酒田市の寿司割烹「こい勢」でのランチの後、かつての繁華街である日吉町(旧台町)界隈を散策。
明治時代に建てられた旧料亭を保存し、博物館として公開している「山王くらぶ」や・・・
今は、酒田舞妓の演舞が見られる観光施設となっている「相馬樓」を訪れ、往時の繁栄を偲んで回りました。
事前予約が必要で有料ではありますが、ここ相馬樓の演舞は一見の価値あり。
花柳界の文化の痕跡を垣間見ることができます。
美人画の竹久夢二も、ここ酒田の旦那衆には随分贔屓にしてもらったようで、その美術館も併設。
山王くらぶの向かい側には、つい最近の2015年まで営業していたという「キャバレー白ばら」の建物も残っています。札幌の最後の大型キャバレーが閉店した後の短い期間、日本最北のグランドキャバレーとなった時期もあったとか。
絶妙に魅力的な寂れ具合ではありますが、まだ夕方から営業を始めそうな雰囲気も残っています。昭和の面影遺産とも言うべき風情満点の建物ですね。
だれか内装をそのまま残して、カフェとかレストランにして公開してくれないかなぁ。
さらにぶらぶら歩いていると、奥に見えてきた鳥居は日吉神社のもの。
右手の「鈴政」は、酒田を代表する寿司屋の一つ。
以前食べに行ったけど、今は「こい勢」のほうがお気に入り。
華やかなりし頃は、この界隈も空き地なんかなく、人通りももっと多かったのでしょうね。
それでもまだ、老舗の料亭や、うなぎ割烹など、いつか訪れてみたいと思わされる料理店が残っていて、興味はつきません。
さて、山王くらぶの説明員の方との雑談のなかで、「せっかく酒田に来たなら、玉簾の滝は見てほしいし、今の時期なら直売所で買える庄内砂丘メロンが美味しいですよ」との、オススメ情報を仕入れました。
山形県はさくらんぼやラ・フランス、ブドウなど、フルーツ王国と名のれる程の果物の名産地なのですが、、日本海側の庄内砂丘で栽培されている砂丘メロンも、酒田市民にとって自慢の果物なのです。
どのくらい自慢かと言うと、庄内空港そばの道路脇に、唐突に大きなメロンのモニュメントが設置されているくらい(笑)
庄内地方にある農産物モニュメンとしては、他にも、赤かぶとか、
あつみ豚とか、
トマトとトマトジュースとか、
その他にも、庄内柿や刈屋梨のモニュメントなんかが域内に点在しているようで、農産物に対する思い入れが、殊の外深い土地柄のように見受けられます。
農作物をモニュメントにしてしまう感性って、正直、大好きです(喜)
旬の時期になると、果実狩りを楽しめる農園があったりするのですが、8月上旬の山形では、メロン以外の果物は微妙に時期ハズレ。
そのメロンも、県内ではメロン狩りをしている農園を見つけることができず、この旅行でのフルーツ狩りは諦めていました。
でもそうか、メロン狩りはできなくても、直売所で旬のメロンを買えるのなら、産直で自宅に郵送してもらうことができますね!
そう言えば、宿泊している湯野浜温泉から酒田に来る途中の防砂林沿いの道の脇に、何かの直売店があったなぁ。
あれがそうだったのか!
・・・ってなことで、説明員の方のイチオシは「滝」だったのですが、メロンの誘惑に負けて、湯野浜温泉へUターンしました。
調べてみると、メロンの栽培適地とは、
◯一日の寒暖差が大きく
◯水はけの良く
◯良質な地下水が豊富
な土地なんだそうで、鶴岡市から鳥海山まで続く庄内砂丘は、まさにこの条件に当てはまっているとのこと。
江戸時代から、海沿いに防砂林を植林して、日本海からの吹き寄せる砂を食い止めてきた砂丘の土地ですから、水はけは当然良く、また、海沿いの砂地でありながら、鳥海山などから伏流水もあって地下水も豊富。
日本酒「初孫」の醸造所も、この砂丘沿いにあるくらいなのですから、本当に綺麗な地下水が豊富なのでしょう。
酒田市街から、海沿いに国道112号線を防砂林を眺めながら快適に南下し、赤川を渡った先で一番最初に目についた、小林農園さんのメロン直売所に車を横付けしました。
この道沿いには、他にも数軒の直売所があって、評価が高いのはどこの農園かリサーチできませんでしたが、どうやら、この小林農園さんは、庄内砂丘メロンの草分け的存在の農家さんのようです。
店頭を見ると、美味そうなマスクメロンが、たくさん並んでいて、眺めるだけでテンションが上がってきます。
丸ごとのマスクメロンを買うのなんて、いつ以来かなぁ?
青い果肉のメロンと、赤い果肉のメロンがあって、両方一つずつの2個セットもあります。
品種としては、青い果肉がアンデスメロン、赤い果肉のメロンがクインシー。
せっかくなので、赤青一つずつのセットを購入。
値段はメロンの大きさによって、やや上下する設定になっていて、2個で3,000円弱くらいのものを選びました。
自宅までの送料が別途かかりますが、安いですよね。
メロンを買い慣れていないので、相場が今ひとつわかりませんが(笑)
帰宅後、指定日に無事メロンが到着。
実に豪華なビジュアルです。
我が家にマスクメロンが、2つも届いたことなんて、未だかつてありません。
食べ頃の目安の時期も書かれていましたが、ネットで検索すると、ヘタが茶色くなってきた頃だとか、一番底を押して弾力がある頃とか、底を嗅いでみて甘い匂いがしだした頃だとか・・・・食べ慣れていないので、イマイチわかりません。
とりあえず、食べ頃の指定日より一日我慢してから、一つ切って食べてみることにしました。
まずは、赤い果肉のクインシー。
普通は8等分くらいに切ると思うのですが、ここで妻殿から、
「贅沢に1/2に切って、大人食いしたい。子供の頃からの夢だった。」との、妙なリクエスト。
つい、話に乗ってしまいました。馬鹿ですね。
食べてみると果肉が瑞々しく、甘いメロンでした。
誰にも邪魔されずに半分づつ頬張れるのですから、大人って良いもんです(笑)
ただ、真ん中は柔らかくて甘かったのですが、完熟一歩手前だったのか、外側がまだ硬かった。
ちょっと、勿体ないことをしました(哀)
反省して、もう一つの青肉の方は、ヘタが茶色く萎びれるまで待ってみました。
今度は切ってみると、おぅ、まさに完熟で食べ頃。
こちらも、1/2ずつ切って大人食い(喜)
今度は外側のほうまで、甘くて柔らかで大満足でした。
その土地の特産品を産地の様子を体感してから食べるのって、思い入れもブラスされて余計に美味しく感じますね。
楽しい旅の思い出となりました。
庄内良いとこ、また行きます。