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道の駅「和紙の里 ひがしちちぶ」イワナ屋@埼玉県〜岩魚の炭火焼きを丸齧り

埼玉県の東秩父村から小川町かけての地域は、江戸の頃から細川紙と呼ばれる和紙の生産地。細川紙とは、楮のみを原料として漉いた丈夫な和紙で、2014年には石州半紙や本美濃紙とともにユネスコ世界無形文化遺産に登録されています。登録時にはニュースにもなりましたね。

寄居町の温泉旅館に宿泊した帰り道、その細川紙の紹介施設を併設する道の駅「和紙の里 ひがしちちぶ」に立ち寄ってみました。

東秩父村は、小川町の西隣に位置する山間の村なので、たいして人もいないだろうと高をくぐっていたのですが、到着してみると予想に反し、駐車場がほぼ満車になるほどの盛況ぶり。

この道の駅内には、細川紙の和紙製造棟や、和紙製品含めた特産品直売所、それに農協の農産物直売所などがあります。食事処としては、手打ちうどん・蕎麦の「すきふね」と、それとは別に小さなお店が集まった半露天のフードコートがありました。
どの施設が人気で、これほど混雑しているのか分からなかったのですが、たぶん農協の直売所とフードコートあたりなのかなぁ?

ではまずは、中心的な施設のはずの和紙製造棟へ。

この施設の中には休憩スペースや紙すきの体験施設などがあるのですが、写真撮影は禁止とのこと(哀)。和紙の制作工程に企業秘密的なものがあるのかもしれませんが、せっかくの細川紙の紹介施設でそんなに秘密主義にしていては、細川紙のファンも増えないのではないのかなと疑問には思いつつ、紙漉き体験をするほどの時間はなかったので、次の施設へ。

隣の特産品直売所では、和紙製品や、その他の地元産品を販売していましたが、こちらもなぜか店内は写真撮影禁止。保護すべき著作権的なものがあるのかもしれませんが、産業スパイ的な疑いをかけられているような気になってきたので、ここも一回りして外へ。

ただ、手頃なところで和紙製のポチ袋があったので、何種類か買って帰りました。
これにお年玉を入れて渡したら、可愛らしいと先方にご好評でした。

別棟の「すきふね」という手打ちうどんの店も、ネット上では評判が良かったのですが、ランチは小川町の店に決めていたのでパスし、次はフードコートへ。

フードコートは、ベンチの置かれた中庭を囲むように数軒の飲食店が並んでいて、ちょっと楽しげな雰囲気。

実は、この道の駅に立ち寄った一番のお目当ては、フードコートの一角にある、イワナの炭火焼きテイクアウトの専門店、その名もそのまま「イワナ屋」さん。

養魚場も営む老夫婦が、朝まで池で泳いていた岩魚を選別し、下拵えして持ち込んで、ここで炭火焼きにして直売している店なのです。
一匹500円は、良心的なお手頃価格でしょう。

貼られた写真を見ると、グルメ芸人たちも立ち寄ったことがあるようですね。

岩魚の大きさは、やや小振り。
頭から尻尾まで丸ごと齧りついて食べられるように、丁寧にじっくりと焼き上げられています。

炭火をドライヤー(!)の風を送って強火にして岩魚を炙ったり、逆に遠火にして少し休ませながら、遠赤外線で中までじっくり火を通したり、さらに客に渡す直前には、仕上げとしてまた強火で温めたり。

さすが本職、手慣れた職人技で焼き上げています。

人気の店らしく、持ち帰り用の大量注文が入ったりすると待ち時間が長くなったり、常連さんへの対応に追われたりしている様子もありましたが、まぁまぁ工夫して注文を捌いてくれています。

さて、出来上がったイワナの塩焼きを食べてみると、前評判通り、頭から尻尾まで、丸ごと骨まで苦も無く噛み切れるような素晴らしい焼き具合。

焼き上がった魚を小さな紙袋に入れて渡してくれますが、紙袋越しでも熱々です。
養魚場直送の鮮度の良いイワナなので、臭みや癖など全くない、淡白な川魚そのものの味。
これを食べて、「やっぱり魚は苦手だ」などと言う人は恐らく誰もいないであろう、価値ある逸品。

個人的には、もう少し塩を効かせた方が美味くなると思うのですが、これは好みの範疇でしょうか。
淡白な川魚そのものの味を大事にしたいのか、または塩分を気にする人向けに薄味にしているのか。

それはそれとして、このフードコート内には、ラーメン屋が向かい合わせに、なぜか二軒もあります。
そのうちの一軒には鹿肉のラーメンがあったりして、ジビエ好きを誘惑してきますし、

もう一軒には、豚骨、ワンタン麺、担々麺など多彩なメニューが揃っていて、こちらにも入ってみたくなる誘引力があります。

他にうどん屋や団子屋などがありますが、何を食べたところで、まだイワナの塩焼き一匹分くらい、食べる余裕は胃袋に残っているでしょう。この塩焼きを一品追加するだけで、ランチのクオリティが、さらに上がること間違いなしです。

風のある冬の日だと、外のテーブルで食べていると寒いのですけどね。
丸齧りテイクアウトに特化した岩魚の炭火塩焼き、この道の駅の目玉商品だと思うのです。


【イワナ屋】
■所在地   埼玉県秩父郡東秩父村御堂441 道の駅「ひがしちちぶ」内
■営業時間  10:00-16:30
■定休日   (施設に準じる)
■最寄駅   なし
■駐車場   あり



 

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