長野県上田市は、東信地方の中心となる千曲川沿いの街。
真田幸村で有名な、真田氏ゆかりの城下町でもあります。
戸倉上山田温泉からの帰途、その上田市を通りかかったのはちょうど昼飯時。
それならこの土地らしいものを食べたいなと、向かったのはJR上田駅からも程近い
『鯉西(こいにし)』さん。
千曲川で漁れる魚を中心に、川魚料理を通年で提供している食事処です。
所在地は長野県上田市天神。
長野新幹線も停まるJR上田駅からは、お城口側に降りて徒歩4分程の距離。
駐車場は店の南側に数台分あるし、市営のお城口駐車場も近くにあるので、車で行くにも便利な立地です。
多摩地域からだと上信越道を経由して約180km、車で所要時間は2時間30分くらいですかね。
店の建物は鉄筋3階建ての大きな建物。
1階正面では甘露煮など川魚の加工食品を販売しています。
食事処は、北側の入口から入り、階段を上がった2階。
店内は、民芸調の居酒屋さんのような造りで、小上がりには座卓席が並んでいます。
テーブル席はないようですね。
襖で仕切られた奥の部屋では宴会の真っ最中のようで、昼から随分と賑やか。
そんなこともあって混み合っていたためでしょう、この日は奥の個室に案内してくれました。
ここは静かで居心地が良いですね。
メニューを見ると専門店らしく、鯉・岩魚・どじょう・かじか・鰻・鮎と川魚のオンパレード。
各単品料理に300円プラスすると定食にしてくれるので、食事の選択肢が増えて嬉しいサービス。
まずは、同じ東信地方の佐久平では鯉の養殖が日本一となっていますから
『鯉の刺身』(700円)を注文。
ハマチのように色ツヤが良くて、美味しそうな刺身です。
鯉は臭みがあるので、一般的には「刺身」ではなく「洗い」にして食べるものだと思いますが、ここの刺身は泥臭さもなく、甘みがあって美味。
これは佐久の天然水を使った養殖鯉のせいなのか?、産地が近くて鮮度が良いせいなのか?、はたまたこの店の捌き方が良いせいか?
理由はわかりませんが、この店にきたら「鯉の刺身」は試してみる価値があります。
メイン料理は、「岩魚天重」(1,500円)を注文。
つみれ汁つきです。
2枚におろして、骨ごと食べられるようにとカリッと揚げた岩魚に、甘みのあるタレがかけてあります。
甘いタレが白米にもよくあうので、岩魚をバリバリと齧りながら、ご飯も進みます。
季節の野菜天も添えられて、結構満腹になりました。
また、千曲川では、4月末から10月くらいまで、つけば漁という伝統漁法で、はや(うぐい)の習性を利用した漁をしていています。
ここ「鯉西」さんでも、シーズン中は河川敷に「つけば小屋」を設けて、はや料理を提供しています。
鮎でいうところの簗(やな)漁みたいなものですね。
とすると、上田で一番の名物となる川魚は、「はや」と言ってよいでしょう。
つけばのシーズンは終わりましたがメニューを見ると、ここ本店では、はや料理がまだありました。
昼食の量としてはもう十分なんですが、折角ですから「うぐい塩焼き」(500円)も注文。
きれいに焼きあがってきました。
腹の部分が赤いのが、産卵期以降のハヤの特徴。
なかなか大振りで、15㎝以上ありそうです。
味は川魚らしく、淡白で癖がありません。
小骨の多い魚なので、食べるのにやや苦労します。
でも鮮度が良いのでしょう、肝を取らずに焼いているので、淡白な身と苦味のある肝とを一緒に食べるとこれが絶品。
大人の味ですね。
満腹になりました。
どの魚もとても美味しかったです。
他にも、カジカやドジョウ、鮎や鰻などの料理もあるし、新しくスッポン料理も始めたようですね。
まだまだ食べていない料理がありますから上田市方面に来た時には、我が家の最有力ランチスポットなのでした。
千曲川の味【鯉西】こいにし
▪️所在地 長野県上田市天神1-9-19
▪️営業時間 11:00~14:00 17:00~21:00
▪️定休日 火曜日
▪️駐車場 有り
▪️website http://www.koinishi.com/framemain.html