田無駅前で所用を済ませた、とある平日の夕方。
近くで食事をしてから帰宅することにしました。
少々バテ気味なのでスタミナをつけたいところだけど、肉よりは消化の良い和食的なものが食べたいなぁ・・・
等と暫し考えて思いついたのは、青梅街道沿いにある「うなぎ坂平」さん。
100年の歴史を誇る老舗の鰻料理店です。
🌀アクセス
最寄駅は、西武新宿線の田無駅。
北口側に降り、さらに駅前の通りをまっすぐ北へ歩いて3〜4分。
青梅街道に出たら右に曲がって、ちょうどLIVINの裏側あたりに店はあります。
「百年の伝統」と書いてありますが、そうだとすると田無駅の開業よりも古いんですかね?
店の横に電気が消えてはいますが「割烹坂平」と記載された看板が残っています。
青梅街道の宿場町だった頃の、往時の賑わいを偲ばせるような料理店です。
車で来ても専用の駐車場はないようですが、周辺にコインパーキングならあります。
🌀外観と店内の様子
店の外観は、歴史を感じさせる木造モルタル造りの一軒家。
壁に掲げられた鏝絵?の鰻が印象的です。
ところで、田無の坂平さんと言えば北多摩エリア在住の鰻好きの間では昔から知られた存在。
随分前に亡くなった爺ちゃんは、
「なんだ、まだ坂平で食ってないのか?美味いぞ」
とのコメントだけを残し、(奢ってもらう機会には恵まれなかった…)
まだまだ健在の母からは、
「美味しいけど、高級感はないわねぇ」
との感想だけをいただいています。(ご馳走してもらう機会には・・・以下略)
それこそ10代の頃から幾度も店の前は通っているのですが、磨りガラスで中の様子が全く伺えない店構えと、「老舗の鰻屋」と言うイメージから「絶対、気難しくて頑固そうな親父が、恐い顔して客を睨んでくるような店に違いない」と勝手に思い込んでいたので、実は入る勇気が一度も湧いてこなかった店なのです。
はい、今回これが初訪問!
勇気を絞り出して引き戸を開け中に入ると、レトロなデコレーションの店内にはテーブル席が3つに、狭い小上がり席。
あれっ? 意外と庶民的で、懐かしさを感じる昭和レトロな店内ですね。
先客は一組で、他には世間話をしに寄ったらしいご近所さんが一人で、完全に地元客相手の街の食堂の雰囲気。
緊張気味だった私も、一気にリラックスモードへ。
迎えてくれたのは頑固親父ではなく、ガッチリ系イケメンだけど物腰柔らかな若旦那さん。
100年の老舗ですから、もう6代目に当たるそうです。
今まで磨りガラスの外から想像していた様子とは真逆の店内でした(笑)
🌀メニューと料理
壁に掲示されたお品書きを見ると、うな重の(特)が2,200円に、(並)が1,700円と、鰻が急騰している昨今からしてみれば庶民的なバーゲンプライス!
「肝吸い」が100円となれば、当然これもつけるしかないでしょう。
待つこと暫し。
焼いているのは店の奥らしくて、その様子は伺えないのですが、やがて良い香りとともに
「うな重(特)」2,200円と「肝吸い」がやって来ました。
蓋を開けて鰻を確認すると、オォ! これは立派、立派。
いい具合に焼き色のついた蒲焼が、お重いっぱいに載せられています。
お米もこだわりを持って仕入れているようで、あきたこまちの提携農家直送だとか。
緩すぎず、硬すぎずの申し分ない炊き加減です。
鰻は外側こそパリッと焦げ目がついていますが、中側はお箸をあてるとホロホロと崩れるくらい柔らか。
タレも甘すぎず、鰻の脂も強すぎず。
全体的にバランスよく、風味が適度にあってサクッと食べてしまえるうな重でした。
いまどき、この値段でこの内容のうな重が食べられるってのは有難いことですね。
食後にお茶を飲んでいると、奥の方から「ミャーミャア」と声が聞こえてきました。
見ると、土間の入り口の方に白ネコちゃん。
「私のご飯も忘れないでくださいねっ!」と訴えているのでしょうか?
お店の人に声はかけてもらっていますが、ご飯はまだ貰えない模様。
ちょっと不満顔かな。
でも、よく躾けられているみたいで、土間からお店の方には入ってこないお利口さんでした(笑)
あれっ、こんな白ネコ、今しがた見たような気がするけど・・・
・・・棚に白い招き猫がいました。
さては、この招き猫の化身だったか(笑)
駅から近くて来やすいし、身構える必要があるような格式ばった店ではなくて、何より安くて味も上々。
鰻を食べてスタミナ補給したくなったら、この界隈では一番サクッと気楽にこれるお店なのです。
【うなぎ坂平】さかへい
■所在地 東京都西東京市田無町2-4-7
■最寄駅 西武新宿線田無駅
■営業時間 11:30~20:00
■定休日 月曜日
■駐車場 なし