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中国宮廷麺『なにや』@小平市〜ラーメンじゃないよ、中国麺だよ!



この日のランチは、ラーメンのようでラーメンではない、中国宮廷麺『なにや』さん。
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古文書をもとに独自に再現したという、中国宮廷麺=翡翠麺を提供する個性派麺料理専門店です。


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「なにや」さんがあるのは、小平市学園西町

最寄駅は、JR中央線の国分寺駅から北に伸びる、西武多摩湖線の一橋学園駅
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かつてこの駅の近くには一橋大学の教養課程キャンパスがあって、駅前はもっと多くの学生達で賑わっていました。
しかし、大学再編によりここのキャンパスに通う学生が激減してからは、人通りが減って寂しくなってしまいました。

『なにや』さんがあるのは、この一橋学園駅で下車し、細い路地を真っ直ぐ大学キャンバスのある西の方へ3分ほど歩いた先。

西武多摩湖線自体は、都心と直結していないローカル線ですが、一橋学園駅はJR中央線の国分寺駅から一つ隣の駅ですし、駅から店も近いですから便利といえば便利な立地です。
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駐車場も店から路地を挟んだ西隣に2台分あり。
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ただ、周辺の道路は一方通行の細い路地ばかりなので、事前に調べておかないと道に迷ってしまいそうです。


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戸建て住宅の一階部分が店舗になっています。
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入り口の手前に、この店の麺についての説明書きがありました。
DSC08575勝手に要約すると

「中国の宮廷で食されていた翡翠麺を再現したもので、日本のラーメンとは製法が異なります。
カンスイを使用していないので、ラーメン独特の腰や弾力、風味を期待しないでください。
別の麺料理ですから」
とのこと。

店内に入ると、どこまで本気で本当なのか分かりませんが「翡翠麺」を食べた明代清代の皇帝一覧。
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こういう大仰なセンスって、嫌いじゃありません(笑)

席は、牛丼チェーン店のような“コの字”型のカウンター席のみで十数席。
カウンターの内側は厨房と繋がっていて、機能的な造り。
年配のご夫婦二人で切り盛りしてる個人経営のお店ですね。
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私が席につくと、後からも来店客が続いてほぼ満席になってしまいました。

客層は、若い学生風から老夫婦まで。
それにご近所さんやら遠方からの車組など、様々。
聞こえてくる会話からすると、リピーター率が高いように感じます。

決してベタベタした接客ではないのですが(むしろ素っ気ないくらい)、
何となくアットホームな雰囲気のある店内でした。


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メニューは、壁に写真とコメント付きで貼り出されています。

ご亭主はメニューの開発意欲が旺盛なようで、チャーシュー麺・ワンタン麺・海藻麺・つけめん・ねぎそば・・・と、種類も豊富。

中には無茶な価格設定の料理や、「何それ?」って感じの季節限定料理も混ざっていますが、全体的には医食同源の健康志向。
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ユニークな中国麺料理店として北多摩では名高いお店なんですが、今回が初訪問ということで、
注文したのは一番オーソドックスな『中国麺』(850円)。
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トッビングは、赤身のチャーシューに、1/2ゆで卵、シナチク、チンゲン菜、飾り人参と、色味も含めてバランスの良い配置。

早速、噂の宮廷麺=翡翠麺を引き上げてみました。
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なるほど、翡翠色ですね。
繋ぎとしてホウレン草を練り込んだものです。
中国では翡翠・玉を神聖視していますから、高貴な色ってわけですね。

色は独特ですが、麺の味に妙な癖はついていません。

カンスイを使用していないので、食感は柔らかめ。
素麺とも違うし、強いて言うなら極く細切りした饂飩が近いですかね。

強い弾力がなく表面が柔らかいことと、やや縮れ麺になっていることで、スープの旨味がよく絡みます。

そのスープは、脂の強くない醤油ベースのスッキリ味。
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一口飲んで「あっ、これは美味い」と感じるスープです。

和風の掛け蕎麦的な味もするスープですが、かといってカツオ昆布の出汁はそれほど主張してきません。
それとは違う何かのコクと旨味を感じるんですけど、何の味ですかね?

それに飲み続けていると、スープに甘みを感じてきました。

まさか単純に砂糖の甘さではないでしょうから、何か年間を通して入手できる野菜かフルーツか酒の一種?でも使っているのでしょうか??とりあえず、医食同源・中国宮廷700年の神秘の味と理解しました(笑)

チャーシューは、厚めの赤身のものが2枚。
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食感は柔らか目のチャーシューで、これも美味しい。

全体に脂や塩気が強すぎることのない優しい味の麺料理で、嵌る人はハマるでしょうね。
私もハマりそうな口です。
近年人気の背脂チャッチャッ、こってり特盛りラーメンとは対極の味。

年配の方やリピーターらしき客が多いことも納得できます。

ランチとして、ボリューム的にはこの「中国麺」で十分な量なんですが、
折角なので「なにや名物」の「手打ち三色大餃子」
(一個150円で2個から注文可。単品で頼むと割り増し料金)も注文してみました。
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いや本当に大きい!

色は、中国古陶磁の「唐三彩」を意識したとか。
まったく、凝り性なご亭主です。

皮はモチモチ。具はジューシー。
ニンニクの臭みをあまり感じない、小龍包の具に近い味。
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これも一度は食べる価値のある一品です。

でも、私には中国麺と餃子二つは食べ過ぎな量ですね。
餃子の注文は二つからなので、誰かと二人で来て、餃子を1個づつシェアできればベストかな。

満腹です。
ごちそうさまでした。


ここ「なにや」さんは、二十年も前の多摩のラーメン本に掲載されているような個性派の名店です。

でも近くを車で通ることはあるのですが、入り口がよく分からないので、今まで気にかけながらも素通りしていました。
今回は、面倒臭がらずに電車に乗って食べにきて、長年の宿題をやっと終わらせた気分です。

味は、普通のラーメンの味を期待してくると拍子抜けするかもしれません。
日本式ラーメン独特の麺の腰や小麦粉そのままの旨味が弱く、ガツンとくるスパイシーさや脂分を摂取した満足感がないからです。

でもここのウリは、カンスイやその他の保存料等も使用せず、中国薬膳料理的な医食同源の健康志向の料理であること。

現在、ラーメンに使用されているカンスイが、本当に体に悪いのかは知りませんが、胃腸が弱くて相性が悪い人はいるようです。
そんな人や、そもそもコッテリしすぎる料理が苦手な人には、ピッタリな麺料理店でしょう。

これだけ聞くと、何だか胡散臭い病人食のようにも感じますが、中国麺の色合いを含めてのトッピングのバランスの良さや、柔らかい麺に馴染むようなに考えられたスープとの組み合わせ、それに餃子の皮を三色に分ける凝りよう等を見ると、よく考えて手間暇をかけた(=儲けよりもコダワリを優先してしまうような)研究熱心で良心的な店だと思います。

・・・恐らく、ご亭主の個性がそのまま出ているような店ですので、この味の後継者はいるのかなぁ?
妙なところに妙な手間暇をかけているので、このスタイルでは暖簾分けしてチェーン展開しても儲けはでないでしょうねぇ(笑)

ユニークなこの中国麺店が、老舗料理店としてこれからも続いてくれることを期待してしまいます。
きっと私がもっと歳をとったとき、閉店でもして食べられなくなったていたら、かなりガッカリすると思いますから。


【中国宮廷麺 なにや】

▪️所在地   東京都小平市学園西町1-26-25
▪️最寄駅   西武多摩湖線一橋学園駅 下車徒歩3分
▪️営業時間  11:30~14:30 17:30~19:30 (土日は中休みなし 麺売り切れで閉店)
▪️定休日   月曜日
▪️駐車場   少ないけど有り



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