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清香亭@あきる野市東秋留駅〜味も建物も文化財的ラーメン店(H25閉店)


H25 長い歴史に終止符をうってしまいました。残念。


あきる野市二宮の「清香亭」さんにいってきました。
場所は、JR五日市線の東秋留駅の近く、二宮神社の向かい側、踏切の直ぐ横です。

一見、もう使っていない古屋のようにも見えるのですが、お昼時に前の道を通ると「中華そば」の暖簾が掛かっていました。
営業していることにビックリです(失礼ですね)。
曇りガラスで中の様子も解らないし、冒険心で何時か行ってみようと思っていました。

駐車場は店の横に3〜4台分程度用意されていますが、昼過ぎに到着したときにはまさかの満車。出前用の店の車を移動してもらってやっと駐車できました。

お店の外観を改めて観察してみると、かなり古い建物ではありますが、建築当時はそこそこ大きくて、モダンなデザインの建物だったろうと思われます。
全面漆喰の耐火建築で、壁にはコテ仕事で「清香」「食堂」の文字が浮き彫りにされています。


一階の窓を見ると、昔懐かしい木枠で、嵌め込まれているのは、昔の模様の入った磨りガラス。

店内に入ると、4人掛けのテーブルが2つと8人掛けのテーブルが1つ。それに小上がりがあります。


食堂の真ん中に、何故か鉄柱。

フロアの空間が広いので、建物の老朽化とともに天井が下がってきて補強が必要になったのでしょうか。
その補強自体、かなり以前のことのように見受けられます。補強梁の形状が、
角材をただ渡しただけのやっつけ仕事ではなく、角を丸めて装飾性に気を使っています。店の長い歴史が感じられます。

店内の装飾品は「招き猫」に「狸の剥製」、「おかめの面」に「木彫りの熊」と、演出ではなく素で正に昭和レトロ。

メニューを見てみると、

ラーメンや餃子、炒飯といった中華系から、かつ丼や親子丼といったドンブリ系、さらにオムライスやポークソテーといった洋食系まで幅広いラインナップ。
何でも食べれる町の食堂といった形態です。

意外に高価な「ポークソテーライス」に心惹かれもしましたが、初訪問なので暖簾にある中華そばを食べてみます。
ちょっと贅沢して、「チャーシューメン」750円を注文しました。

載っているのは、脂少なめの豚肉でつくったチャーシューが5枚とメンマ。
トロトロタイプではなく、しっかりした食感で、噛むと味がでるチャーシューで、結構好みの味です。
昔のチャーシューはみんなこんな味でしたよね。


には、特筆するような特徴はないかな。
やや縮れた中細麺で子供の頃からよく食べてたオーソドックスな麺ですね。軟らかすぎず、丁度良い茹で加減でした。

スープは、店の外観から想像したとおりの東京ラーメン的なすっきり醤油味。
“昔ながら“の味です。
鶏ガラをベースに、やや豚骨の臭みが感じられるのは、西多摩地区に昔からあるラーメン屋の特徴なのでしょうか。

チャーシューもスープも、脂が強くないのでスッキリ美味しく完食できました。胃もたれもナシ。

この日、店を一人で取り仕切っていた女将さんの話では、この建物で営業を始めてから70年くらい経っているそうです。戦前からですね。歴史的建造物と言っても過言ではないでしょう(笑)。
それ以前は「清香荘」という割烹をこの店の裏手で営んでいたそうなので、それも含めるとかなりの歴史ですね。

トイレに向かう廊下。靴を脱いで上がります。二階は昔は宴会場にでも使っていたのでしょうか。
珍しがって写真を撮っていたら、常連さんたちに「何かあるのか?」と不思議そうにキョロキョロされてしまいました。
確かに昔から通っている人にとっては、珍しくもなんともありませんね。(笑)


店の脇に、「割烹清香荘」名残の門柱があります。
二宮地区の歴史まで感じられてきます。(通りすがりなので、本当は良く知らないんですけど)

“歴史的建造物”で食べる“文化財的な”醤油らーめん。
いろんな意味でおススメします。

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清香亭
東京都あきる野市二宮1165
営業時間 11:30~15:00
     17:00~21:00
定休日  月曜
駐車場  有り


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