本州四国連絡道路・通称「しまなみ街道」の四国側の玄関口である今治市。
松山空港からは車で約1時間半のドライブ。
古くは戦国大名の藤堂高虎により、瀬戸内海に睨みを利かせる水城として築かれた名城・
今治城の城下町でもあります。
松山としまなみ海道を巡る旅行の途中で立ち寄りました。
今治のB級グルメとしては、鉄板で焼く「今治焼き鳥」や「焼豚玉子飯」が挙げられるのですが、平成の大合併で大三島など、瀬戸内の島嶼部まで市域に含まれたここ今治までやって来たのですから、狙うは瀬戸内の海の幸でしょう。
まずは来島海峡大橋を渡って、すぐ隣の大島へ。
ここ大島の宮窪は、潮流に揉まれて育った鯛とともに、水深の深い岩場で育つ「赤雲丹」の産地として有名なんだそうです。
港からすぐ目の前に浮かんで見える小島は、村上水軍の本拠地だった能島城。
宮窪産の雲丹を食べることのできる店は、村上水軍博物館前の「村上水軍」など幾つかありますが、団体さんと出くわすことがないようにと選んだ店は、
活魚『雅』(みやび)さん。
国道沿い(と言っても田舎道です)のスタイリッシュな海鮮料理店です。
使われている石材は、この島特産の大島石。
注文したのは、もちろん『うに丼』(2,100円)。
鮮やかな黄色の部分とやや黒味がかった部分の雲丹が盛り付けられていて、真ん中に卵の黄身。
黄身はいらない気がしますが、この地方での食べ方なのか?それとも雲丹が希少になってきていて仕方なく載せているのか?
それでもツヤツヤで色鮮やかな雲丹を見れば、テンションが上がります⤴︎⤴︎
食べてみると、甘みが強くて味が濃厚。
やや苦みがあるけど、元々鮮度が良いので味のアクセントとも感じます。
美味しいです。
通された席はカウンターからは襖を隔てた座敷席で、ご亭主とは食事中に顔を合わせなかったのですが帰りがけに声をかけてくれました。
それによると、宮窪の雲丹が最高に美味しいのは10月中旬までで、それ以降は産卵期に入って苦みが出てくるとのこと。
「もう一週間前までなら、苦みなんてなくて最高だったんですけどねぇ。あと一週間するとシーズンも終わりなんです。」と、申し訳なさそうに白状してくれました。
襖の向こうで小声で感想を言っていたのが、聞こえてしまって気にしたわけじゃないでしょうけど。
OK、わかりました。
私が生きているうちにもう一度、ベストシーズンの雲丹を食べにきます(笑)
こちらは、追加で注文していた『たこ天』(830円)。
ここいらの蛸も潮流に揉まれて身が締まっているので、噛むほどに味が出て美味です。
活魚【雅】(みやび)
▪️所在地
▪️営業時間 11:30~14:00 17:00~21:00
▪️定休日 火曜日
▪️駐車場 あり
今治市内に宿泊して、翌日の昼食。
今度はB級グルメを狙う手もあったのですが、妻殿の希望を聞くとやはり海鮮。
それではと、目星をつけていた海沿いの「伊予水軍」さんに行ってみると、なんと満席で行列。
人気店なんですね。
でも時間に制約のある旅行中なので、そう並んでもいられません。
海沿いの道をさらに西へ進んで『海食 浜勝』さんに伺いました。
こちらは庶民的な店構え。
道路を挟んだ向かい側には漁港。
向こうに見えるのが来島海峡大橋。
立地は抜群ですね。
空いているか心配しながら中に入ると・・・
こちらは席に余裕があって一安心。
漁港側の小上がりに陣取りました。
メニューには、昼飯にもってこいの品が並んでいます。
仲居さんに「関東の田舎者に、後悔しない瀬戸内ならではの品を教えてください」と聞いてみると、
「ウニ海食丼」がおすすめで、ウニは昨日も食べた大島産だとのこと。
さらに、本日のおすすめボードを見せてもらうと・・・
ギザミ、アコ、タモリ・・・と、瀬戸内海で獲れる、関東では珍しい魚が並んでいます(喜)
素晴らしい!
どれも食べてみたいけど、一度にそんなには食べられません(泣)
あと2〜3回通いたいくらいです。
悩んだ末、あまり聞いたことのない「瀬戸貝」(600円)を注文してみました。
多分、魚は丼にたくさん入っているでしょうからね。
これが「瀬戸貝」。
食べやすく切り分けられて、磯の香りをさせながら貝焼きになって登場です。
潮が速くて綺麗な海でしか育たないムール貝に似た二枚貝で、「イガイ」とも言うそう。
漁獲高が減って、今では貴重な貝だとか。
形はムール貝に似てはいますが、もう少し大きくて、味も香りも比べものになりません。
海のエキスを吸った濃厚な味。
美味です。
我ながら良い選択でした。
次にメインの『ウニ海食丼』(2,000円)が到着。
大島のウニ、瀬戸内の歯ごたえのあるタコ、それに刺身多数・・・。
普通、海鮮丼の魚って、見た目良くご飯を隠すように、少しだけ重ねて横に並べてあると思うのですが、ここの海食丼は盛り付けるスペースが足りなくて、魚をほとんど縦にして差し込んでありますね(喜)
贅沢です。
刺身も新鮮、どんぶりへの盛り付け方も新鮮(笑)
見たことのない皮目の刺身も載っていましたが、もう覚えきれそうになかったので聞きませんでした。
満腹です。
満足しましたが、瀬戸内の魚は種類が多くて、まだまだ食べつくせそうにはありません。
そういえば、「上物の魚とは瀬戸内の白身魚のことで、他の海の魚でそんなに喜ぶなよ」と、いつも仰しゃる近隣県出身の先輩がいるのですが、言いたくなる気持ちは実地で理解できました(笑)
帰りがけに見ると、入口横に生簀が。
これがアコかな? あっちのはオコゼかな?
ウーン、いつか今治にもカムバックして、こっちの魚も食べてみたい!
【海食 浜勝】(かいしょく はましょう)
▪️所在地 ▪️営業時間 11:00~14:00 17:00~21:00
▪️定休日 木曜・第3水曜
そうそう、今治土産なら「今治タオル」。
肌触りの良い、高品質な国産タオルです。
今治城からそう遠くない、市内にある今治タオル本店に行けば・・・
様々な柄や肌触り、種類豊富なタオルの中から、お気に入りの一枚が見つかると思います。
値段はちょっとお高いですけど、輸入ブランドのバックを買うくらいなら何十枚でも買えます。
「日々の暮らしに、ちょっとの贅沢と本物の満足を」
バリィさんも、そう言っている(ような気がします)。
【今治タオル本店】
▪️所在地 愛媛県今治市東門町5丁目14番
▪️営業時間 9:00 ~ 18:00
▪️定休日 なし