所用で清瀬市方面へ出掛ける途中、志木街道を埼玉県方面へと進み、都県境を
越えたすぐ先にある蕎麦処『新座鞍馬』さんでランチしてきました。
自家製粉の手打ち蕎麦屋と言うのはいくつもありますが、ここはなんと!
蕎麦まで自家栽培してしまったという、超コダワリの蕎麦屋なんです。
入り口の木柱に書かれた「地蕎麦」の表示が、なんとも誇らしげ。
アクセス
店があるのは、清瀬市の隣町、埼玉県の新座市内。
志木街道沿いで、関越自動車道の陸橋よりは手前側にあります。
駐車場は、店の前に10台分程度はあるので、車での訪問はとても便利。
最寄り駅としては、西武池袋線の清瀬駅。
なのですが、駅から歩くと3kmほどあります。
・・・歩くのには遠すぎますね。
バスを使うなら、駅北口から30分おきに出るバスに乗って11分。
菅沢バス停で降りて直ぐです。
なかなかバスを乗り継いでまで行く価値のある蕎麦屋って少ないと思いますが、
この店には、それだけの価値があると思います。
外観と店内の様子
外観は、一軒家の日本家屋。
街道沿いの飲食店としては大きくもないけれど、瓦屋根の重厚な建物。
入口の横には、価格表が張り出されています。
これ、大事ですね。
よく見ると、蕎麦の盛り合わせだけで1,500円オーバーです。
よく知らずに入ってメニューを見たら、冷や汗をかきそうです。
暖簾をくぐり、引き戸を開けて中に入ると、上品な老婦人が迎えてくれました。
雰囲気から想像すると店主のお母様でしょうか?
ちょっとした旅館のように広くて綺麗な玄関で靴を脱いで上がると、
右手には蕎麦打ち場。
正面には、石臼挽きの製粉部屋があります。
作業スペースが充実していて、蕎麦打ちに対する意気込みの程が垣間見えます。
席は、全て畳の座敷席。
四人掛けの座卓が五つですから、それほど大きな店ではありませんね。
室内は床の間のある日本建築で、築年数が浅いのか壁も畳も新しくて綺麗。
5月にしては暑い日が続いていましたが、クーラーが効いていて快適でした(喜)
平日の11時30分頃と、早めの入店でしたので先客はなく、
後から上品な(経済的に不自由はなさそうな)ご夫婦が一組来店。
値段から言って大衆蕎麦屋ではありません。
平日なら、混雑することもないのかもしれません。
メニューと料理
メニューを見ると、店の“一押し”は、蕎麦会席コース的な「にいざ」(2,700円)ですかね。
一時中止していたらしいアルコール類の販売も再開したようなので、蕎麦豆腐や野菜天麩羅を酒肴に一杯やって、自家栽培の蕎麦とデザートのそばかぎぜんざいで締める・・・という流れ。
休日で、車の運転の心配がないのなら、かなり魅力的な流れではないでしょうか。
もう少しお手軽に、蕎麦だけを味わいたいのであれば、品数を絞ったセットや、
単品の蕎麦もあります。
ただ「かけそば」で1,000円となると、単品でも普段のランチとしては高価格。
しかしこの日は、そんなことは百も承知で、蕎麦を自家栽培した上で天日干しし、
石臼で自家製粉した蕎麦粉を使って打った、コダワリの手打ち蕎麦とはどんなもの
なのか、価格度外視で確認するつもりで来ていますので、
3種類の蕎麦を味わえる、『地そば3種』(1,700円)を注文しました(エヘン)
始めに出されのは、「旬菜野菜料理」。
蕎麦豆腐とどちらか選べるのですが、“旬”の文字に惹かれてこちらを選択。
目にも鮮やかな、野菜の煮浸しですね。
鰹出汁の効いたツユに浸かっていて、出汁も美味しい。
地場の野菜なんでしょうか。健康的で大変結構です。
次はいよいよ蕎麦ですが、まずは『更級そば』。
更科蕎麦とは、蕎麦の実の中心部分だけを使って打った、真っ白い蕎麦のこと。
昔のお大名が食べたような、上品で贅沢なお蕎麦ですね。
この「更級」は特に記載がないので、自家栽培の蕎麦粉ではないと思いますが・・・
ツヤツヤとして、弾力があるお蕎麦です。
蕎麦つゆに、どっぷり漬け込んで食べると美味しいですね。
つゆも、鰹以外の出汁の風味がプラスされているような?コクがあります。
次は、『もりそば』。
“色・味・香をバランスよく仕上げた蕎麦”だそうです。
こちらは『更級』より、やや太打ち。
ツヤツヤしていて喉越しも良く、美味しいお蕎麦です。
香りも『更級』よりあるはずですが、私が鼻炎気味だったせいでハッキリせず(泣)。
この『もりそば』も自家栽培蕎麦ではないようですが、通常の店ならこれで十分満足な蕎麦です。
最後はいよいよ、自家栽培蕎麦を使用した『粗挽き地蕎麦』。
ブツブツと、かなり粗挽きの蕎麦ですねぇ。
出汁によく絡みそうで、如何にも美味しそうなビジュアル(喜)
やや太めで、ゴワゴワした感じの蕎麦でした。
粗挽きのせいか、蕎麦は短めになってしまっています。
でも、食べてみると蕎麦の味はとても強い!
汁の味に負けてないので、ヒタヒタと汁をタップリつけて美味しく頂きました。
それが、通な食べ方なのかどうかは知りませんけど(笑)
締めの蕎麦湯の後は、
お茶のお替わりとともに、短冊のように幅広な「そばかりんとう」が一枚。
他では見かけない形状で、印象に残ります。
これも一つの演出ですね。
いやぁ、堪能しました。
結局私は、出汁にしっかり浸けてガシガシ噛んで味わう蕎麦が好きだったと言う事か?
今回は鼻の具合が悪くて、香りが強かったのか?弱かったのか?イマイチはっきり解らなかったのが残念でした。
(折角来たのに、何やってんだか)
価格的にそんなに度々は行きづらい蕎麦屋ですが、次は新蕎麦の時期にでも、しっかり鼻風邪を治して再度食べに行きたいですね。
【新座鞍馬】にいざくらま
◇住 所 埼玉県新座市あたご2-2-34
◇時 間 11:30~14:30(LO)
◇定休日 水曜・木曜
◇駐車場 有り