コロナ自粛も解禁となり、3年ぶりの夏の遠出となった旅行先は、新潟県村上市から山形県庄内地方にかけての海沿いドライブ旅。
村上市を訪れるのも4年ぶりとなります。
山形県と接する下越地方の村上市は、三面川を遡上する鮭の料理で有名な城下町。
街を歩くと、所々の軒先に塩引き鮭がぶら下がっているのを見かける地域色豊かな街です。
そう大きくもないこの街ですが、日本海に面しているから海産物も美味だし、奇岩の並ぶ笹川流れなどの景勝地もある。
また、米どころ新潟にあって、特にここのコシヒカリは「岩船米」と呼ばれる折り紙付きのもの。
まもなく収穫時期をむかえる広大な稲作地帯を見渡していると、自分の田んぼでもないのに、何故か心安らぐ気持ちになってくるのは、日本人の本能か?
また、米が美味けりゃ当然、日本酒も美味いわけであって、銘酒「〆張鶴」や「大洋盛」はここの酒。
その他にも、日本最北の茶処として「村上茶」もあるし、出荷数が少なく希少なブランド和牛である「村上牛」も、旅の思い出として味わっておきたい一品。
(まったく、いくつ名物があるんだよって話ですが(笑)
村上牛とは、村上市と隣接する関川村、胎内市で生産される黒毛和牛のことで、サシの入った霜降りで、柔らかく口当たりの良い肉質が特徴の銘柄牛なのですが、全国レベルの品評会で日本一にもなったことのある高級和牛ですから、そのお値段も一級品。
旅先で財布の紐が緩んでいるとは言っても、店選びには慎重になります。
そこで、村上牛専門の肉屋さんの直営飲食スペースなら、肉質も確かで、価格もリーズナブルに味わえるだろうと、
村上牛『美食や やま信』さんにやってきました
🌀アクセス
「美食や やま信」さんの所在地は、新潟県村上市飯野三丁目。
最寄駅はJR羽越本線 村上駅で、駅からは駅前通りを真っ直ぐ東へ歩いて10分ほどの距離。
村上城跡へ行く途中にあります。
村上駅までは、上越新幹線で新潟まで行き、羽越本線の特急に乗り換え、合わせて約4時間ほどで到着。
車なら、関越自動車道・北陸自動車道・日本海沿岸東北自動車道と乗り継いで村上・瀬波温泉ICで下車。
多摩エリアからは距離にして400km弱。
駐車場は2箇所あって、1箇所は店の前のY字路を10mほど路地に入ったところにあります。
数台分のスペースがあって、狭くもないので停めやすい。
別に駅前通りの道向こうにも第一駐車場があって、こちらも4台分のスペースあり。
ランチ時でも、駐車に困ることはなさそうです。
電車で行っても車で行っても、村上は遠いですけどね。
それでも、この城下町を何度も訪れてしまうのは、私にとってそれだけの魅力があるからってことなんです。
🌀外観と店内の様子
Y字路の角っこにある、壁に赤文字で「村上牛」と大きく書かれた建物は、専門の肉屋しとか見えない外観で、高級感などはありません。
ブランド和牛を扱う店ですから、下手に高級感なんてあったら、私なんぞは怖くて入れなくなります(笑)
入口横には、串焼きやコロッケなどを売るテイクアウトコーナーもあって、気楽に立ち寄れるような雰囲気を醸し出してくれています。
店内に入ると、イートインスペースは、右手にテーブル席が2〜3卓に、左手に小上がり席が2卓。
一番奥は村上牛が並ぶ精肉販売コーナーになっていて、遠目にも高級銘柄和牛のオーラを感じます。
店員さんに食事をしたい旨を告げると、席は「空いているところをどうぞ」とのことだったので、テーブル席へ。
この日は、食事の先客が一組に後からもう一組といった混み具合。
お水はセルフサービスでした。
席はどこも手造り感満載で特に高級感はなく、それがかえって好印象。
これで高級レストラン並みの内装やら、恭しいサービスやらをプラスされたら、食事代がいくらになるやら怖くなりますから(笑)
外にあるテイクアウトコーナーで買った串焼きなども、窓側のカウンター席やベンチで座って食べられるようにしてくれています。
流通量がそれほど多くなく、東京では余程こだわりのある店でないとお目にかかれない村上牛ですから、例え少しでもどんな味か食べて確かめてみたいという旅行者にとっては、有り難いサービスです。
壁にはギャル曽根とか内山信二なんかのサインも飾られていました。
地域の有名店ですね。
しかし、彼女らが本気でここの肉を食べたら料金がどうなることやら、いくら肉屋直営であっても怖い怖い(笑)
怖いもの見たさで恐る恐るショーケースを覗きに行くと、鮮やかな赤身に見事なサシがはいった村上牛のブロック肉が並んでいます!
これは、壮観にして美しい!!
圧倒させられる眺めですが、ヒレやサーロインでなければ、手が届かなくもない値段の部位もあるかな。
もちろん、誕生日のお祝いのときくらいにですけどね。
最上級のA5サーロインを見ると、ひと際サシの入り方が素晴らしい。
もはや色が白というかピンクというか。
ここまでの肉となると、いくら脂が上質であっても胃もたれが心配になるので、すき焼きかしゃぶしゃぷにして食べたいかなぁ。
ステーキなら50gくらいで十分なので、一口目に感じる旨味と口当たりを堪能してみたい。
もし私がこの街に住んでいたら、たまにふらっとこの店で「切り落とし」とか「スライス」なんかを買って帰り、家ですき焼き風に調理して食べて、幸せに浸ったんじゃないかな(妄想)
外のテイクアウトコーナーで焼いている「村上牛ジューシー串」も、焼く前の姿を見ると、こんなにサシが入ってます。
焼いたものを買っても一串800円だったので、焼く手間代を取っていないのですね。
このあたりも良心的。
🌀メニューと料理
メニューを見ると、リーズナブルな1,500円の「すじどて丼」から、9,950円の「最高級A-5サーロイン御膳」まで、選り取り見取り。
そうは言っても、お財布と相談が必要です。
御膳ではなく、焼肉単品にライスだけを付け、少しでも節約する手もなくはない。
しばし迷った後、この専門店まで来て『ステーキ」と名の付かないものを食べて帰ることもなかろうと、
奮発して「A-4ヒレステーキ御膳」(7,300円)を注文。
ご飯と味噌汁に小鉢が3つ付き、それに醤油ダレ、塩コショウ、ワサビが添えられています。
そうそう! ステーキにはワサビだよねぇ。
A-4ヒレステーキは、期待を裏切らない大きさ(喜)
厚みも結構あって、焼き加減も良い具合。
箸でもつと、柔らかい!
口に入れると黒毛和牛の独特の旨味と香りを感じ、口当たりもとても柔らかくて、極上の味。
さすが名高い村上牛!
ヒレ肉ではあっても、サシの脂を十二分にしっかりと感じられる肉質なので、ステーキならもう、サーロインである必要はないなと感じます。
とは言え、経験もせずに断定するべきではないので、次の機会には、サーロインがどんなものか試そうかな、なんて思いはしますが。
ボリューム的にも私の胃では、これ以上の量があったとしても、美味しく味わえそうにありません。
大満足です。
妻殿の方は、私よりもサシの脂に弱いので、ショーウィンドウの肉を見て恐れをなし(笑)
「サイコロステーキ御膳」(4,000円)を注文。
こちらもステーキと呼ぶに相応しい、適度な厚みのお肉です。
一切れ分けてもらいましたが、A-4ヒレ肉ほどではないにしても、結構サシの脂が感じられて美味い。
肉質の繊細さもA-4ヒレには及びませんが、こちらの肉のほうが好みと感じる人もいるかもしれません。
食べ終わって、串焼きがどうしても気になる妻殿は、外の「村上牛ジューシー串」(800円)を追加注文。
一串だけの注文でも、愛想よく焼き始めてくれる店員さんが嬉しい。
焼き上がったら、席まで持ってきてくれました。
思いの外、肉厚で、食べごたえがあります。
肉の柔らかさは、値段に正直に比例して、A-4ヒレ>サイコロステーキ>串焼き
の順となりますが、食べ比べることなく、この串焼きだけ食べたなら、何の不満もなく満足できてしまえそう(笑)
テイクアウトコーナーには、この串焼きのほかに、村上牛のスライスと海苔を巻いて焼いた「村上牛べこ巻き」や「メンチカツ」、「コロッケ」なども並んでいます。
店内でしっかり食事をするにしても、ライスと味噌汁、それに焼肉単品をいくつか注文し、テイクアウト用の串や揚げ物類をブラスしていけば、テーブルが賑やかになって楽しいランチになりそう。
村上に来たら鮭料理も食べたいし、海鮮もある。
選択肢が多くて迷うところですが、午後も夕方まで通しで営業してくれていて、本場の村上牛を財布に相談しながら味わうことのできる、おすすめのお店なのです。
【美食や やま信】
■所在地 新潟県村上市飯野3-2-1
■最寄駅 JR羽越本線 村上駅
■駐車場 有り
■営業時間 9:00~18:00(食事の提供は17:00まで)
■定休日 水曜日