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『武蔵野やぶそば』@西武柳沢駅南口〜汁が辛くてコシのある藪蕎麦の正統派


まだまだ暑さが盛りの夏の日の夕方。
西武新宿線で移動中、夕食を食べて帰ることになりました。

もう何年か前に、一度だけ行ったことのある蕎麦屋が駅前にあったのを思い出し、西武柳沢駅で下車。

向かったのは、駅からもほど近い『武蔵野やぶそば』さん。
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店があるのは西東京市柳沢六丁目

最寄り駅の西武新宿線西武柳沢駅からは、南口側に降りてすぐ、徒歩2分ほどです。

駅前交番の向こうにある、高層マンションの一階が商店街になっていますが、その一角に店はあります。
急行の停まらない柳沢駅とはいえ、駅からすぐの立地ですから交通の便は良好。
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駐車場はマンションの裏手に1〜2台分あるそうですが、よくわかりません。
周辺にコインパーキングはあります。


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茶色い土壁風の外構えに緑色の暖簾がかかって、蕎麦屋らしい清潔感のある外観です。

二つ隣が青果店だったり空き店舗が見られたりする、よくある庶民的な商店街にある蕎麦屋ですから、高級感まではありません。

暖簾をくぐると、花番さんが迎えてくれました。
「好きな席にどうぞ」とのことだったので、一番奥の二人掛けテーブルに陣取ります。
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店内には、カウンター代わりの大テーブルに、小上がり席とテーブル席が二つづつ。
ピカピカのテーブルに清潔感があって、好感度は上昇。

まだ時間が早いのか先客はなく、ひっそりとしていました。
落ち着きのある和風の設えで、周りが静かなこともあって居心地は良好。
経営的には心配になりますが、静かなお店は大好きです(笑)


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まだ暑い夏の日でしたので、冷たい蕎麦が食べたい気分です。
でも、空腹でもあったので「ミニ丼に笊蕎麦のセット」的なものを期待したのですが、メニューを眺めても“本格的な天丼”か、“量の少なそうな蕎麦”しか目に付きません。

では、「蕎麦の大盛りはあるか?」と訊くと、
「大盛りはやっていません」とのこと。

うーむ。
蕎麦前でも楽しめば良いのでしょうけど、その時間と体力も残ってなかったし・・・。
大盛りがないのなら「盛りそば」を一枚追加する手もありますが、味のまだわからない店でそこまでするのも躊躇われます。

数年前に来てはいるはずなんですけど、蕎麦の味を覚えていないんですよね。
覚えていないということは、恐らく「悪い印象はなかったけど、感動まではしなかった」ってことでしょうから。

江戸蕎麦の老舗名店「やぶそば」の暖簾を掲げてはいても、そんな店は沢山ありますしね。

暫し悩んだ末、まぁいいやと注文したのは「冷やしたぬきそば」
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蕎麦つゆを上からブッカケ式です。
ビジュアル的には、天かすに白髪ねぎと大根おろしがトッピングされていて、サッパリとして美味しそう。
器のセンスもいいですね。
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蕎麦は細打ちでパキッとした腰があります。
つけ汁はオッと驚くくらいのパンチの効いた濃口。
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テーブルの案内を見ると、「江戸っ子好みとして、ソバは辛めのつゆに三分の一だけつけて、噛まずに喉で味わう通人風の方が香り高く召し上がれます」とのこと。
なるほど、これは確かに「やぶそば」ですね。
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薀蓄本など読んだ知識を思い出すと・・・
「そもそも藪蕎麦などの挽きぐるみ粉で打った蕎麦は、タンパク質を多く含んでいるため伸びやすく、水切りもソコソコにして急いで笊に盛る。
その水気の多い蕎麦を汁につけていると、食べ進める途中で汁が薄くなってしまうので、濃い口の汁に薄まらないように蕎麦を少しだけつけて食べるスタイルが定着した。」そうですね。

やぶそばの暖簾を掲げて「江戸ソバ一筋」にこだわるのは、店の特色としてなかなか良いんじゃないでしょうか。
なんでも「藪蕎麦御三家」の一つ、池の端藪蕎麦で修行した後に暖簾分けされた店なんだとか。
正統派の藪蕎麦だったんですね。
お見それいたしました。

ブッカケ方式の蕎麦だったのですが、蕎麦湯も持ってきてくれました。
少し白濁させているのが好みです。
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ご馳走さまでした。
季節的なものか、それほど蕎麦の香りは感じませんでしたが美味しい蕎麦でした。
これなら次は、大盛りの代わりにざるそばを一枚追加してもいいと思います。
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正統派蕎麦の店としてはリーズナブルな価格設定で、メニュー構成も妥当なものだと思います。
でも、この駅前のこの商店街にある蕎麦屋なら、通りがかりの人は「ちょっと立ち寄って、手軽に腹が充たせる蕎麦屋」であることを期待するでしょうから、ニーズとメニュー構成にギャップがあるんじゃないですかね。
店内で石臼が回っていたり、手打ちしている様子が見えたりすれば、また別の認識をされるのでしょうけど。

もうちょっと賑わっていても不思議ではない蕎麦屋だと思いますが、今から店の改修もできないでしょうしね。
それに私は混雑していない店が大好きなんです。

そうそう、なんと本家の「池の端藪蕎麦」が閉店してしまったそうです。
その流れを汲む店の一つであるここの蕎麦屋は、これから貴重な存在になっていくのかもしれません。


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