キリスト教⛪️の教義に基づいた青少年育成のために来日し、米作に適しない寒冷高地の清里に酪農🐄と高原野菜🍅の栽培を広めたラッシュ博士。
その活動拠点となった清泉寮は、今も昔も清里のシンボル。
昭和のファンシー高原ブームもとうに過ぎ、最近は我が家でもたまに食事や買い物に立ち寄るだけになっていた清里エリアですが、今年の夏は久しぶりに宿をとってみました。
宿泊したのは、清里高原ラインから細い横道に入った先にある
「清里高原ハイランドホテル」さん。
広い森の中にある、ドイツの古民家かスイスの山小屋風といった外観のプチホテルです。
ホテルがあるのは、国道141号(清里ライン)を北上して大泉エリアから清里エリアに入り、大きなカーブを曲がった先の登り坂の途中、見落としそうな看板が目印の細い道を、左折して奥へ進んだ先。
牧草地とトウモロコシ畑の間の道を、やや不安になりながら進んでいくと・・・
いつの間にやら、ホテルの広い敷地内に入っています。
そのまま森の中の砂利道をホテル棟を目指して進み、広い駐車スペースらしき場所に「この辺に駐めればいいのかな?」って感じで緩く車を駐めました。
だって、広いんだもの(笑)
清里高原ハイランドホテルは、部屋数が全部で15室。
オーナー一家が中心になって運営しているようですが、ペンションではなく、小さめのリゾートホテルと見るか?大きめなプチホテルと見るか?
そんな規模のアットホームなホテルです。
敷地内はほぼ森に囲まれていて、宿泊客は所々に置かれたベンチで好き勝手に森林浴を楽しめます。
玄関から靴を脱いでホテルの中に入ると、すぐ横に小さいながらも暖炉があって寛げそうなロビーがあります。
お菓子類のお土産販売コーナーはありませんので、必要なら外の他のショップで買いましょう。
ロビー周りにはオーナーの趣味なんでしょうね、
高原のリゾート感を盛り上げてくれるような調度品が、あちこちに飾られています。
どれもなかなか絵になっていて・・・
ちょっと見入ってしまいます。
チェックインを済ませ、階段で二階に登り、洋風クラシカルな館内を先に進むと、
案内された部屋は、ゆったりサイズのツインルーム。
窓の外に見えるのはイングリッシュガーデン風の庭と森の木々。
その向こうにある建物は「森の音楽堂」です。
国道にも面していませんから静かです。
今回清里に宿泊した目的の一つは、空の暗いところで夏のペルセウス座流星群を見ることでもありました。
今年の夏は月が明るくて、条件としては悪かったんですけどね。
明るいうちに空の視界が開けている場所はないか、散歩がてら探しに出ましたが、敷地内は木漏れ日が射し込む程度の森に包まれていて空は見えず、星空観望には不向き。
避暑地としては最高な環境なんですけどね。
敷地のすぐ外には牧草地があって見通しが良いので、ここまで出てくれば道端で星空を眺められそうです。
・・・でも結局、夜は雨交じりの天気で星空観望はできず。
今年の夏は天候不順でしたね😭
まぁ天気が悪くても、他にも楽しみはあります。
このホテルには、音楽堂の隣に無料で利用できる貸切露天風呂が3部屋用意されているんです。
「夕食前は混みがちだけど、早い時間なら空いていますよ」とのスタッフさんの助言があったので、早速行ってみました。
ホテル本館の裏手から外に出て、中庭を通り過ぎて音楽堂へ。
お風呂への往復のみ、浴衣を着てもOKです。
建物に入って左側、階段を5段上がったところに貸切風呂が並んでいます。
洋風の設えなので、お風呂って感じはしませんね(笑)
3室とも、空いていれば自由に入浴できます。
使うときはドアノブに入浴中の札をかけて、中から鍵を閉めるルール。
まず入ったのは、明るいタイル張りの浴室でした。
浴室は広くて、大きな窓からは一面に森の木々。
高原の避暑地らしい眺めで、これはなかなか素晴らしい。
特に時間制限もないので、ゆっくり寛がせていただきました(喜)
入浴後、隣の部屋が空いていたので覗いて見ると、窓からの眺めや施設の配置は同じですが、こちらは石張りの壁に木枠の浴槽で、これもまた雰囲気が良い。
確か、浴室はタイル張りと石張りと檜(?)の三種類あると聞いたので、こちらは石張りかな?
貸切風呂の向かい側には「森の音楽堂」。
夏休み期間中は毎日、夕食後に地元音楽家などによるミニコンサートを開いてくれているようです。
勿論、宿泊客は無料。
この規模のホテルとしては大変素晴らしいサービスです。
部屋に戻って寛いでいると時間になりましたので、メインダイニングへ。
夕食はフレンチです。
それほど料金が「高額」な「高級」ホテルではないのですが、この前菜などは見た目が良くて「おっ!」と思わせるものがあります。
正直、期待以上で気分が⤴︎⤴︎。
天気も回復しないようで星空は絶望的だったので、ここはもうワインを注文してしまいましょう😃
メニューを見ると、八ヶ岳山麓らしい高原野菜や、果物が美味しい山梨県らしい食材を多く使っているようですね。
なるほどなるほど。
前菜をつまみにワインを味わっていると、スタッフさんがトレーに載せた瑞々しいセロリを一人一本づつ配り始めました(驚)
・・・ダイナミックです。
真ん中の節の部分で簡単に折れますから、下の幹の部分だけ噛り付いて食べるとのこと。
セロリ大好きな妻殿は、美味しいからと上の葉っぱの部分まで完食してましたが(笑)
清里らしく高原野菜を味わえた達成感があって、こんなミニミニイベント的な演出も旅行の思い出として面白い。
料理が進んで、メインの魚料理は「スズキのポワレ ソースブールブラン温野菜添え」
ここは酪農も盛んな土地ですし、山梨は甲州ワインの産地。ソースにも清里らしさがあります。
肉料理は「牛フィレ肉のグリエ・シェリー酒のソース」
さすがに信州牛とはいきませんが、程よく熟成された柔らかい赤身肉です。
ホテルの料理らしく焼き加減も安定していて、ペロッと完食。
この後はデザートなどもあって、もう満腹。
ワインも飲んですっかり良い気分ですが、この後は頑張って森の音楽堂でのミニコンサートへ。
この日は地元音楽家兄弟によるテノールとピアノ。
勿論、写真も録音も遠慮していますが、適度に良い気分の時に聞く音楽って素晴らしいですね。
この後は、歩いてすぐそこの部屋まで戻るだけですし、すっかりリラックスできました。
翌日の朝食もメインダイニングで。
たっぷりの野菜が美味しいです。
夜ちょっと外へ出て流星群を眺めたいと考えて泊まったホテルだったのですが、結果的に天候が悪くて空は見られませんでした。
それでも内容的には、当初の期待以上の満足感。
宿のスタッフも適度にフレンドリーな応対で好感が持てますし、こちらも肩肘張る必要もなくてリラックスできます。
ロビーで他の宿泊客を見ていてもリピーターが多いようで、それにも十分納得できました。
難点を挙げるとすると階段が多くて、今の時代だとバリアフリー完全対応とはいえず、足の弱い人には少々辛いところかな。
帰りがけには、確か自家菜園の採れたてだったかな? 野菜をお土産にもたせてくれて、自宅に帰ってからサラダにして美味しくいただくことができました。
旅の余韻を自宅まで持ち越せるってのも楽しいものです。
また、帰りがけにまた雨が降ってきたので、駐車場所まで使う傘を借してもらったのですが、スタッフさんが雨の中を荷物を持って小走りで運んでくれました(歓喜)
オーナー家族主体の小規模ホテルらしいですから、「次にまた行ったとしても、あのスタッフさんはまだいるのだろうな」と考えると、やっぱり贔屓にしたくなってきます。
星空観望のためというよりは、夏の避暑地の拠点としてオススメしたいホテルでした。
【清里高原ハイランドホテル】
■所在地 山梨県北杜市高根町清里3556
■最寄駅 JR小海線 清里駅からタクシー5分
■車 中央自動車道須玉インターから国道141号を20分