梅雨の晴れ間のウィークエンド。
天気も良いしドライブして温泉にでも入って来ようかと、関越自動車道で群馬県まで来ました。
早起きもしなかったので、もうすぐに昼時。
まずはランチです。
利根川流域で思いつく食材と言えば、鮎と鰻なんですが、鮎にはまだ早いし、鰻は価格が高騰したままだし・・・。
どこかに豊富な湧き水を利用して、養殖したイワナやマスを食べさせる店があったはずだと、検索して見つけておきました。
『川魚グルメ館 くるま』さんです。
アクセス
場所は、群馬県渋川市。
関越自動車道の渋川伊香保インターチェンジを降りたら、国道17号を新潟方面へ北上。
「下郷」の交差点に来たら、伊香保温泉とは逆の大胡方面へ右折。
大正橋で利根川を渡り、「樽」の交差点を溝呂木方面へ右折。
国道353号をそのまま走り、関越道をくぐってしばらく走ると、
左手に上の写真の「くるま」の看板が見えてきますので、ここを左折。
ここさえ間違わなければ、もう着いたも同然。
インターからは車で10分程。
多摩地区からは、高速利用で2時間前後。
ドライブだと思えば、そんなに遠くはないでしょう。
駐車場は、店の前に10台分くらい。
スペースは十分あります。
外観と店内の様子
遠くから見ると、周りを田んぼに囲まれた山裾にあることがわかります。
赤城山麓の地下水が、ちょうど湧き出す場所だそうです。
駐車場の脇には、つかみどり専用池。
その向こうには釣り用の池。
家族連れが楽しんでいました。
水量が豊富で、池の水は100%湧き水で賄っているそうです。
基本は釣り堀ですね。
見えているのは、ニジマスかな?
思いの外、動きが速いですね。
これを手づかみするのは、結構難しそうです。
店内に入って、スタッフに食事をしたい旨伝えます。
入ってすぐの処には、テーブル席。
他に大人数の団体用も入れる大広間もあります。
テーブル席が少々窮屈そうだったので、座卓が2卓ある小さい方の座敷席を使わせてもらいました。
基本は釣り堀であって、釣りを楽しむ合間に食事をするという利用者が大半なのでしょう。
町の料理屋のようにピカピカではなく、畳もくたびれ気味ですが、小規模な釣り堀にあるプレハブのような休憩所とは違い、しっかりした建物です。
まぁ、私は面倒なので、釣らずに魚だけ頂きます(笑)。
メニューと料理
メニューを見ると、刺身や塩焼き、唐揚げといった単品も各魚毎に揃っていますが、初訪問でもありますし、手っ取り早くセットメニューから選びます。
一番の目当ては岩魚の刺身ですが、「ウグイの唐揚げ」なるものが目につきました。
ウグイって、ハヤですよね。
甘露煮なら良く見ますけど。
小さい魚なのかと思ったら、15センチくらいはあるそうです。
そう言えば一昨年、信州上田に行った時に、千曲川で「つけ場漁」というウグイの季節漁法をやっていると聞きました。
鮎の簗のように、川岸の小屋で獲れたてのウグイを食べさせていると聞いたので、興味津々で行ってみたのですが、なんと、営業開始は翌日からだと言われて食べ損ねた思い出があります。
そのリベンジではないですが、
うぐい唐揚げの付いた「清流セット」を注文しました。
注文すると、店の若主人(?)から
「今から魚を網で掬って来て、調理するから30分ほどかかるけど良いか?」と聞かれました。
よく定番の冗談で、注文の品がなかなか出て来ない時に、
「今、魚を釣りに行っているから」とか「畑まで収穫に行っているから」
等と言って笑うことはありますが、本当に今から獲りに行くとは・・・。
勿論、休日のドライブをしているだけなので、時間の余裕はいくらでもありますし、美味い物を食べたいと思ってここまできています。
それ以上鮮度の良い川魚はないでしょうから、
「今から獲って来てさばく」のは、大歓迎です(大笑)。
さて、向こうの池で本当に魚を掬っているのを遠目に眺めたり、次の行き先までの地図を眺めたりしていると、
「清流セット」(2,500円)が運ばれてきました。
これが「うぐいの唐揚げ」。
春の婚姻期に、腹が赤くなるから「アカハラ」と呼ぶ地域もあるとか。
子供の頃釣った、小振りな「ハヤ」とは厳密には違う種類の魚のようです。
結構、大きい。
味は、湧き水で育てているせいか、唐揚げにしているせいか、泥臭さは全く感じません。
頭の方の大きな骨以外は、小骨があってもカリカリ食べてしまえます。
胸びれがピンと開いているのも、新鮮さの証でしょうか。
淡白でふっくらしているし、揚げた皮やヒレも香ばしくて、美味しい魚ですね。
気に入りました。
続いて、「岩魚の刺身」。
これも湧き水を利用して栽培した、自家製ワサビが付いてきます。
すりおろしたばかりのワサビを、たっぷりのせて頂きます。
川魚のサイズなので、身はそんなに厚くはありませんが、いやぁ、絶品です。
臭みなんか勿論ないし、池で掬って、さばいて、すぐ出されているせいか、みずみずしさが違います。
今までも、岩魚の刺身は食べた事がありますが、ここの刺身の味が今のところ一番かな。
これに、にじますの塩焼き、わさび漬け等の小鉢、それにご飯、味噌汁が付いて来るので、もう満腹です。
ごちそうさまでした。
帰りに会計を済ませていると、レジの裏側が炭火場になっているのが見えました。
大旦那(?)さんが魚を焼いています。
うーん、このビジュアルは魚好きには堪りません。
塩焼きはこんな風に焼いていたんですね。
素晴らしい。
いい店に巡り会えました。
感想・まとめ
群馬の地産地消推進店に認定されているそうです。
赤城山麓の湧き水をつかって育てた「川魚」と「わさび」がメインなんですから納得です。
それどころか、店で育てた食材を店の中で提供するので、「店産店消」だそうです(笑)。
確かにそうですね。あたらしい言葉を覚えさせて頂きました。
この店の使い方としては、
1.まず釣りを楽しんで、時間を見計らって食事を用意しておいてもらう。
釣った魚は、買い取ってお土産にする。
2.釣った魚を調理してもらい(調理代別途要)、
本わさび丼や焼きおにぎりのおかずにして食べる。
なんてのが、楽しそうです。
面倒くさがりの私なんかは、
3.釣りはしないで、食事だけお願いする。
魚は網で掬ってもらったものを、買い取ってお土産にする。
というのが楽で良いですね。
魚3匹は私には量が多かったので、次回は、岩魚の刺身定食に何か一品料理を追加しようかな。
でも、食べ過ぎても胸焼けや胃もたれのするようなことが少ないのが、魚料理の良い所です。
注意していただきたいのは、
・基本的に釣り堀なので、町の料亭のようなピカピカの清潔さを求めないで下さい。
(不潔ではないですよ)
・基本的に釣り堀なので、急いでいる時の食事には向いていません。
(時間のあるときにゆっくり遊んで、鮮度の良い魚を楽しむ店です。)
関係者ではないので大きなお世話とは思いますが、一応紹介している手前、訪問するなら納得して楽しんで頂きたいもんで。
店のスタッフは、みなさん控えめで誠実で、都会のホテルなんかとは違う形の素朴なホスピタリティを感じます。
話をしていて気持ちがいい。
湧き水が豊富でなければ成立しないわけですがら、他ではなかなか味わえない、独自のコンテンツをもったお店です。
こんな店が、高速道のインターチェンジから15分程のところにあるのですから、嬉しい限り。
店員さんによると、7月上旬の晴れた夜には、見事な蛍が見えるそうです。
時間的には、暗くなる19時半頃からのようなので、夕食の予約をして訪れるお客もいるそうです。
これも見てみたいですね。
川魚グルメ館 くるま
所在地 群馬県渋川市赤城町溝呂木390
営業時間 11時~21時(ラストオーダー:20時30分)
定休日 火曜
駐車場 有
H.P. http://kawazakanagurumekan-kuruma.com/