(2020年12月末閉業 日本食研の研修施設になるとのこと。コロナの影響ですね)
四国は愛媛県、松山&しまなみ海道を巡る旅の途中。
本州側に渡った尾道か鞆の浦辺りで宿泊先を探していたのですが、目星を付けていたところはどこも満室。
元々観光スポットではありますが、しまなみ街道は「サイクリング押し」で盛り上がっているようですし、尾道も「猫押し」を企てているようで、思った以上に人気があるようです。
もっと早めに予約に動くべきでした(泣)
とんぼ返りで松山まで戻るのも忙しいので、それならと四国側の今治周辺で探してみると、一軒、場違いに洒落た南欧風のホテルが見つかり、幸い良い部屋も空いていたので予約しました。
四国が誇る地元企業の雄、日本食研グループ系列の
「ケーオーホテル」さんです。
ちなみに「日本食研」といえば、シュールな牛がキャラクターで、本社工場がなぜかヨーロッパの宮殿風の外観、
「焼肉焼いても家焼くな」との謎のフレーズをテレビCMで連呼していた、アバンギャルドな調味料メーカーです。
ここ愛媛の企業だったんですね。
ホテルがあるのは、今治市中心部から今治バイパスを新居浜方向へ車で20分ほど進んだ先。
遠くに瀬戸内海を見下ろす小高い丘を造成した、湯ノ浦温泉の一角です。
道の向かい側は「ホテルアジュール汐の丸」という温泉大浴場付きのホテルがありますが、こちら「ケーオーホテル」さんには大浴場はなく、温泉付きの客室が数室あるのと、予約制の貸切風呂が一つあるのみです。
ただ、歩いていける距離に大きなクアハウスがあります。
車を裏の駐車場に駐め、スタイリュッシュなホテルの入り口に向かうと・・・
物腰丁寧な女性中心のホテルスタッフが迎えてくれました。
ホテル内には南欧風のパティオを取り囲むように施設が配置されていて、外のやや殺風景な景色とは隔絶された、華やかな世界が広がっていました。
「日本食研」さんは、ヨーロッパ風の建物が好きなんですね。
これは結婚式場としても人気が出そうです。
さて、チェックインの手続きを済ませてから花の飾られた廊下を・・・
パティオを見下ろしつつ、部屋へと向かいます。
予約してあったのは、広々としたツインの温泉内風呂付『プレミアルーム』。
奮発しました(笑)
細長タイル貼りの壁がスタイリッシュで印象的。
ソファー周りもゆったりしていて寛げます。
そして、洗面台の奥にあるのは・・・
湯ノ浦温泉のお湯が引かれた内風呂!!
蛇口をひねれば、源泉がドバドバと掛け流し状態(喜)
弱アルカリ性で無色透明のやわらかいお湯は、ラドンを含んでいるそうでよく温まります。
部屋の案内の際、「お湯が湯船から溢れ出してしまうので、入浴後は蛇口を閉めてくださいね」とのお話がありましたので、循環ではなさそうです。
ここ湯ノ浦温泉は温泉地として開発されたのは平成に入ってからなのですが、お湯自体は光明皇后の時代(奈良時代ですね)から知られていた名湯なんだそうです。
洋風ホテルが引湯している部屋風呂のお湯と、ややナメていたのですがかなり力のある温泉です。
翌朝、調子に乗って長風呂を楽しんでいたら、湯当たりして30分ほどKO状態になりました(苦笑)
アメニティはロクシタン。
タオルやパジャマは今治タオル。
手を抜いているところがありません。
ディナーは、一階のレストランで。
瀬戸内の新鮮な魚介類と、地元産野菜を中心とした体に優しいフレンチです。
「鰆のカルパッチョ」
このドイツワイン、安くて旨かった。
「サンマとジャガイモのルーレ」
愛媛らしさで柑橘系の風味。
「鯛と季節野菜の紙包み焼き」
魚料理は素材が新鮮なので、油やソースでコッテリさせる必要もなく、どれもあっさりと優しい味付け。
美味しいです。
「牛フィレ肉のグリエ」
こちらはフレンチらしく木の子のソース。
デザートは、「イチジクのムース」
結婚式場のあるホテルだけあって、鯛や牛フィレ肉といった誰もが納得する上質な食材を、くどくない味付けで調理したフレンチ。
それにプラスして「中はどうなっているのかな?」と期待させられる“ルーレ”や“紙包み焼き”がアクセントになり、全体としては「愛媛に来たんだよね」と思わせてくれる料理となっています。
夜のパティオもいい雰囲気。
翌朝の朝食は、和食と洋食から選ぶことができます。
和食の方は、瀬戸内の魚を使ったお茶漬けが食べられるそうで、非常に迷いましたが・・・
選んだのは洋食。
昨晩と同じレストランです。
こじんまりとしたレストランですが、客室数が20室に満たないホテルなので、混み合うこともなく、ゆったり過ごせました。
まずは、目の前で搾ってくれるフレッシュオレンジジュース(喜)
愛媛らしいですねぇ。
こういう演出、大好きです。
続いて、ホテルメイドのロースハムを食べたい枚数だけ切り分けてくれるサービス。
ちょっと欲張って5枚切ってもらいました。
庶民的には、「何枚でも結構ですよ」と言われただけでテンションが上がりますね(笑)
無理に整形していないせいか、大量生産品ではないせいか、はたまた食品メーカーのプライドか、しっとり柔らかなロースハムです。
調味料を足さなくても美味しいのですが、これもホテル自家製のジャムが添えられています。
オムレツもフワフワ。
パンも美味しかったし、カフェオレもたっぷりで美味しかったし、楽しい気分で大満足の朝食でした。
ちょっと曇りがちですが、朝のパティオ。
宿泊中、ホテルの外の景色をあまり見ないので、瀬戸内ではなく地中海にいるような気分に・・・というのは大袈裟ですね(笑)
でも、いい雰囲気ですよ。
帰りがけに、ホテルで使用している「今治タオルを使ったパジャマ」をお土産に購入しました。
ホテルオリジナルで、よそでは販売していないそうです。
ちょっと高いんですけどね。
ホテルの満足度が高かったので、思い出を持ち帰りたくなったんですね。
財布の紐がゆるゆるになってしまいました。
宿泊代は廉価ではありませんが、内容を考えるとかなりのお値打ち価格。
18室程度のホテル単体で、このレベルのサービスをこの価格で提供するのは難しいはず。
恐らく日本食研グルーブとしてのイメージ作りや、今後の事業展開の実験的な場として経営しているのでしょう。
泊まるなら、温泉内風呂付きの部屋をお勧めします。
湯ノ浦温泉の「湯ぢから」は本物です。
それと、日本食研グルーブですけど、あくまでハイクラスなイメージのホテルですので、バンコさん達が中庭で焼肉焼いて煙を上げているようなことはありません。
安心してください(笑)
【ケーオーホテル】KEIO HOTEL
▪️所在地 愛媛県今治市湯ノ浦15番地
▪️Web-site http://www.keiohotel.co.jp
▪️予約サイト 【じゃらん】ケーオーホテル