年々なぜか、焼肉よりも鰻重の方がご馳走だと思えるようになりました。
鰻も高騰して贅沢品になりましたから、そう頻繁に食べには行けませんが、折々、味の良い鰻屋の新規開拓はしておきたいところ。
東村山近辺での所用を午前中に片付けたついで、向かったのは東村山税務署からも程近い、
鰻専門店の「うな正 本町店」さん。
街に古くからあるという、個人経営の鰻屋さんです。
🌀アクセス
うな正さんの所在地は、東村山市本町2。
最寄駅は、西武線の東村山駅。
東口側に降りて、府中街道を横断し、税務署の方へ歩いて4〜5分のところにあります。
駐車場は、店の東隣の土地に5台分用意されていました。
駅からも遠くなく、駐車場もしっかり用意されているので、電車でも車でも立ち寄りやすい立地です。
ただ東村山駅周辺は、西武線の踏切がネックとなって、府中街道などはいつも渋滞気味。車で向かうのは、何かついでの用事でもないと億劫なエリアなのですよね。
🌀外観と店内の様子
店の外観は、古いモルタル造りの木造家屋。
コミカルな鰻の人形が飾られ、黒塗壁となっている玄関周りには、老舗の料理屋的な風情があります。
平日の13時過ぎ、暖簾を潜って中に入り店内を見回してみると、2人掛け、4人掛け、6人掛け(?)のテーブル席とカウンター席があるようだったのですが、どこもすでに満席。
(テーブル席はずっと満席状態だったので、写真は部屋の端っこしか撮れていません)
ランチのピーク時間は外したし、繁華街の真ん中にある店ってわけでもないので、楽勝で座れるだろうと高を括っていたのですが、行ってみれば意外なほどの繁盛店。地元に根付いた人気店だったようで、大変お見それ致しました。
これは失敗したかと立ち竦んでいると、チャキチャキな下町っ子風に気っ風のいい女将が気付いてくれて、「そこの座敷なら空いているから使って。(中休みまで)あと一時間でけど平気かい?」と言いながら席を案内してくれました。
へいへいこの際、空いてさえいれは、どの席でも構いません。
それに配膳まで30分かかったとしても、鰻重なら30分もあれば食べきれるし、昼酒を楽しむつもりもないので、1時間あれば全く問題なし。
有り難く、座敷席を使わせてもらうことにしました(喜)
この座敷にしても、座卓が3つ、やっと置ける程度の広さなので、全体的にこぢんまりとしたお店です。
店は気っ風のいい女将と、調理場のご亭主の2人で切り盛りしている様子でした。
🌀メニューと料理
メニューを見ると、うな重が並から特上までの4種類。
特上うな重でも4,000円以下ですから、うなぎの高騰と、昨今の物価高を考えると、お得感のある価格設定です。
小さなお店ですが、鰻重だけではなく、ひつまぶしのシリーズもメニューに加わっていました。
ご亭主の出身が名古屋なのかな?
一品料理の頁に肝焼きがあったので、まだあるかと聞いてみると、残念ながら今日はもう品切れとのこと。
また、早い時間に来たときに頼んでみることにしましょう。
注文したのは、この日はお祝いでも何でもない只のランチだったので、少しだけ贅沢を控えて「上うな重」。
お吸い物と漬物が付き、その吸い物はデフォルトで肝吸い(喜)
供された蒲焼は、大きさも身の厚さも、ランチとしては十分なボリューム感。
焼き具合もしっかりとしていて、それでいて焦げすぎてはおらず、美味そうな色合い。
やっぱり鰻を焼くなら、都心のビルの中で、周囲に漏れる煙や匂い、或いは火の元を気にしながら恐る恐る焼くよりも、こんな風な郊外の一軒家で、煙をモクモクと上げながら、バリバリと焼き上げた方が美味い蒲焼になるんじゃないかな。調理場を見ていないので想像ではありますが(笑)
ただ、蒲焼の串が刺されていた位置あたりが、ちょっと崩れてしまっていて、見た目は少々エレガントさに欠けています。
関東風にしっかり蒸した柔らかい鰻を、バサバサ何度も裏返しながら焼きあげたから、串のところが崩れてしまったのかな。
でも、取引先の接待に使っている訳でもなく、同行しているのは妻殿だけですから、味さえ良ければ見た目は程々で結構でごさいます。
食べてみると、やはり箸で持ち上げると蒲焼がホロホロほつれてくるほどの柔らかさで、口当たりも良好。
鰻の旨味はしっかりあって、タレは甘すぎることもなく、小骨は一切感じず、食べ進めてもクドさで胃がもたれることもない。
あぁ、これは私の好きなタイプの美味しい鰻重です。
ご馳走様、美味しゅうございました。
この店は、下町の古い鰻屋のような、地元客に支持されているお店で、ちょっと雑然とした感じなどから、決して接待に使うような高級店ではありません。でも価格設定もリーズナブルだし、味はすこぶる上々。普段使いの鰻屋としては理想的かも。
すぐ隣で新規築造工事中の新府中街道も、ギリギリ店を外れているようですから、きっと立ち退き移転もないのでしょう。これからもバリバリ煙を出しながら美味い蒲焼を焼き続けてもらいたいものです。
それにしても、早く西武線の踏切が立体交差に変わり、車の渋滞が減ってくれると行きやすくなるのになぁ。
【うな正】
■所在地 東村山市本町2-21-11
■営業時間 11:30-14:30(L.O.14:00) 16:30-21:00
■定休日 水曜日
■最寄駅 西武新宿線・国分寺線. 東村山駅 下車徒歩4分
■駐車場 あり(5台)