(残念ながら閉店。また食べたかった⤵︎)
体にこたえる暑さの日には、鰻重でも食べてスタミナを付けたいのですが、まだまだ価格は高止まったまま。
代わりに穴子という選択もありだけれども、天麩羅となると油が重くて胸焼けしがちなので、天重よりは蒲焼き重が食べたいところ。
Google先生に聞いてみると、広島や銀座ばかりではなく、八王子にもそんな穴子の専門店があると教えてくれたので、早速行ってみました。
八王子市内、甲州街道の追分町交差点近くにある「金華あなごや」さんです。
🌀アクセス
「金華あなごや」の所在地は、八王子市追分町9丁目。
最寄り駅🚆は、JR中央線の西八王子駅になります。
北口側に降りて銀杏並木が続く甲州街道に出たら、右へ曲がって徒歩約10分。
追分町交差点の手前にあります。
店専用の駐車場はないので車で来たら近くのコインパーキングに駐めることになりますが、すぐそばにはないようなので少し歩くことになります。
電車で来ても車で来ても、それほど不便ではありませんが、若干便利とも言えない微妙な立地ですのお店です。
🌀外観と店内の様子
お店のスペースは、間口の狭い雑居ビルの一階部分。
鰻ほどではないにしても、穴子の専門店ともなればもう少し店構えに風格があるものかと思っていたら、油断していると通り過ぎてしまいそうなくらい素っ気ない外観をしています。
素っ気無さすぎて、正直「この店、大丈夫かいな?」と思ってしまいましたが、店頭のボードにお品書きがきちんと書いてあるし、まぁ折角ここまで来たのだからとガラス戸を開けて中へ。
店内はカウンター席ばかりが7〜8席並んでいました。
元は居酒屋かバーだったのであろう小さなお店で、高級感はありません。
奥の畳のスペースにも小さなテーブルがありましたが、そこがプライベートスペースなのか客席なのかは分からず。
マスターが「どこでも好きな場所へどうぞ」とカウンター席を案内してくれました。
お盆休みを取っていた、平日午後の13時過ぎの訪問だったのですが先客はなし。
おかげでのんびり座ることができました。
スピーカーから流され続けている音楽は、昭和50年代くらいの歌謡曲‼︎
J-POPなんて単語さえ馴染みのなかった頃の「歌謡曲」🎤です。
その頃だって酷い歌声のアイドル歌手は多かったけれど、グッとくるフレーズがちりばめられた曲が今よりも多い気がして懐かしくも嬉しい気分になります。
やっぱりいいね、太田裕美(笑)
🌀メニューと料理
メニューは、骨出し付きのあなご重がたれ焼きの「金華」、白焼きの「白華」、ちらしの「黄華」の三種類。
それに丼が「たれ焼き」と「白焼き」の2種類。
合わせて5種類のシンプルで潔いメニュー構成です。
今回は初訪問ですからしっかり穴子を味わおうと、私が「金華あなご重」、同行の妻殿が「白華あなご重」を選択しました。
さて、穴子が焼きあがる前に、焼酎を温めるときに使う「黒千代香」(土瓶)に入った「あなごの骨出汁」と、その他道具類一式が並べられました。
白焼きの方には塩の小皿が付きます。
お重を半分くらい食べたら、右上のお茶碗に穴子とご飯をよそい、その上から温めた骨出汁をかけてお茶漬けのように食べるのが作法だとのこと。
名古屋の櫃まぶしみたいなものですね。
千代香(ちょか)から湯気が出て来たら、お猪口に注いで味見するのもこの店の作法です。
なんか楽しい😃
おっ、沸いて来ましたね。
鰻ほどではないにしても、穴子だって焼き上げるのには時間がかかるでしょうから、こんなことをしながら待つのも悪くありません。
熱々のあなご骨出汁を飲んでみると、「これは旨い‼️」。
出汁に穴子の骨やら焼いた頭からしみ出した旨味が加わって絶妙な味です。
旨いからって調子に乗って飲んでいると穴子が来る前に飲みきってしまいそうなので、ここは自制心が求められます。
そんなことをしているうちに、あなご重の登場です。
こちらが、私が注文したタレ焼きの「金華あなご重」(1,500円税抜き)
お重の大きさにぴったりサイズで、端正な外観のたれ焼き穴子が載っています。
たれの味や量はアッサリめで、くどさはありません。
香ばしくて、だけど焦げているところもない丁度な具合の焼き加減。
これは美味!!
ちなみに、店名やメニューの名前になっている「金華」とは、開店当初は宮城県の金華山沖の穴子を専ら使用していたことから名付けたそうですが、あの大地震で海の環境が変わってしまったらしく、金華山沖の穴子の水揚げは激減してしまいました。
今では主に島根県産の穴子を使用しているそうですが、店名はそのまま変えずに「金華」としているそうです。
そういう、やや無頓着気味な話ってのも嫌いじゃありません(笑)
金華山沖といえば、もともと脂がのった「金華さば」なんかでも有名な豊かな漁場です。
あなごもいつか戻って来てくれたらいいですね。
一方、妻殿注文の白焼き「白華あなご重」(1,500円税抜き)もほぼ同時に到着。
こちらは山葵がトッピング。
味見させてもらいましたが、上から塩をかけて食べるとこれも絶品。
残したあなごを分け合ってお茶漬けにすると、旨味が増してこれまた最高です。
ここは味の変化が楽しめる、美味しい「あなご重」のお店なのでした。
食後のお茶を飲みながらマスターと言葉を交わしていると、あなご重の店を始める前は「喫茶店」をやっていたとのこと。
テーブルに食器類を並べる時の手つきがピシッと決まっているので、ひょっとしてバーテンさんだったのかな?なんて思っていたので納得です。
また、穴子の産地といえば江戸前の東京湾なんかも名高いけれど、何故島根産を選んだのかと聞いて見ると、「大きな穴子を安定して入荷できるから」だそうで、「重箱に小さな穴子をバラバラ不揃いに並べても、美味しそうには見えない(一部意訳)」とのこと。
なるほどねぇ。美的センスですね。
この後、特別サービスだったのか?アイスクリームも付けてくれました。
1,500円でこれだけサービスしてくれるなんて、かなり満足度高いですねぇ。
これなら店構えの素っ気無さなんて問題になりません(笑)
時間のない平日のランチだと慌ただしいでしょうけど、時間のあるときにまた是非ゆっくりと来たい、西八王子の小さな名店なのでした。
【金華あなごや】
■所在地 八王子市追分町9-11
■営業時間 11:00-15:00 16:30-22:00
■定休日 第3月曜日
■最寄駅 JR中央線西八王子駅 下車徒歩10分
■駐車場 なし(周辺のコインパーキングあり)