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かんづくり荘@檜原村数馬〜山里古民家のもてなし蕎麦膳

西多摩の町長や村長から「一応都内だからって、気安く来るんじゃねぇ!」と、至極ごもっともなことお言葉をかけられたからには、出かけるわけにはいかなかった緊急事態宣言も漸く開け、久しぶりに檜原村まで軽く紅葉ドライブに行ってきました。
メジャーな都民の森とか払沢の滝あたりは人出も多いだろうと、まだ用心して目的地としたのはマイナーな「龍神の滝」

檜原街道をひたすら西へ進み、日帰り温泉の数馬の湯の少し手前に「数馬の湯 第二駐車場」と書かれた看板がある砂利敷の平場がありますが、そこの奥に滝へと下る入口があります。

ここの駐車場、車が止まっているのをほとんど見たことがなかったので気にも留めていませんでしたが、滝の入り口を兼ねているとは知りませんでした。
だいたい龍神の滝なんて滝自体、最近Googleマップを眺めていて存在に気が付いただけですから(笑)

滑りやすい急な山道を降りていくと、川の対岸に落差20m弱の滝が見えてきました(!)
知名度が低い割には、立派な滝です。

細い木橋と木道があるので、その通りに進めば滝壺まで行けそうです。

木橋の上まで降りて、駐車場の方を振り返ったのが下の写真。

下り坂は急で滑りやすいので、運動靴程度は履いていないと危ないかな。

そして、橋の上から見下ろす清らかな南秋川の流れの綺麗なこと!!

あと少しで紅葉の最盛期って感じでしたが、十分素晴らしい景観でした。

滝の水量がもう少し多いと、もっと映えるんですけどね。

でも、土曜日だと言うのに誰にも会うことなく、こんな景色を独り占め(喜)
紅葉しかけの緑に包まれ、川と滝の音だけがする中に佇む至福の時間でありました。


さて、少し歩いたらお腹も減ってきました。
ランチ場所に選んだのは、滝から300mほど檜原街道を東に戻った「かんづくり荘」

築300年の本物の古民家を利用したランチ営業もしている民宿で、手打ち蕎麦が美味しいと聞いてやってきました。
檜原村の数馬と言えば、兜造りの民家が有名ですが、この建物は兜造りではないようですね。

檜原街道沿いのこの看板が目印になります。

店の前には7〜8台分の駐車場あり。

村役場から15kmも西に離れた場所ですから、そんなに混むことはないとは思いますが、もし満車で止められなかったら、さっきの村営駐車場(?)に駐車して歩いてくることも可能でしょう。

暖簾をくぐって中に入ると、田舎の古民家らしい大きな玄関。
ハキハキとして感じの良い若女将らしき方が迎えてくれましたので、靴を脱いで上がりました。

室内は天井の高い畳敷きの広間になっていて、四人がけのテーブルが4つに、大きめの座卓が2つ。
先客は3組で、幸いまだ席に余裕がありました。

神棚と向こうに見える仏壇、床の間は昔のまま。

風情がありますねぇ。

築300年の屋根を支え続けた天井の梁は、流石に太くて立派です。
江戸期には林業が盛んだった土地ですから、こんな材木も手に入ったのでしょう。

ちなみに「かんづくり」とはこの家の屋号で、荷車の梶棒(引き棒)を作る「梶作り」からきたとか?、日の当たらない山陰の土地に家を建てたから「寒造り」と呼ばれたとか?、らしいのですが、歴史が古すぎて自分たちでももうはっきりとは由来が分からなくなってなっているそうです。

さすが300年(笑)

日当たりが悪いうえに、障子の隙間から風が差し込みやすい古い日本家屋ですから、夏は涼しくても冬は地獄の寒さなんだそうですが、ストーブやらヒーターやらが点いているので、今は寒くはありません。

夏は特等席になりそうな縁側の座卓には、誰も座る人はいません。

空気は爽やかなんですが、そりゃあ流石にもう寒いですよね。


メニューを見ると、自家石臼挽き手打ち蕎麦が一押しだとのこと。
セットメニューが4種類あります。

特に新蕎麦のシーズンが始まっているので、蕎麦は食べるべきでしょう。

川魚の塩焼きなどの一品料理にも心惹かれますね。

秋冬メニューには、生芋からの完全手作りこんにゃくとか、子持ち鮎の塩焼きとか・・・

拾うところから始めた完全自家製の手作り栗アイスとか、なんとも魅力的すぎるラインナップです。

そんなこんなで誘惑に抵抗しきれずに注文したのは、
まず「子持ち鮎の塩焼き」(900円)

今年の夏は鮎を食べに行くこともできなかったので、ギリギリ間に合ってよかった(喜)

さらに「大きめ鮎の刺身」(1,000円)

これもついつい・・・。
時期的に若鮎の淡白な歯応えとか、藻を食べて育ったスイカ臭いとかはありませんが、ねっとりした甘みがあって、これはこれで美味。柚子味の特性醤油ダレも味を引き立てます。

次に、生芋から完全手作りの「手作りこんにゃく」(400円)

西多摩で蒟蒻は定番料理ですが、これはスッキリ淡麗、雑味のない味わいの蒟蒻だったで、ちょっとビックリ。
これなら葛切りとか餡蜜とか、甘味にして食べてみたいです。絶対、美味しい(はず)

メインはやっぱり手打ちそばで、私は「ざるそばと舞茸の天ぶらのAセット」(1,400円)

ど定番ですが、舞茸天ぷらって蕎麦にもウドンにも合いますよね。
小鉢が4皿も付いてきました。

西多摩の蕎麦と聞くと、ゴワっとした太めの平打ち田舎蕎麦を思い浮かべますが、檜原村の西の山の方でこんな端正な蕎麦にお目にかかるとは意外!
手打ちの証の蕎麦の耳が上に載っています。
これ、手打ちうどんではよく見ますけど、蕎麦ではあまり見ないですよね(笑)

切り揃えられ、星が散った蕎麦が美しい。
蕎麦専門店ではない、民宿のランチでこんな蕎麦を食べられるとは嬉しい限り。

だし汁は、もう少し濃口でキリッとしている方が私の好みですが、美味しい蕎麦でした。

この煮物とか山菜も素朴ではあるんだけど、上品な味つけで何だか美味しかった。

妻殿が選んだのは、「ざるそばと旬菜の天ぷらのBセット」(1,400円)

しばらく前から、野菜天とか山菜天ぷらが好きになったらしい妻殿も満足しておりました。

はい、満腹です。大変美味しゅうございました。
檜原村まで足を伸ばした甲斐がありました。(甲斐の国は少し先ですけど)

お腹に余裕があれば、この栗アイスも食べたかったけど、残念ながらキブアップ。
次回のお楽しみです。

数馬は車で何度も通っていますが、この「かんづくり荘」でこんなランチを食べることができるとは、不覚にも知りませんでした。

ランチは感じの良い若女将と大女将の二人で切り盛りしている様子で、混んだ時には調理に少々時間がかかるかもしれません。それと西多摩の秋冬の日陰は気温が下がりますから、寒がりの人は上着を羽織って入店した方が良いでしょう。
そんなことがあったとしても、檜原村の中でも西の奥の数馬地区にあって、風情のある古民家で、こんな端正な蕎麦と一品料理が食べれるのですから、もう大満足。
来年もまた来たいですね。


帰り道、あきる野市内の「みつばちファーム」に立ち寄って・・・

多摩産の蜂蜜を補充。

ついでにカフェで美味しい蜂蜜入りジンジャーエール を飲んできました。
ドライブ疲れがほぐれるような美味しさ。

随分前からお休みしていたランチのフードメニューも土日限定で再開するそうです。
こちらも楽しみ。


【かんづくり荘】
■所在地    東京都西多摩郡檜原村数馬2411
■営業時間   11:30-15:00
■定休日    木曜日
■最寄駅    JR武蔵五日市駅より数馬行きバス下平下車
■駐車場    あり



 

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