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原美術館ARC内「カフェ ダール」@渋川伊香保〜美術館のARTなデザート

落合簗を食べ、夏の宿題を一つ無事に終わらせた後のこと。

どこかで美味いコーヒーなんぞを飲みながら、ノンビリと食休みすることができたなら、幸福度がさらにアップすること請け合いな状況。
しかし、つまらない店に入って、逆に不愉快な気分にさせられたりでもしたら、全てが台無しにもなりかねず、この場面での店選びは極めて重要。

芝生の庭がきれいなティーハウス・スパロウズも候補にあがりますが、今夜泊まる伊香保温泉のチェックインまでには、まだ時間があります。
それなら、カフェが併設された美術館に行けば、きっと雰囲気も悪くないだろうし、隙き間時間も充実したものになるはず。

ガイドブックを眺めて探してみると、さすが伊香保温泉のお膝元だけあって、候補が2件みつかりました。
一つは、渋川駅からも近い「日本シャンソン館」にある「カフェ ロソー」
入場料は大人1,000円で「庭園を望むカフェのテラスで心安らぐひと時をお過ごしください」とのこと。

もう一つは、伊香保温泉への登り坂の途中にある「原美術館ARC」内の「カフェ ダール」。
こちらの入場料は、ややお高めの大人1,800円(前売りオンラインチケットなら1,500円)で
「広い空の下でおいしいコーヒーをどうぞ」
とのこと。
・・・どちらも、希望通りの素敵なキャッチコピーで、強く心惹かれます(喜)

どちらに行こうかと比べたときに、音楽の素養が乏しい身としては、シャンソンと聞いても
「フランスの演歌だよね。加藤登紀子のことかな?」くらいのことしか思いつきません。加藤登紀子の声は大好きですけどね。

それなら今回は美術館のほうに行ってみるかということで、「原美術館ARC」にやって参りました。

原美術館ARCは、明治時代の実業家である原六郎氏が収集した東洋古美術のコレクションと、とその後追加されたアンディ ウォーホルやリキテンシュタイン、草間彌生などの現代美術を収蔵している美術館。元は品川に本館があったようですが、建物の老朽化により閉館となり、今は全ての収蔵品がこちらに移転されています。


🌀アクセス

原美術館ARCの所在地は、群馬県渋川市金井

最寄り駅は、JR上越線 渋川駅で、そこから伊香保温泉方面行きのバスに乗り、伊香保グリーン牧場前で下車。

なら、関越道の渋川伊香保ICから伊香保方面に坂を上がっていき、右折レーンのある伊香保グリーン牧場の大きな正面入口ではなく、その一つ先の目立たない交差点を右折した先にあります。

駐車場は50台分の広いものがあって、とても停めやすい。

駐車場の入口に向かうとゲートがあって、事前にオンラインチケットを購入していれば、その場でチェックしてもらって先に進めますし、なければ当日券を窓口で購入することになります。料金も安くなりますから、事前にスマホでオンラインチケットを購入しておくことを推奨します。

🌀館内の様子

原美術館の建物は磯崎新の設計で、3つの現代美術の展示室と1つ東洋古美術をメインとした展示室からなる、比較的小規模な美術館です。

ですが、本阿弥光悦や谷文晁などのビックネームや、見ると単純に楽しい気分になれる水玉カボチャ草間彌生の作品、それに広々とした敷地内には屋外展示もあったりして、それなりに見応えがあります。
展示されている現代美術の中には、どうみても実験的な作品もあって、「なんだこりゃ」ってものもありますが、それもまたご愛嬌(笑)

さて、お目当ての「カフェ ダール」はどこにあるのかと言うと、本館から見て芝生広場の向こう側。
ウォーホールの巨大なキャンベルスープ缶が隣に並んでいます。
屋根の向こうに見えるのは榛名山で、これはなかなか素敵な眺望。

カフェの建物は、開放的な全面ガラス張りになっていて、軒先にはテーブル席も並んでいました。
こう暑いと外での飲食は厳しいのですが、桜の咲く春の頃や、涼しくなった秋には、居心地の良い席になりそうです。

そのガラス窓には、伸びやかに羽ばたく白い鳩と、青いハートのマークがペイントされていて、何やらアートを感じる外観。

扉を開け、エアコンの効いた店内に入ってみると、中側にも外観と同様のコンセプトの絵画が、壁のいたるところに飾られていました。

どうやらこれは、芸術家の井上文太氏とのコラボで、「Blue」をキーワードに、夏のカフェを涼しやかに彩る一種の企画展示のようです。

美術館ならではの素敵な企画で、たまたま来ることができてラッキーでした。
今年はこの後、秋・冬の2回、季節毎にテーマを変えた展示替えもするそうです。

井上文太氏とは、どんな絵を描く画家なのか気になったので、ミュージアムショップでポストカードを何枚か購入してみました。
一見、シャガールの影響を受けているのかとも思えたけれど、そうでもないかのかな。

何れにせよ、平穏や安らぎを感じ、日常生活に彩りを添える作品で、休日のカフェで眺めるのに相応しい画風かと思います。


🌀メニューと料理

カフェ ダールでは、11:00-15:00のランチタイムには、ビーフシチューや本日のパスタサンドイッチなどのお食事メニューもありますが、今回は喫茶としての利用。

お目当ては、珈琲と甘味。
甘味の方は、「草間彌生の水玉カボチャの形をしたケーキ」があると、旅行ガイドブックに記載があったので、興味本位で食べてみたいなと(笑)

店員さんに聞いてみると、それは開催中の展覧会をイメージして期間限定で提供している「イメージケーキ」と呼んでいるデザートで、草間彌生の「イメージケーキ」は今はなく、井上文太のイメージケーキがあるとのことでした。

なるほど、それならそれがイイねということで、
「井上文太のイメージケーキ」(1,300円)と、
スペシャリティコーヒー「渋川ブレンド」(700円) を注文。

運ばれてきたケーキは、鳩とハートをモチーフにした涼しげなもので、ビースフルなデザインで可愛らしい。
アートですねぇ。バカンス気分が盛り上がります(喜)
中身は、ソーダ味のアイスクリームと、レアチーズケーキ。
限定のスペシャリティコーヒーは、苦味を抑えたスッキリ味で飲みやすいものでした。

それにしても、窓も壁もデザートも、空間丸ごと井上文太(笑)

壁やテーブル等、カフェ元々の白い内装ともマッチしているし、このくらい徹底して統一感を出していると、見ていて愉快です。
プロフィールを見ると井上文太氏は、空間美術も手掛けているそうなので、得意分野なんですね。
ここまで来た甲斐がありました。

満腹でケーキまでは食べられそうもなかった妻殿が注文したのは、「アイスクリーム」(600円)とコーヒー。

壁の絵と外の緑を眺めていれば、デザートまでアートしてなくても、十分に満ち足りたコーヒータイムにはなります。

しかし、平日の金曜日ではあったものの、美術館にはソコソコお客がいたのに、昼過ぎのこちらのカフェは貸し切り状態。
経営上、これで大丈夫なのかと少しだけ心配になりましたが、まぁ私にとっては、静かで心落ち着く時間を過ごすことができたので、ありがたい限り。

確かに美術館の入場料も安くはないし、カフェの建物も本館と離れているから、足が遠のきがちになるのかなぁ。

時期によっては、カフェでのドリンク付きの前売りオンラインチケットの販売もあるようで、それなら少しお得になります。
行く前に美術館のホームページを確認しておくと良いでしょう。


閉館時間まで展示を見たり、ミュージアムショップを覗いたりしているうちに、気づくともう閉館時間。


駐車場に向かって、屋外展示を見ながら歩くと、隣の広い敷地は観光用の伊香保グリーン牧場で、羊たちがノンビリ草をはんでいます。
長閑で平和な午後のひととき、こんな空間がいつまでもここにあってくれますように。



【カフェ ダール】
■所在地   群馬県渋川市金井 2855-1 原美術館ARC内
■最寄駅   JR信越線 渋川駅 伊香保方面行きバス 伊香保グリーン牧場前下車
■駐車場   有り
■営業時間  10:00 am – 4:30 pm(L.O.4:15pm)  ランチ11:00-15;00
■定休日   木曜日(休日と8月を除く) 元日 冬季



 

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