この夏も甲信方面へ恒例のドライブ旅行。
いつもの通り早めに仕事を切り上げ、渋滞開始前の中央高速を走り抜け、甲府市の湯村温泉♨️へ。
定宿になりつつある湯村ホテルB&Bにチェックイン後、夕食をとりに向かったのは、海鮮も郷土料理も美味くてお気に入りの「割烹 花月」さん。ここまで全て順調、予定通り。
・・・のはずが入り口の前まで行って見ると、えっ?何と「木曜定休」!?
こんなに幟が出ているのに???
そうか、いつもは金曜日の夜に泊まることが多かったから「木曜定休」とは気がつかなかった・・・。
⤵︎⤵︎一気に駄々下がるテンション😭
そうとなれば気を取り直して、早く他の店を探さなければなりません。
小さな温泉街をひと歩きすると、如何にもな風情のラーメン屋さんなんかもありますが、花月で食べるつもりだった刺身定食と比べると何か寂しい。
そこでスマホでGoogle先生を呼びたして調べてみると、大通り沿いにとんかつ屋があるとのこと。
しかし、何やら高評価と悪評が混在していている様子。
妻殿にお伺いをたてると、それでも「とんかつ屋に行ってみようか?」とのご提案。
それではと向かったのは、甲府富士屋ホテルの道向かいにある
「キッチン美味小屋」(うまごや)さん。
小さなビルの一階に3店並んでいる飲食店のひとつ、こじんまりしたとんかつ屋さんです。
店の正面に立つと、暖簾は白くて綺麗で清潔感があるのですが、隣は普通の居酒屋ですし高級感はありません。
外観はどこにでもある町の小さな定食屋です。
店内に入ると、まだ18時を過ぎたばかりなのに、もう家族連れや一人サラリーマンなど数組がテーブルについていました。
ほぉ、結構賑わってますね。
席は、テーブルが3つと、畳の小上がりに4人用の座卓が3つ。
老夫婦二人で切り盛りしているようで、旦那さんが厨房で黙々と調理、女将さんがフロア担当で忙しそうに動き回っています。
メニューを見ると、通常のとんかつ定食の他に、有名どころの名高い銘柄豚🐖が並んでいてちょっと驚き‼︎
スペインのイベリコ豚、神奈川の高座豚、沖縄のアグー豚、他にも山形平田牧場の三元豚、金華豚、フジザクラポークなど7〜8種類もあります。
こんな地方都市の小さな食堂なのにねぇ(失礼🙏)、こりゃ凄いや。
ただ、注意書きもいろいろ沢山掲げられていて、曰く
「命をいただく行為なのだから食べ物は残さないこと」
「銘柄豚には塩だけ。ソースは出さない」
「岩塩を用意したが、最初は何もつけずに食べてみて」
「女性のご飯は少なめにしているが、残さずに食べきれるなら増やすから声をかけて」
などなど
書いてある内容に理解はできます。田舎のおばあちゃんに口を酸っぱくして躾けられたことと内容は同じことですね。
色々あったのかな?。お行儀よくしておこう(笑)
さて、これだけの種類の銘柄豚が揃っているなら、一番美味そうな銘柄豚とんかつを注文せざるを得ません!
華麗なラインナップに目移りして、かなり迷いましたけどね。
結局私が注文したのは、豚肉の世界チャンピオン
「イベリコ豚のロースかつ定食」(2,200円税別だったかな?)
さすがに高価なイベリコ豚ですから、この値段でもトンカツの量は少なめかな。
とんかつの並べ方は面白いですね、切り口が全部上を向いて並んでいます。
イベリコ豚の肉質を良く見てもらいたいってことか、揚げ具合に自信があるってことかな?
ちなみに左手前のお茶碗が男性用のご飯、右上奥が女性用のご飯で、こちらは確かに量が少なめ。
妻殿は私より大食いで、一方の私はカロリー制限中だったので、 ご飯を交換して両者丸く収まりました(笑)
食べてみると、さすがイベリコ豚ですからドングリの味がします・・・
と言ったらさすがに大袈裟ですけど、独特のコクや旨味を味わいとることができます。
脂身は少なめ。
これ、美味しい♪
イベリコ豚のトンカツを食べるなんて、私にとっては滅多にない貴重な体験ですから、この味をよく覚えておくことにしましょう。
そして妻殿の注文したのは、
「高座豚のヒレかつ定食」(確か1,900円)
こちらのトンカツも、小さな塊が3つ並んだ見慣れない配置。
一切れ分けてもらって口にした感想は、「柔らかっ‼︎」「何これっ!? 美味っ‼︎」って感じ。
「揚げる前に繊維を叩いて柔らかくした」なんてレベルの柔らかさではありません。
高座豚のヒレってこんな味がするんですね。
テンションは急回復⤴︎⤴︎⤴︎
別皿のサラダやフルーツもセットになっていて、そこそこボリュームがありましたが難なく完食。
食後にコーヒーゼリーも出してくれました。
これ、手作りですよね。
ここは高級感には乏しい店ですが、豚肉に対して熱い情熱を持った素晴らしいトンカツ屋さんでした。
それにしても、食べ比べてみたい銘柄豚が7〜8種類もある上に、ロースとヒレが両方あったりするので、二人でシェアして食べても、あと5~6回は来ないと一通り味わうことができませんね。
一度は銘柄豚以外のとんかつ定食を注文して、ソースをベッチョリつけたのも食べてみたいですし。
湯村温泉に来たらやっぱり花月さんにも寄りたくなるでしょうから、これはあと何回この温泉にくれば良いのやら??
これは困ったことになりました♬
ところでネット上の評価が割れているのは、注意書き(禁止事項)が多くて、合わない人はゲンナリしてしまうことと、女将さんが一見無愛想なことと、ご夫婦二人だけで切り盛りしているのでピーク時にはテンテコ舞いになるってことからですかね。
でも、家族連れの子供への声の掛け方など見ていると、一見強面に見える女将さんも、言ってみれば「立ち居振る舞いの躾けには厳しかったけど、実際には気の良い人だった田舎のお婆ちゃん」と何だかダブって見えてきます。
ですから、ここの店に行く時には「田舎のお婆ちゃんの家にご馳走になりに行く」か、「身分違いに高級な料亭に紛れ込んでしまって、もう店のルールに従うしかない」ような気持ちで食事をすると、きっと幸せになれるんじゃないかな?
(全然、ピンッときませんかね?)
私は幸せになれましたし気に入ったので、また必ずお邪魔するつもりです😃
(口コミサイトを斜め読みしていたら、店内撮影禁止の注意書きがあるとの書き込みを見つけたけど、そんなのあったかな? 以前はあった?? 見落としてたのなら御免なさい)
【キッチン美味小屋】(うまごや)
■所在地 山梨県甲府市湯村2-6-22
■営業時間 11:30~14:00 17:30~20:00
■定休日 火曜・水曜(祝日の場合は営業)
■最寄駅 甲府駅からバス・湯村温泉入口バス停下車
■駐車場 裏手に3台分