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『千年鮭 井筒屋』@新潟県村上市〜鮭の町にて「はらこ丼」


都県境は跨がないと決めた今年の夏。
昨年夏の旅行で立ち寄ったお店を紹介して、勝手に応援ていきます。
(近場を出歩く頻度も減っているので、新ネタも少ないってのも本音)


新潟県北端の城下町である村上市では、古くから市内の三面川に鮭が遡上し、塩引鮭などの
鮭料理が発展してきました。
ただ、通年その鮭料理を味わえる専門店ってものが意外と少なかったんですが、
数年前に「千年鮭 きっかわ」さんが、同じ通り沿いに「鮭料理専門店 井筒屋」さんを
オープンさせてくれたので、観光客もふらっと鮭料理を味わいに立ち寄れるようになりました。

建物は、なんと松尾芭蕉奥の細道の道中、弟子の曾良とともに二泊もしたという古い町屋。
そんな建物がまだ使用可能な状態で残されているなんて、素晴らしいことですよね。

ちなみに、芭蕉は村上に二泊もしたのに、俳句は一句も読まなかったようです。
直前に、旅の一番の目的地であった秋田県の象潟を訪れてしまったので、達成感と虚脱感、
加えて夏の暑さと雨の湿気に当たってしまいグロッキー状態だったそうです。残念。

長い越後路で読んだのは、
文月や六日も常ねの夜には似ず
(七夕って、前日の夜からウキウキ気分になるよね)
荒海や佐渡に横たふ天河
(荒れた海の向こうに流刑地でもある佐渡島、その上に天の河が横たわってフォトジェニックだよ)
の二句だけど、これはもう少し西へ移動してから読んだ句かな?
でも情景が浮かぶような素敵な俳句です。


さて、井筒屋さんの暖簾を潜ると、まずあるのが囲炉裏を切った板敷きスペースと、
その周りのちょっとしたお土産コーナー。
その奥がテーブル席と畳敷きの座卓席が合わせて数卓ある飲食スペースとなっていますが、
それほど広いものではありません。
行楽期の昼時には行列ができるのかもしれませんが、この日はすんなり席に案内してくれました。

ここの囲炉裏スペースを改築すればもっと席を増やせそうですが、登録文化財ですから、
そんな無茶はできないですよね。

通された席は、大きな仏壇と神棚がそのままの残された畳の間。
素晴らしい風情があります。

芭蕉もこの部屋で休んだのかな?

テーブル席も二卓あるけど、そもそも席数が少ないので、選べるかどうかは混雑次第でしょうね。

足が悪くないなら、畳の間の方を推奨しますけど。

一昨年来たときには塩引鮭のお茶漬けセットを注文したのですが、この時のお目当ては、
新メニューの「極上・豪快はらこ丼」

きっかわさんが、厳選した卵を漬けた自家製はらこなんですから、激しく期待しますよ。
ちょっと高いけど。

まずは、鮭料理三品の小鉢。

両側の小皿は、鮭のそれぞれの部位を煮付けたもので昔ながらの料理。
真ん中は鮭ハムの手毬寿司で、これはきっかわさんが考案した現代メニュー。
新旧とり混ぜてあります。
運転がなければ、ここで軽くビールでも飲みたいところです。

急須に入っているのは村上茶と出汁を合わせたもので、これと塩引鮭でお茶漬けにすると絶品!

ここで、はらこ丼が登場!
小鉢には漬物と、塩引き鮭が半切れ。

丼によそられたお米は、米どころ村上が誇るコシヒカリ。
それも土鍋で炊いたご飯です。

秘伝のたまり醤油に、粒々はらこがたっぷり浸かってますよ。
写真で見たほどのボリュームじゃない気がするものの・・・

ご飯の上にドバドバっと掛け回すと・・・

ッハッハと、つい嬉しく笑ってしまうようなビジュアル。

たまり醤油やらハラコの旨味やらが染み込んだご飯が旨くて、食が進みます。

いやぁ、旨い!
魚卵好きな皆様にはオススメの逸品。

ご飯は一杯お代わり無料なので、お腹に余裕があれば、塩引き鮭でお茶漬けをもう一杯楽しめます。
私は健康上の理由で自粛しましたが。

食後は、散歩がてら本店の「きっかわ」さんまで散歩。

こちらの建物も風情満点。
この暖簾の前で、吉永さより様がJRのキャンペーンのポスターを撮ってます。
記念写真スポット。

お土産を買いながら、奥の塩引き鮭の干し場を見学させてもらいました。

いやいや、天井から吊り下げられた千匹の鮭が壮観。
他所ではあまり見られない光景ですから、独特の文化を感じます。
旅情を満たす光景。

井筒屋さんも、今年は営業自粛したりでご苦労されていたようです。
写真を見返してたら、私もまた食べたくなってきました。
来年は東京もんが行っても良くなるのかなぁ。


千年鮭きっかわ  『井筒屋』

■所在地   新潟県村上市小町1-12
■営業時間  11:00-13:30(時節柄変動あり)
■定休日   年末年始
■最寄駅   JR羽越本線 村上駅
■駐車場   あり



 

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