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落合簗@渋川伊香保〜夏は簗で鮎!

夏の味覚と言えば、スイカやトウモロコシ、枝豆等と色々とありますが、清流の女王「鮎」を忘れるわけにはいきません。

伊香保温泉のある群馬県渋川市内利根川沿いでは、夏季限定2か所簗(やな)が営業されていて、それぞれ塩焼きなどの鮎料理を提供しています。
一つは、市の北方で利根川の上流、沼田との市境に近く、より自然に囲まれた環境にある「綾戸梁(あやどやな)」。
もう一つは、渋川市街地からも遠くない、大正橋を渡った先にある「落合簗」。

今回はこちらの落合簗に伺いました。

この3年ほどはコロナ自粛で遠出もままならず、桜も花火も紅葉も、ろくに見ることができず残念な思いをしてきましたが、新型コロナもやっと5類とやらに移行しました。
今年の夏は久しぶりに山形県の海沿いの温泉地まで行くことにしたのですが、先の長い道中ですから行きがけに、こちらの簗に夏の味覚を求めて立ち寄ることにしました。

🌀アクセス

落合簗所在地は、群馬県渋川市北橘町八崎

最寄り駅であるJR上越線・渋川駅から20分も歩けば着けそうですが、簗が営業しているのは殺人的に暑い夏の間だけですから、駅から行くならタクシーを利用した方が無難。

でいくなら、関越道渋川伊香保インターチェンジから10分もかかりません。
インターを降りたら、渋川・伊香保方面の標識に従って国道17号を北上、下郷交差点を右折して大正橋を渡り、次の大正橋交差点のすぐ手前で、落合簗と書かれた大看板を目印に右折、細い路地に入った先の河川敷に店はあります。

駐車場は砂利敷のものが十分な数、用意されていて安心。

車での訪問が便利なお店です。

🌀外観と店内の様子

とは、川の流れを利用し、鮎などの川魚を、竹などで作った簀の子に打ち上げさせる罠のようなもの。

本来はその梁で獲れた鮎を、その場で調理して食べさせる施設なのでしょうが、現在は残念ながら、ここでそんなに多くの天然鮎は獲れません。
実際には、外の風を感じながら川の流れを眺め、養殖物ながら調理したての鮎を味わって、夏の風情を楽しむところです。
一応、梁そのものは残っていますが、今や手打ち蕎麦屋の前で回っている水車のようなもの。水車で蕎麦を挽いている蕎麦屋がまずないのと同様に、ここの梁も飾りのようなものです。それでも、本当に梁があるのとないのとでは、風情が全く違うのですけどね。

建物の外観は、ちょっと立派な海の家ってな感じで、高級感はありません。
河川敷で、夏の風情を楽しむための施設ですから。

駐車場に車を停め、建物内へと入っていくと・・・

まず見て気分が上がる↑↑のが、入口横調理場で鮎を炭火で大量に焼くすがた。

遠火の強火で皮が飴色になるまで、しっかりと焼いています。
実に美味そう!

炭火の遠赤外線でじっくりと火を通しているので、背骨や頭が柔らかくなるほどに焼き上がっていて、丸ごと頭の先から齧りつくことができます。
鮎の塩焼きは、こうでなくっちゃ!

生の鮎を買ってきて自宅のコンロで焼いてみても、なかなかこんな風には焼きあがりません。
七輪を買ってきて、自分で備長炭を使って焼いたところで、まず串打ちからして素人には難しいし、回しながら焼いているうちに身がボロボロになってしまってガッカリさせられます。
梁を営業していくためには、この鮎を炭火でうまく焼ける職人の確保が大事なんだと、どこだったか(?)で聞きました。


お盆直前の平日の昼時、奥に進みスタッフに人数を告げると、幸いなことに、川側の席にすぐ案内してもらえました。


店内の様子
としては、やはり海の家と同じようなもので、利根川の風を感じる開放的な座卓席。
お年寄りや足腰の悪い人用に座椅子も用意されているので、勝手に持ってきて使うことができます。

いやぁ、すぐ外を流れる利根川を眺められ、その広々とした風景が実に良い!

酷暑のなかでも、この風を感じる川沿いの席なら、エアコンがなくても暑いとは感じません。
まぁ、近年のこの気象ですから、涼しいとまでは思いませんが。

向こうに見える鉄橋は、JR上越線のもの。
時々、列車が通過していきます。


まだ、鮎にありつく前なのに、この景色を見ながら食事ができると思っただけで、
「あぁ、ここまで来てよかった」と感じてしまいます(喜)

土日はもっと混むのかもしれませんが、まだ他に奥にも座卓席のスペースがあるし、それほど大人数でなければ団体利用もできそうなくらいの収容力があるので、大行列に並ばされるようなことはなさそうです。

🌀メニューと料理

メニューを見ると、鮎の主な調理方としては、塩焼き田楽それにフライ

それらと一品料理を組み合わせた、菊・松・竹・梅と鮎定食の各種セットメニューを注文してしまうのが一番手っ取り早いし、バランスも良くて割安なのでしょう。
でも一番、鮎そのものの味を感じられて美味いのは、やっぱり塩焼き
以前よりさらにと食が細くなっている自覚もあるので、塩焼きをメインに、食べたいと思うものだけを、単品で組み合わせて注文してみることにしました。

まずは、なんといっても「あゆの塩焼き」(950円)


こんがりと、良い色に焼き上げられています。
大きさは、小さくもなく大きすぎもせず。

新鮮な鮎を塩焼きにすると、エラが開いて、まるで川を泳いでいるときのような姿になるとか。

この鮎の塩焼きも、立てると泳いでいるようにヒレが開いています。
もちろんヒレに化粧塩はしてありますが。

焼き加減は完璧!、さすがの専門店。
頭からサクサクっと、骨も頭も苦もなく丸ごと齧つけます。
鮎の身のタンパクな味わいと、炭火で焼いた皮の部分の香ばしさが合わさって最高です。
魚特有の生臭さなんて、全くありはしません。

半分食べてお腹を見ると、8月のまだ前半でしたが、もう卵を持っていました。
これが9月になると、メスの鮎は身が痩せてきて、逆に卵が大きくなってくるはずです。
7月頃の小振りな若鮎、8月に入りやや大きくなって卵を含んだ鮎、さらに9月の産卵前の落ち鮎と、時期毎に味わいが異なるのも鮎の魅力。
私はどれかを選ぶとすると、小振りな若鮎の頃が一番好きかなぁ。

続いては、「あゆのお刺身」(1,200円)
小さい魚なのに姿造りで盛り付けてくれていて、これも見ただけで気分があがります↑↑


鮎も川魚ですから、鮮度や調理法に信頼のおける専門店や、料亭・割烹でないと食べる気にはなりません。

口に入れてみると、食感はプリプリとしていて、サッパリとしてクセのない脂を感じる淡白な味わい。強いて海の魚で味の近いものを挙げるすると、風味は異なりますが、サヨリの刺し身あたりになるかな?


これが急流で育ち、岩に付いた苔を食べて育った天然鮎であったなら、よく言われるスイカや若草のような香りを堪能することができるのですが、こちらは養殖の鮎。そのような香りはありませんし、身の締りも天然物には劣ると思います。
その点では物足りなさを感じるのですが、管理された養殖場育ちですから、刺し身にしても、より安心ですし、脂ののりなど身の品質に外れがない。それに榛名山からの湧き水を使って育てているようなので、立派に地域ブランドの鮎ですよね。

さて、一緒に食べるご飯は、白飯でもよいのですが、メニューを見ると、あゆ飯なんてものがありました。
あゆ飯って釜で炊く都合上、事前の予約が必要だったり、分量が多かったりして、少人数では頼みづらいこともあるのですが、ここは嬉しいことに予約不要で、しかも2膳分からでOK。
これは頼まなけりゃならんでしょう。
喜んで、「あゆ飯(2膳)」(1,200円)を注文。

塩焼きをした鮎を炊き込んだご飯ですから、鮎らしい穏やかな風味と、ご飯の旨味が相まって、これも美味。

勿論、塩焼きや刺し身をおかずに白飯を食べても美味しいのですが、選べるならやっぱり鮎飯ですね。

こうして並べると、素晴らしく贅沢な三点セット。
夏の味覚を味わえて、幸せな気分です(喜)

元々少食な質なもので、食べきれないと苦痛だろうと考えて、鮎の塩焼きを一本だけにしたのですが・・・
もう一本、食べれたなぁ。

最後に登場したのは、「あゆ寿し(5貫)」(1,300円)

これは見たことがなかったので、妻殿とシェアして食べてみました。

寿司屋でもないのに、なかなか形良く握られています。
そのへんの安い回転寿司屋よりも上手かも。

ネタは、軽く塩で締めているのかな?
刺し身より少々しっかりした食感で、刻み生姜も載せられていて、ほんのり押し寿司的で乙な味わい。
これも美味いですねぇ。

このあゆ寿しは、刺し身とも鮎飯ともジャンルが半ばが被るので、また食べに来たときには、どう組み合わせて注文するか悩むことになりそうです。
悩むのも楽しいのですけどね。

帰りがけ、レジの横の壁に「今度、テレビにでます」と書かれた貼り紙をチラッと見たので、「なんの番組かねぇ」なんて話していたのですが、翌週、たまたまサンドイッチマンの、バスで行き当たりばったりに食べ歩く番組(帰れマンデー)にチャンネルをあわせたら、ちょうどこの落合簗で、鮎飯鮎のお刺身を食べている場面になっていました。
私達は放送日よりも先に食べに行っているのですから、テレビ番組なんぞの真似をしたわけではないのですが、「まぁ、食べるよねぇ」と納得しつつ、何かちょっと嬉しい気分(笑)


ところで、市内には落合簗と綾戸簗の他にもう一つ、下流の坂東橋のたもとに「坂東簗」という歴史ある簗があったのですが、こちらは残念ながらコロナの少し前に閉業してしまいました。

詳しい事情はわかりませんが、その時の危機を乗り越えていても、コロナはやり過ごせなかったのかもしれません。

坂東簗では、頭から丸ごと齧り付きやすい小ぶりな鮎の塩焼きを出すことと、館内にエアコンが効いていることが特徴的だったように記憶しています。

三箇所の簗、それぞれに特徴があって良かったのですけどね(哀)

今回、渋川市内の梁に来るのは数年ぶりのこととなってしまいましたが、落合簗さんが元気に営業していてくれていて私も嬉しい気持ちです。
何が嬉しいかって、夏の風物詩の一つがここに残ってくれていることと、私の方も、コロナ後も群馬県まで鮎を食べに来る気力やら体力やら、財布の小遣いやら(笑)が残っていたということ。
来夏も関越道沿いのどこかに、また鮎を食べに出かけたいですね。
(簗ではないですけど、まだ行ったことのない埼玉県寄居町の京亭にも狙いをつけています)


【落合簗(おちあいやな)】
■所在地    群馬県渋川市北橘町八崎272-2
■最寄り駅   JR上越線 渋川駅 下車徒歩20分だけどタクシー推奨
■営業時間   平日 昼 11時~15時・夜 16時~20時/土日祝 11時〜20時 通し営業
■定休日    営業期間中(6月末〜9月末) 無休
■駐車場    有り



 

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