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蕎麦『よしの』@あきる野市菅生〜やっと訪問・西多摩の老舗そば店

 


急に時間が空いた6月初旬の平日。
青梅市の吹上しょうぶ公園まで足を伸ばしました。

おそらく水田になっていたのであろう谷戸を、丸ごと菖蒲の咲く公園として整備したものです。

ちょうど満開の見頃で、写真を撮りながら小一時間ほど楽しみました。
駐車場料金と入場料が必要ですが、その価値が十分あります。
休日はもっと混み合うのでしょうから、平日に来れたのはラッキーでした。


昼前に切り上げて、ランチ🍴には一度行きたいと思いながら果たせずにいた、あきる野市内の「蕎麦よしの」さんへ。

個人経営の蕎麦屋としては老舗と言える(40年以上)、西多摩エリアの有名店ですね。


🌀アクセス

「よしの」さんの所在地は、あきる野市菅生地内。

青梅方面から車で行くと、国道411号滝山街道を南下して新満地トンネルをくぐった先、西多摩霊園前の横断歩道のすぐ先の東側になります。

店の看板が小さくて目立たないこともあって入口が分かりづらく、過去十年に少なくとも10回は通り過ぎてしまって、Uターンもしづらいので、そのまま訪問を諦めた経験があるお店です(涙)

今回も例の如く一度通り過ぎてしまいましたが(哀)、せっかく平日の早めの時間にたどり着いていましたから、頑張って先の路地からUターンして戻ってきました。

道路からやや急なスロープを降りた先にある砂利敷きの駐車場は、だいたい乗用車が3〜4台分くらい停められる広さ。
ちょっと狭くて区画線も引かれてないので、少々止めづらいですね。

今回は先客の車が一台のみでラッキーでしたが、週末はもっと混んでいるのでしょうから駐車には気を使いそうです。
私なら、ちょっと様子を覗いて混んでいそうなら、諦めて他の店に行ってしまうと思います。

最寄駅JR五日市線秋川駅になりますが、距離にして2km以上、歩くと30分はかかります。


🌀外観の店内の様子

お店の外観は、シンプルモダンな片勾配屋根の一軒家。
蕎麦屋というより、カフェか小さなイタリアンのように見える洒落た建物です。

民家の玄関のような木のドアを開けて中に入ると、中には4人掛けのテーブルが二つに、八人掛けの大テーブルが一つ。
シンブルながら板敷きのフローリングに高い天井、外の緑が見える大きな窓があって、開放感のある別荘建築のようです。

迎えてくれた花番さんは、恐らく奥様なのでしょう。
ご亭主は奥の厨房の中にいるようで、調理する様子は席からは見えません。

先客は1組のみ、クラシックが静かに流れていて落ち着く雰囲気の店内です。


🌀メニューと料理

テーブルに置かれたメニューを見ると、
「独自の方法で自家製粉し、そば粉100%の手打ちにします」との案内書き。
これは期待が高まります。

蕎麦の種類は多くはなく、冷たいせいろ・天せいろ・特天せいろ・とろろそば・鴨せいろの5種類。
価格は、手打ち蕎麦の店としては平均的なところでしょう。

一品料理も、そばがき・舞茸の天ぷら・地アユの天ぷらの3種類のみ。

日本酒は、厳選したのであろう冷や酒が4種類。

こだわりの冷や酒を軽く一合飲んでから、せいろ蕎麦をズッとと啜って、長居せずにサッと帰る・・・ってスタイルの店のようです。

さて、メニューの中から、まずまずお手頃価格に見える「天せいろ」(1,500円)を注文。
稚鮎の天ぷらとか吟醸酒とかにも心惹かれますが、いつもながら車で移動しているので我慢です。

厨房から蕎麦を湯切りしているのか(?)ダンダンと大きな音が聞こえてきて、やがて天ぷらを揚げる香りが漂ってきたのちに配膳されました。

ざるに盛られた蕎麦は、10割蕎麦と聞いて予測したよりはずっと細打ち。
この辺りは粉の状態の良さと、ご亭主の確かな技術のなせる技なのでしょう。

しかし、細いとは言っても細すぎはせず、切りむらは少なくてシットリとしています。
十割から想像するほどの強烈な味や香りまでは感じませんでしたが、喉越しを重視した美味しいお蕎麦。

ただ、蕎麦つゆは出汁がやや弱めかな。
もっと辛い方が好みですが、天麩羅と共用させているのでバランスを考えているのかもしれません。

天ぷらは、海老・キス・舞茸に野菜のスティック。
牛蒡スティックは歯ごたえがあって香ばしいし、パプリカスティックは彩りが良くて洒落てます。

舞茸も西多摩産ならもっと嬉しかったのですが、新潟津南産とのこと。
産地としてはあちらの方が本場かな。これも美味しいです。

キスと海老にも不満はなく、特天ではなくても内容的にこれで十分満足できる天麩羅です。

頃合いを見て配された蕎麦湯は、蕎麦粉をタップリ溶かしたトロットロなもの。
そういや、青梅の「つけ蕎麦KATSURA」さんの蕎麦湯も同じようにトロットロでしたが、こちら「よしの」の息子さんの店でしたね。
あの蕎麦湯のルーツはこれでしたか。

それと、金継ぎされたこの器も、良い味のでている生活骨董品ですね。
灰釉の蕎麦つゆ徳利も、渋い色艶が私の好みでしたし、どうやらここのご亭主は古陶磁好きでいらっしゃる様子。

先ほどは弱く感じた蕎麦つゆも、この蕎麦湯と合わせて飲むと丁度良い辛さ。
蕎麦湯は一人分にしてはタップリの量がありましたが、美味しく飲みきってしまいました。
せいろ蕎麦を追加しなくても、これを飲みきると結構、満腹になります。

帰る前に洗面所に行くと、横に骨董品のぐい呑みや小皿を飾った棚がありました。
やっぱり古陶磁好きなんですね(笑)
良い感じです。

この日は先客1組に、後からもう1組の来客のみ。
街道沿いではあるけれど交通の便はあまりよくはなく、価格帯もこの辺りにしては高めの設定なのでしょうか。

席数や駐車台数から見ても、お店の方でもそんなに集客数を増やそうとは考えていない様子。
おかげで静かに食事ができました。

欲を言えば、蕎麦湯の時のように頃合いを見て、最後に頼まなくてもお茶を淹れてくれるようだともっと嬉しいのですが。
まぁこれはお店のスタイルなのでしょう。
どちらかといえば放置スタイルで、これはこれで居心地が良いとも思えます。

駐車場に戻ると、さっきはドイツの高級乗用車が隣に停まっていましたが、今度は赤い国産スポーツカーが停まっています。
そんなちょっとリッチな客層がメインなのかな?
でも、敷居が高くて遠慮が必要な店ではありません。

車で走り出してからふと、天ぷらを食べて蕎麦つゆも蕎麦湯も全て飲み干したのに、胃もたれが全くしていないことに気が付きました。
ひょっとしたら、健康面から素材などに色々と気を配ってくれているお店なのかもしれません。


【蕎麦よしの】
■所在地   東京都あきる野市菅生818-2
■営業時間  11:00-15:00(売り切れまで)
■定休日   月曜日(祝祭日は営業)
■最寄駅   JR五日市線秋川駅(バス6分)
■駐車場   有り



 

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