郵送もしているそうなので、お歳暮用に取り寄せてみようかな。
おっ! 吉永小百合さんも撮影でおいでになったようですね。
恐れ多くも、真似してみました(笑)。
てな訳で、お土産を買って帰りました。
どちらも、観光用に最近でっち上げられたものではなく、歴史と風土性いっぱいの、この土地ならではの逸品。
【九重園】では煎茶をグレード別に各種購入。
気分で飲み分けるつもりです。
【喜っ川】の鮭料理のほうは、帰るまでにまだ日があったので、冷蔵を要しない“お茶漬けセット”だけ買って来ました。
こちらは、年末にでも他の料理も郵送してもらおうと思っています。