(なかなか収まらないコロナ渦にあって、更新意欲も減退してしまいましたが、何処かの女親分も「社会は停めない!」などと曰っているそうなので、感染対策をとりつつ、ちっとは外食を楽しもうかな)
まだ落葉樹の葉も落ちきらない11月中旬。
秋の風情を求めて、JR中央線西国分寺駅からほど近い武蔵国分寺公園へ出掛けてみました。
平成14年に旧国鉄の中央鉄道学園(北側)と郵政省の官舎(南側)跡地にオープンしたこの公園は、広さが10haもあり・・・
園内には池や林や芝の広場がバランス良く配置された、近隣住民の憩いのスポット。
隣接する雑誌類の収蔵で有名な都立多摩図書館と合わせて訪問すれば、丸一日くらい楽しんでいられそうですが、そちらは残念ながらコロナで利用制限中。
でも、公園の園路を散策するだけなら、密になることもありません。
楓の紅葉には、まだ少し早かったようです。
昔はよく空き地なんかに茂っていたススキも、こんな大きな公園くらいでしか見かけなくなりましたね。
ゆっくり散歩して、園内一回り1時間くらいでしょうか。
公園の南端までやってくると、もうすぐ国分寺崖線(多摩川が削った河岸段丘)と接していて、崖下に向けてつづら折りの小径が伸びています。
降りた先には、ハケ下からの湧水を湛える真姿の池。
こちらの泉は、日本の名水100選にも選ばれています。
その昔、玉造小町という美人さんが酷い皮膚病に罹ったのですが、観音様のお告げにより、この泉の水で身体を洗ったところ、7日で病が全快したとの伝説が残っています。
霊験あらたかな泉ではありますが、今は飲用不適。
湧き出した水は清流となり、やがて野川へとそそがれていきます。
この周辺は江戸時代には尾張徳川家の鷹狩場だったようで、それに因んで清流沿いの小径はお鷹の道と呼ばれています。
道沿いには風情ある古民家が残り、また野菜の直売所やカフェなんかもあって、そぞろ歩きが楽しくなります。
もう少し行けば、グッと規模を小さくしながら今も残る武蔵国分寺や、七重の塔を持つ大伽藍だった頃の礎石なども見てまわれるのですが、そろそろ昼飯どきとなりました。
ここから15分も歩けば隣のJR国分寺駅に出られるのですが、この近所の何とも細く曲がりくねって説明しづらい裏路地に、小さくて隠れ家的な中華料理店がオーブンしたと聞いていたので、行ってみることにしました。
見るからに昭和な民家の一階部分を改装した『中華キッチン ウノヴィック』さんです。
同じ建物に、建築設計事務所とギャラリーが同居している模様。
ガラス窓越しに中を覗くと、先客が1組あるものの席に空きはあるようなので扉を開けて中へと。
入ってすぐ右手のスペースにテーブル席がありますが、こちらがギャラリーなのかな?
左手のスペースが飲食フロアとなっていて、ワンオペのご亭主が迎えてくれました。
客席は、厨房の前にカウンター席が三つ、それに二人掛けのテーブルが四つ並ぶのみで、こじんまりとした店内。
コロナ対応で席間隔をあけるように気を配っているようなので、その点では安心なのですが、大人数での訪問は難しいでしょう。
今回はすんなり席につけてラッキー。
隣で楽しく食事中の先客もいるので、店内の様子は上手く撮れていませんが、昭和レトロ感があって落ち着いた居心地の良い空間です。
机上に置かれたメニューを見ると、種類は多くないのですが、美味しそうな本格中華のメニューが並んでいます。
海老好きの私の心を揺さぶる「エビチリ」とか、
初めて聞く料理名ですが、激辛の「ラーズーチー」とか。
どんな味なのか食べてみたいなぁ。
どうやら四川系の料理が得意なようですね。
勿論、辛くない料理もあって、この「豚肉とキクラゲの玉子炒め」なんて、これをおかずにご飯をかき込んだら、胃袋が幸せになれること間違いなしでしょう。
他にも幾つか目を引く料理が並んでいるので、何を食べるか選ぶ楽しみがあります。
悩んだ末に選んだのは、まず点心類が大好きな妻殿のリクエストで「春巻き」(二本で400円)
揚げたての皮がパリッパリッで美味しいです。
餡には細切り野菜が具沢山。
もう一品、点心類から「皮から手作り!まんまる餃子」(3個で300円)
「皮から手作り」なんて聞いたら、注文ぜざるを得なくなりますね。
いかにも「手作り」な不揃い饅頭三兄弟みたいなのが出てきましたよ(笑)
食べてみると、手作りの皮が厚めでモッチモチの食感、美味い。
一般的な餃子って外観ではありませんが、具は野菜主体の餃子の餡そのもの。
こんな風変わりな餃子も面白いと思います。
どちらの点心も、下ごしらえに手を抜いていない感じ。
メインの食事としては、四川料理に自信がありそうだったので、
「麻婆豆腐」(単品800円)を定食セット(+300円)で注文してみました。
まずは、定食のサラダとスープ。
白熊の箸置きが可愛い(笑)
食器は、暖かみとレトロ感のある味のある陶器を統一して使用しているようです。
趣味が良いと思うし、何だかホンワカとリラックスした気分になります。
続いて麻婆豆腐の登場。
食べてみると、唐辛子と山椒の辛みが効いた大人向きの味ではありますが、激辛を売りにした辛味ではないので、軽く汗をかきながもご飯が進む、落ち着いて食べ進められる麻婆豆腐でした。
一方、妻殿が注文したのは、「五目塩タンメン」(1,000円)
野菜が山盛りでタップリ。
ヘルシーです。
国分寺市では「こくベジ」と称して、市内産の野菜を推してきていますので、これも市内産なのかな?
スープを一口、味見させてもらいましたが、野菜の旨味が溶け込んでいて美味かったです。
ボリュームもあって、妻殿も満足して頂けたようです。
ごちそうさまでした。
店内が狭いこともあってか、お勘定は席会計。
高級店に来たような錯覚を味わえるし、楽で良いです(喜)
真姿の池やお鷹の道から近いものの、住宅街の真ん中にある隠れ家的中華料理店。
店の雰囲気も料理の味も、どちらも好みのものでした。
でも付近の道は狭いし、近くにコインパーキングもあまりなさそう。
国分寺駅から歩いて10分くらいなのですが、小さなお店ですから、ここまで歩いて来て満席で入れないとなるとショック大ではあります。
そんな時はブランBとして、ここから歩いて5分の国分寺街道沿い、桃の湯隣にある洋食レストラン「サロンドカフェ ベルビュー」まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。(水曜定休)
銭湯の横にあって、入り口がコインランドリーになっていると言う、ユニークで古くからある洋食店のようです。
メニューが豊富で、味にも定評あり。
私は未訪問なのですが(無責任!)、いつか行ってみたいと思っているお店です。
【中華キッチン ウノヴィック】
■所在地 国分寺市東元町3-5-13
■営業時間 11:00-21:00
■定休日 月曜日
■最寄駅 JR国分寺駅 南口下車徒歩10分
■駐車場 なし