東京都下「多摩エリア」を中心に「グルメ」「ドライブ」「旅行」「日々のあれこれ」

「大黒家」天婦羅@浅草〜名物 胡麻油の甘辛天丼


インバウンド客が激減して閑散としていると聞き、やって来ました真夏の浅草
ゴーストタウンみたいになっていて、「浅草寺を独り占め」みたいな状況を期待して
いたのですが、流石にそこまでではありません。

それでも近年の盛況振りと比べると、かなり人出は少ないそうです。
人混み嫌いな私でも、これくらいの人密度なら散歩する気になれるレベル。

お参りを終え、昼食をとろうと、仲見世通りから伝法院通に曲がってしばらく歩き、

向かったのは江戸前天丼の老舗「大黒家さん。

でっぷりと厚い衣をつけ、胡麻油で香ばしく揚げた後、たっぷりと甘辛いタレに潜らせた
昔ながらの天婦羅を食べさせてくれるお店です。

創業は明治二十年。
浅草の顔とも言える、老舗有名店の一つでしょう。

実は「浅草に行って、天婦羅食べて来た」なんて、超定番なことを一度やってみたいと
以前から思っていたのですが、浅草って多摩エリアからは微妙に行きづらいし、他に
用事もないし、きっかけがなかったんですよね。
ちょっとお上りさん的な行動で、気恥ずかしさもあったし(笑)

こちらの店には近年、観光客がワンサと押し寄せ、行列が店をぐるっと囲む様子が
日常的な光景になっていたそうです。
しかし、コロナ後はその行列も短くなり、待たずに入れる日もあるのだとか。
そうと聞いたら、行列嫌いな私としては、このチャンスに是非とも来たくなるって
もんです。


外観に昭和を感じる、風情のある一軒家の前に立つと、噂通り行列がありません(!)

それでも恐る恐る暖簾を潜ると、フロアスタッフのお姐さんが
「奥の席にどうぞぉ」とすぐに案内してくれました(喜)

純和風のしつらえの店内には、小さめな4人掛けテーブル席がいくつも並んでいます。
造りが入り組んでいて見渡せないので全体の規模がよく分かりませんが、知名度の割に
大きな店ではないようです。
近くに別館もあるとは聞きました。

混みぐあいとしては、ガラガラに空いてるって訳ではありませんが、いつもどこかに
空席がある状態。
忙しなく急かされている感じがしないので、とても居心地良い雰囲気です。
これくらいなら「密」とも言われないでしょ。

席に着くと、すぐに色の濃い緑茶と急須を持ってきてくれました。
お茶と人情は濃い方がいいですからね。
お茶の濃い色を見ただけで気分が良くなるのは、私がジジイに
近づいてきたせいですね、きっと。

観光地の行列のできる有名店なので、接客がツンケンお高くとまった雑な感じ
なのかもと心配したのですが、意外と家庭的で丁寧な応対。
親身な店員さんがいる、下町の蕎麦屋さんって感じで安心しました。


メニューを見ると、お目当ての天丼は3種類。
海老が4本の豪華な「海老天丼」(1,950円)に、
えび2・かき揚げ1の天丼(1,750円)と、
えひ1・きす1・かき揚げ1天丼(1,550円)。

あれっ?、意外とリーズナブルな価格設定ですね。
勿論、私にとって天丼はご馳走ですし、決して安くはないのですが、浅草の一等地にある
老舗有名店なんですから、もっと高いものかと思っていました。
根が東京の西外れの田舎者ですから、ちょっとビビり過ぎていたのかもしれません(笑)

ただ、「お吸もの」(330円)が別メニューとして載っていたので店員さんに尋ねると、
「天丼にお吸い物は付いていないので、別に注文してください」とのこと。
・・・これはちょっとケチくさいなと思いましたが、丼に汁物がないんじゃ食べづらい
ので追加してもらいました。

注文したのは、私と同じく海老好きで目が既にハート❤️になっている妻殿が海老天丼、
私は、かき揚げも食べてみたくなったのでえび2・かき揚げ1の天丼です。

10分ほどでやってきた天丼は、蓋から海老の尻尾がはみ出しています。
こういうプチ豪華なビジュアルは、多幸感を連れてきてくれて実にいいですねぇ。
気分が上がります⤴︎。

期待一杯に蓋を取ると、大きめな海老天二本とかき揚げ、それに獅子唐の天婦羅が
ボリューム満点にどぉーんと載っていました。
衣が厚いこともあって、結構な存在感。
そして噂通り、タレがたっぷり掛かっていて、衣の色は黒っぽい。

今風の衣を薄くして、カラッと揚げる天婦羅とは異なる、昔スタイルの天婦羅です。
胡麻油の香ばしさはありますが、衣の厚さから想像していたほどには強くありません。
胡麻油が強すぎると味が重たくなりますから、これくらいが私の口には合います。

妻殿の海老天丼の方も、海老天が大迫力。

タレに潜らせて盛り付けた後、丼に蓋をし、少し蒸らしてあるので、こちらも天婦羅が
シナっとしています。

追加したお吸い物はこちら。

「お吸い物くらいセットにしてよ」と思っていましたが、蓋を開けると海老やら椎茸やら
入っているし、お出汁が効いていてとっても美味しい。
これならお金を払う価値があると、感心してしまいました。

海老天を食べみると、衣が厚いだけでなく、海老もしっかり大きくて食べ応えあり。
タレの色は黒いのですが、私が関東人のせいか?味が濃すぎるとは感じません。
普通じゃん。

単品の海老天ではなくて、ご飯と一緒に食べる天丼なんですから、
味の濃さには何の問題もありません。
とっても美味いじゃないですか!

かき揚げは、味のしっかりした小海老貝柱が沢山入っていて、豪華かつとても旨い。
衣と玉ねぎで量を誤魔化したような、お安いかき揚げとはレベルが違います。
海老天だけだと味が単調になるでしょうから、このかき揚げ付き天丼は絶対オススメ!!

天婦羅を避けてみると、ご飯の上にもタレが回し掛けされているのがわかりますが、
汁だく状態ではありません。
衣がタレを吸っているので、ご飯と天婦羅を一緒にカッカッと掻き込めば、口のながで
丁度良い味具合になります。

食べ終わったら、すっかり満腹。
憧れの「浅草で天丼」ミッションを達成できて、満足感で一杯です。
しかし、見た目通りにボリュームがありましたね。
完食した妻殿も苦しそうにしていました(笑)


ネットなんかでここの天婦羅の評判を検索すると、カラッと揚ってないだとか、
タレが濃すぎるとか、衣が厚すぎるとか・・・
要は今風の天婦羅と傾向が異なると言って悪く評価する書き込みが沢山見受けられます。

でも、私の子供の頃に食べた家庭の天丼って、前日の夕食の残りを鍋で甘辛く煮てご飯に
よそったものだったりしたので、全く違和感はないんですよね。

元々、天丼って下町の腹を空かした庶民が(それはそれでご馳走だったでしょうけど)タレの
染みた天婦羅でご飯を口に掻き込むような料理だったはず。
つまり、浅草で昔風の天丼を食べたいなら来てみれば良いし、今風の上品な天婦羅以外食
べたくないってのなら、来なければ良いだけの話でしょう。
あんまりバカ言っちゃいけねぇよ。

私の感想は、値段と内容と立地を考えればとても良心的、浅草に来たなら一度食べる
価値あり。でも、お腹は空かして来た方が良いね・・・って感じです。

食後店を出ると、後から店員さんも出てきて、キョロキョロしながらダッシュで駆け
出していきました。
誰かお客さんの忘れ物を渡しにいったようです。
その姿がなんか下町っぽくて良いなぁと、印象に残りました。
インバウンドが戻って、また破滅的に混雑しだしたら、そんな普通のことをして
くれる余裕もなくなるのかなぁ?
・・・てな訳で、今がチャンスだ! 行こうぜ浅草!!


【大黒屋天婦羅 本店】
■所在地   東京都台東区浅草1-38-10
■営業時間  11:00~20:30
■定休日   年中無休
■最寄駅   浅草駅(銀座線、浅草線、つくばエクスプレス)
■駐車場   雷門前に有料地下駐車場あり



 

最新情報をチェックしよう!