将棋タイトル戦の舞台ともなっている、神奈川県秦野市の鶴巻温泉にある
老舗旅館『元湯 陣屋』。
滞在した温泉露天風呂付きの客室は、贅沢な間取りの寛げる空間で、気分は最高でしたが、料理の方も、器は上等で見た目も美しく、食材に季節感がある懐石料理で、満足できるものでした。
今回は、食事と土産物の紹介です。
まず夕食は、提供時間内(18:00-20:00だったかな?)の気の向いた時間に会場に行けばよく、特に事前に時間指定はせずとも良いとの案内でした。
細かい指定時間を守ろうとすると、風呂に入ったりしていても気を揉んだりするので、これは滞在中、ずっと寛いで過ごすための良いサービス。
部屋の風呂から上がって、お茶を一杯飲み、ではそろそろ行くかと、会場へ。
結婚披露宴の会場にも使われる「富月殿」が、この日の食事会場。
シャンデリアが吊るされた高級感のある会場で、篝火に照らされた池側の席につきました。
週末金曜日とは言え、平日でしたから、他には数組がいるだけの静かな空間。
下の写真が、懐石料理の献立となります。
予約したのは、陣屋のスタンダードな懐石料理プラン。
飲み物は、係の方にお願いしても良いのですが、スマホアプリからでも注文可能。
飲料→日本酒と画面を辿ると、上の方に地元神奈川県内の、聞いたことのない銘柄のお酒が並んでいます。
下の方にある「雨降」は、大山阿夫利神社から名前をいただいたお酒ですね。
最近、妙なことで話題になっていましたが。
蔵元の場所を検索してみると、丹沢山塊の麓に沿うよにして点在していることがわかりました。
県内にも結構な数の蔵元あるのですね、知らなかった。
まだまだ勉強が足りないようです(喜)
丹沢や大山の麓には、酒造りに適した地下水が豊富なんでしょう。
まぁ、一杯目は、普通にスタッフの方にオススメを訊きながら、地元も地元、秦野市の金井酒造「初陣の誉」。
陣屋という名の旅館で飲むに相応しい日本酒でしょう。縁起が良さそうだし。
このミニチュアサイズの酒桶が可愛らしい。
もう作れる職人がいないそうで、大事に使っている貴重品だそうです。
お塩も添えてくれたので、升の淵に塩を載せてクイっと。
二杯目は面白がって、そのスマホアプリから注文した、県内海老名市の泉橋酒造のいづみ橋。
酒米から醸造まで一貫生産している蔵だそうです。へぇー、凄い。
純米吟醸らしい、口当たり良く、美味しいお酒でした。
この錫のお調子の注ぎ心地が上々で、一つ欲しくなるくらい。
続いて、お料理。
まず、温物。
七福七運と名付けた百合根饅頭です。
「ん」が2つつく食べ物は、「運」が倍つく縁起物。それを7つ集めて、さらに縁起アップ(笑)
レンコン、ナンキン、ギンナン、インゲン、ニンジン、キンカン、カンテンの七つ。
前菜
もうすぐ桃の節句でしたから、雛祭り仕様です。可愛らしい見た目。
トコブシとか数の子、菜の花など、縁起が良かったり、季節感のある食材が使われています。
お椀。
フグと白子のお椀です。ご馳走じゃないですか(喜)
途中でヒレを浸して味変。あっ、これ、この冬、最初で最後のフグになるな。
お造り
醤油と塩を用意してくれていますが、醤油には雲丹が入っています。
軽く溶いて、刺身につけて食べるとのこと。
こう言うことですね。
発想が贅沢すぎて、ノックアウトな気分。美味い!
「料理長からです」とのことで、海老の頭を揚げたも。
これ好きです。酒のあて。
焼き物は奉書焼きになっています。
中身は、のど黒、とまと、早堀筍、蕗の薹
早春の味覚。
口直し
美しい切り子ガラスの食器です。
開けた中身は、苺、金目鯛、鳴門若芽、長芋昆布
煮物
蕪蒸しです。
中身は、小鯛、豚角煮、百合根、里芋など
お酒も飲んだし、そろそろ満腹感。
食事をお願いしたら、蛤時雨煮と菜の花の釜炊御飯でした。
宝石箱やぁ〜。
蛤ががゴロゴロで、すごく美味しい。
食べきれなかった分は、小さなおにぎりを2つ作ってもらって、夜中に部屋でいただきました。
最後のデザート。
栗羊羹の干し柿そーす
もう大満足です。
もう一つ上のランクの献立もありますが、私にはこれで十分過ぎるほど。これ以上は多分、食べきれないと思います。
もし、財布とお腹に余裕があって、もっと豪華な食事にしたければ、オプションメニューとして、伊勢海老、鮑、サザエ、黒毛和牛、猪肉のすき焼き、などの料理を追加させることも可能。大山の麓の街らしく、猪肉を追加するか少々悩んだのですが、やはり食べきれそうもなかったですね。
翌朝。
朝食も、細か時間指定はなく、7:30-9:00(だったかな?)の時間に「富月の間」へ。
また庭の見える窓側の席に案内してもらえました。
やはり、景色は朝の方が良いですね。
優雅な気分の朝食です。
下の写真が朝食の献立表。
小皿に入った、ご飯のお供がいくつも並んでいます。
ご飯は、温泉水で炊いた白米。
木のお櫃に入って登場。
メインのおかずは、鯵の干物、豚の味噌焼き、ピーナッツ殻焼き。
ピーナッツは秦野の特産品だそうです。へぇー知らなかった。千葉の八街だけじゃないんだ。
朝食は、これくらいがちょうど良い分量ですね。
最後に果物と飲み物。
コーヒー、紅茶、ハーブティーなとから選べます。
良い滞在となりました。
陣屋さんの客室は、すごく高い貴賓室から普通の部屋まで、タイプ色々。
でも、全ての客室に最低でも檜の内風呂が付いていますので、すごく安い部屋はありません(笑)
宮崎駿監督は、ここのオーナーと親戚らしく、よく泊まっていた部屋なんてのもあります。
宿泊を検討のするなら、陣屋さんのウェブサイトをよく見て、好みの部屋を選ぶと良いでしょう。悩むのも楽しみの一つ。
帰りは、圏央道は使わず、一般道を宮ヶ瀬湖を経由して帰宅。
早速、帰路の途中にある造り酒屋を2軒ほど立ち寄り、日本酒を購入していきました。
町田や八王子までは、渋滞にも遭わず、スムーズに疲れることもなく到着。
陣屋で購入したお土産はこちら。
陣屋まんじゅうは、こし餡と、南瓜庵の二種入り。
皮に練った山芋を使って蒸した、薯蕷饅頭ですね。
賞味期限は短めですが、軽い食感で美味しい。
一口サイズのどら焼きで食べやすい。こちらの方が賞味期限は長めです。
朝食でも出された、桜味噌漬は、早速、焼いて夕食のおかずにしました。
味噌味が染み込んでいて、ご飯が進みます。
でもちょっと贅沢な食べ方だったかな。
味が濃いめなので、短冊に切って少しづつ食べてもよかった。
次はまた、10年後の記念日に泊まってみようかな。
夕食に、ルームサービスの陣屋カレーを食べてみたい気もするし、お祝いなら、また懐石料理を食べたいとも思うし。
まぁ、そんなことは10年後に悩めば良いですね。
鶴巻温泉【元湯 陣屋】
■所在地 神奈川県秦野市鶴巻北2-8-24
■休館日 平日休館日の設定あり 要確認
■最寄駅 小田急電鉄小田原線の鶴巻温泉駅下車 徒歩4分
■駐車場 あり