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『田村酒店』@新潟県村上市〜越淡麗の銘酒2本「〆張鶴」と「大洋盛」地元特約店限定の酒

山形県の庄内地方へと向かうドライブ旅行の途中、新潟県の北東端の城下町村上市に、ランチ休憩を兼ねて立ち寄りました。

旧城下の商人町であった町屋通りにある、海鮮一鰭で旬の岩牡蠣と名物の塩引鮭を食べ・・・

食後に茶館きっかわ嘉門亭村上茶をいただき・・・

その後、九重園で村上茶をお土産に買い込んだのですが、

村上の名物グルメは、これだけでフルコンプリートとはなりません。

ここは銘柄牛である村上牛の産地であり、蔵元が2軒もある日本酒造りの町でもあるのです。

日本酒を作るためには、まず原料となるが豊富でなければなりませんが、村上周辺は岩舟米で有名な米作地帯でありますし、

も朝日連峰からの豊かな伏流水を井戸から汲み上げることができるので、醸造に適した軟水を得られやすいという、酒造りには好適な土地であったのです。

できることなら、その日本酒も買って帰りたい!

村上に2軒ある造り酒屋のうちの一軒は、東京でも知名度が高くて人気のある「〆張鶴」宮尾酒造さんで、もう1軒は、まだ飲んだことのない「大洋盛」大洋酒造さん。

それぞれの蔵元には直売所も併設されているのですが、今夜宿泊する湯野浜温泉までの移動を考えると、もう2軒まわる時間の余裕はありません。

そこで、歴史ある酒蔵の雰囲気を見て楽しむことは諦め、町屋通りで地酒を扱っている「田村酒店」さんに寄って、手っ取り早く2銘柄の酒を購入していくことにしました。

地元の大きな酒屋なら、きっと〆張鶴と大洋盛、両方の色々な商品が揃っているはずです。


田村酒店のある町屋通りは、小町〜大町〜上町を結ぶ城下の旧商人町で、リノベして再生・復旧されたものも含めて、今も点々と古民家が並んでおり、江戸から明治期の街道筋を思わせる情景は風情満点。

飛騨高山ほどの規模ではありませんが、「おっ!」と思わせるものがあります。

お茶をのんだ嘉門亭の斜め前あるのは、千年鮭の「きっかわ」さん。

こちらの店先は、吉永小百合のJR東日本「大人の休日倶楽部」のポスターの撮影に使われていました。

村上堆朱のお店も町屋風。

堆朱は高価な品物であることがわかっているので、今回は冷やかす勇気はありません。
でも、いずれは….

こちらは、骨董店のようです。

城下町ですから、この骨董の店にも掘り出し物があるかも。
時間もないし、旅行の序盤であまり散財するのもどうかと思うので素通りですが。

清潔なトイレまで町屋風。

このほか喫茶店や甘味処もありし、のんびり街角散歩すると楽しそう。


さて、遠くからも目立つ、屋根に望楼が載った一際風格がある建物が、目的の「田村酒店」さん。

こちらの入り口にも塩引き鮭が干してあって、いかにも村上らしい光景。

店内に入ると、期待通り棚には〆張鶴と大洋盛のお酒が沢山ならんでいました。

〆張鶴は、東京でも購入可能な店がある人気の銘柄ですが、大洋盛は私は見かけたことがありません。
よって事前知識はゼロ。

いずれにしても、私は純米酒とか純米吟醸酒あたりが好きなので、四合瓶なら少々高くても買っていく気は満々。

でも、地元にしか出回っていない、「実は一番美味い酒」なんてものがあるかもしれないし、お店の方に好みを伝えて、オススメのところを聞いてみると、出してきてくれたのがこの2本。

「大洋盛 純米吟醸 紫雲」「〆張鶴 純米吟醸 越淡麗原酒」です。

どちらのお酒も使用している酒米は、新潟県が独自に開発育成した「越淡麗」100%。

越淡麗山田錦五百万石を掛け合わせた酒造好適米で、栽培に難しい点があるものの、大吟醸を醸すための高い精米歩合にも耐えられる、米粒の大きい品種なのだそうです。私は初耳の酒米。

吟醸酒を安定して醸造できることから人気があり、且つ高級な酒米といえば、なんてったって主産地が兵庫県である山田錦なんでしょうが、寒冷な新潟県の気候は、その栽培に適してはいないようです。

「越淡麗」の登場で、新潟県の造り酒屋は、地元新潟産の酒米だけを使って、大吟醸や吟醸の酒を醸すことができるようになった(なりつつある?)ということ。
新潟県期待の酒米です。


勿論、2本とも購入してお持ち帰り。

左側のこちら「大洋盛 純米吟醸 紫雲」 は、精米歩合55%の純米吟醸酒。

大洋酒造さんは、越淡麗の開発にも関わってきた蔵元なんだそうです。
この紫雲は、地元特約店でのみでしか販売している限定酒。
地元客だけで飲んで楽しんでいる、美味い酒をゲットだぜ(喜)

一方右側の「〆張鶴 純米吟醸 越淡麗原酒」は、精米歩合50%の純米吟醸原種。

こちらも地元限定のお酒なのですが、なんと宮尾酒造さん直営の田んぼ(!)で、田植えと稲刈りを手伝った販売店にしか卸していない限定中の限定酒とのこと。
蔵元が酒米の栽培から手がけていて、それを地元の販売店がサポートしているなんて、なんて理想的な姿なのでしょう!
こういうストーリー性のあるお酒は大好きです。

地元限定のレアなお酒を、2本も手に入れられるなんてラッキーでした。
これが生産地まで行って購入する醍醐味ってやつでしょう。


では、越淡麗で醸した酒を早速味見♪

まず、〆張鶴 純米吟醸 越淡麗原酒」から。

飲んでみると、吟醸香は穏やかで、越淡麗の名前通りに、クセもなくすっきりとした辛口。
色はなく、澄んで透明な見た目。
原酒ではあるけれどアルコール度は16%なので、強すぎることもない。
バリバリの山田錦100%の吟醸酒と比べると、香りがやや弱めだけど、飲みやすくて旨みがあって私の好みの味です。美味い!

次に「大洋盛 紫雲 純米吟醸」

口に含むと、〆張鶴よりも香りが強め、淡麗の範疇ではあるもののやや癖のある甘口。
こちらも、ほぼ澄んだ無色透明。
私の好み的には、ぬる燗にしても美味しそう・・・だけど、やっぱり勿体無いから冷やのままで(笑)
値段もお手頃価格ですね。

どちらの酒も、塩辛とか漬物とか味噌でもあれば、いくらでも飲めてしまいそうな飲み口の良いお酒。
減るのが早くて、いや困った困った(笑)

強いてどちらが好みだったかと言えば、私はすっきり味の〆張鶴ですが、妻殿は大洋盛とのこと。
まあ、これは好みの問題だし、つまみの種類とか体調次第では逆転するだろう程度の差。
なんにしても、旅行の思い出とともに、こんなレアなお酒をチビチビ飲めて大満足。
端的に言って、幸せでございます(楽)


こんな風に、村上グルメを堪能するため、大急ぎで動き回ってきたのですが、今回の旅行では村上牛までは食べることができませんでした。
村上は、そう大きくもない城下町なのですが、飲み食いするだけでも、半日程度では味わい尽くせない、魅力いっぱいの町なのであります。


【田村酒店】
■所在地   新潟県村上市上町1-31
■営業時間  9:00-18:30 (土日は18:00まで)
■定休日   なし
■最寄駅   JR羽越本線 村上駅
■駐車場   店舗横にあり



 

 

 

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