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千年鮭 井筒屋@新潟県村上市〜郷土の味 塩引鮭のお茶漬け


新潟県北東部(下越地方)の城下町である村上市。
山形県へのドライブ旅行の帰りがけに立ち寄りました。

村上では千年も前の平安時代から、三面川を遡上する漁の記録が残っており、江戸時代には養殖にも成功した鮭の町。
塩引き鮭を始めとして、鮭料理のバリエーションが豊富に伝えられています。

市内を散歩していると、所々で軒下に軒下に吊るした鮭を見かける街なんて、他にはそうはないでしょう(笑)

市内には、本格的な鮭のコース料理を提供している料亭などが何軒かあります。
でも旅行途中で立ち寄るとなると時間が読みきれないので、なかなか予約しづらいところがあるのですが、塩引き鮭土鍋ご飯でお手軽に鮭茶漬けを食べられる店が昨年オープンしたと聞き、ランチに伺ってみました。

鮭料理専門店の『千年鮭 井筒屋』さん。

松尾芭蕉が旅の途中で二泊したという、歴史ある元旅籠を改装したお店です。


🌀アクセス

井筒屋さんの所在地は、新潟県村上市小町一丁目
かつては旅籠が立ち並んだ城下町の一角で、郷土資料館や武家屋敷からも程近い立地。

最寄駅羽越本線村上駅からは歩いて20分ほど。

こちらの井筒屋さんは、塩引き鮭などの鮭料理や加工品を製造販売している「千年鮭 きっかわ」さんの系列店。
駐車場は「きっかわ」さんと共用のものが周囲にあります。

さて、暖簾をくぐって中に入ると、まずは囲炉裏が切られた小上がりのあるスペース。

きっとここで昔の旅人たちが草鞋を脱いだり、食事をしたりしたのでしょう。
大変風情があります。

今は混雑時に席待ちしたり、お土産用の加工品を眺めるためのスペースになっています。

広げて置かれたメニューボードを見ると、
「ワンオーダー制です」
「お一人様1000円以上のご注文を」
等と書かれていて、繁忙期には結構な混雑となっているであろう様子が伝わります。

この日は幸い板の間のテーブル席と・・・

畳の席が一つづつ空いていたので、こちらの座卓の席に案内してもらいました。
太く黒光りした梁がかかり、神棚と仏壇が置かれた畳の間は、古い町屋の旧家そのままです。

京都の町屋のように、小さな中庭があったりして良い雰囲気。


🌀メニューと料理

村上では、鮭を無駄なく美味しく食べ尽くすための伝統的料理法が実に多彩。

メニューを見るとメインの鮭茶漬けの他に、何品か鮭料理を加えていく構成となっています。
はらこやかぶと煮などの料理を加えて計7品にすると、1,950円。
十品にすると2,900円。十三品にすると3,900円・・・といった具合。

 

この時は、前日泊まった旅館の朝食が美味しくて食べすぎ気味だったので、一番お手軽な
「鮭料理 二品」(1,000円)を注文しました。

夏休み中でやや混雑気味だったせいか、15分程待ったでしょうか。
まずやってきたのは「鮭の手まり寿司」

「鮭の生ハム」を手まり寿司にしたもので、おそらく生ハムは「きっかわ」さんのオリジナル。
スモークサーモンと生鮭のマリネの中間くらいの味わいで、程よく熟成され舌触りも良くて大変美味です。

続いて朱塗りのお盆に載せられて塩引き鮭のお茶漬けセットが登場。

塩引き鮭
ふた切れに、ご飯は土鍋で炊いた岩船産コシヒカリ
それに薬味として三つ葉、刻み海苔と浅漬け。
お茶は村上茶に出汁と醤油をブレンドしたもの。

岩船産コシヒカリは、小規模産地ながら新潟では魚沼のコシヒカリと並ぶブランド米。
村上茶は日本最北の茶処として有名で、渋みの少ない玉露のような味が特徴。
この御膳は、村上の郷土の味の最強コンボとなっています。

メインの塩引き鮭は、吊るし干しして熟成が進んでいるので、ただの塩鮭と比べて旨味の深さが違います。
「きっかわ」で売っている塩引き鮭は他のお店のものより少々お高めなのですが、その値段以上に旨味が強いように感じるので、我が家では贈答用には「きっかわ」さんの塩引き鮭をよく使ってます。

土鍋ご飯は、ちょっとだけお焦げを混ぜてくれるサービスぶり。
量は少ないですけれど、一回だけお代わりができます。

塩引き鮭もふた切れあるので、「普通にご飯で一杯、お茶漬けにしてもう一杯」って食べ方がおすすめ。

それでは、鮭をほぐして皮も一緒にご飯に載せて・・・


出汁入りのお茶を上からかければ・・・

こんなもの美味いに決まってるじゃないか!!って話ですよ。

実食しても「塩引き鮭」と「塩鮭」の違いが判らないような方にはお薦めしても詮無い話なのですが、魚好きな方には是非食べてみて頂きたいお味です。

最後に「きっかわ」特製の冷たい甘酒で〆。

今回はお手軽に「鮭二品」を注文しましたが、一つ上の「鮭七品」からは、ミニ七輪で鮭を炙るところから始まるようなので、時間と胃袋に余裕があるならランクアップしてそちらを楽しむのも良いかと思います。

気に入った料理があれば、帰りがけにお土産を買って行くこともできます。
同じ通りの「きっかわ」さんまで歩けば、もっと沢山品数が並んでいますけどね。


食後にぶらぶら散歩していると、前回来た時よりもカフェなど旧町屋をリニューアルした飲食店が増えていることに気がつきます。
観光客が増えて来ているのかな?

一般の商店なども、こんな具合に景観を守ってくれています。

インスタ映えしますよね?(笑)

余所の地方都市と同じく、通りにはシャッターの閉まったままの店もありましたが、趣を残したまま綺麗に整備された箇所も増えて来てます。
だけど完全には観光地化されていないところもまたいいと思います。

帰りがけのお土産には、駅に戻る方向にある九重園さんで村上茶を購入。

狭山茶なんかの渋みとのバランスの良いお茶も好きなんですが、ここのお茶のように、煎茶なのに玉露のような味わいのお茶なんてのも大好きです。
お茶好きな方なら、「舞鶴」とか「初摘」あたりの高めのお茶も買ってみて頂きたいなぁ。

実は数日前、山形まで行く途中にも村上に立ち寄って、道向かいの「うおや」さん直営の・・・

「一鰭(いちびれ)」さんで、生岩牡蠣などを食べて来ました。
笹川流れ産の岩牡蠣は、大振りでジューシー、絶品です。

そんなこんなで旅行中に二度立ち寄ってみても、まだもう一つの名物、村上牛は食べ損ねているのですから、この町には何度でも立ち寄りたくなります。


【千年鮭 井筒屋】(いづつや)

■所在地   新潟県村上市小町1-12
■営業時間  11:00-16:00(土日予約不可)
■定休日   なし
■最寄駅   JR羽越本線村上駅 下車 
■駐車場   あり



 

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