飯能小旅行の二泊目。
宿泊しているのは、駅ビル内にある「ホテルヘリテイジ飯能Sta.」
夜になり、ホテル内の和食処で夕食をとった後、軽く一杯やりに北口ロータリーまで降りてきました。
飯能の駅前は「人混みが酷すぎもせず、寂し過ぎもせず」って感じの賑わいで、そぞろ歩くには丁度良いくらいの人口密度。
向かったのは、駅ビルを出てすぐ、バスロータリーの真前にある
「 CARVAAN CRAFTBEER&GRILL」(カールヴァーン クラフトビール&グリル)。
アラブ&地中海料理をサカナにして、飯能市内で醸造されたクラフトビールを味わうことができるお店です。
駅前のとても便利な場所にあるカウンター主体のお店で、軽くビールを飲みに立ち寄るには便利この上ない立地なのですが、19時半頃に行ってみるとナント既に満席。
飯能辺りで(だってアニメの「ヤマノススメ」の舞台だよ)、こんな小洒落ていて単価の高そうな店は、そうそう混むことはないだろうとタカを括っていましたが、甘くみすぎていたようです。
反省します。
CARVAANさんには、異国情緒溢れる立派な建物の本店が、駅の西方、入間川沿いの割岩橋を渡った先にあります。
こちらでも同じクラフトビール が飲めて、料理の種類もより豊富なはずなのですが、駅前からは歩いて12分くらいはかかります。
そこまで車を運転して行ったら勿論クラフトビールが飲めなくなりますし、かと言って飲んでから12分歩いて駅まで帰ってくるのも億劫です。
ここは駅ビル内でウロウロとショッピングでもしながら、駅前店の席が空いてくるのを待つことにしましょう。
・・・幸いしばらくしてから再訪すると、上手い具合に空席が増えてきていました(喜)
カウンター席が主体で、長居するタイプの店ではないので、そこそこ回転は早そうです。
ガラス張りで、中の空席の様子が外からでもよく見えるところも便利。
店内に入ると、すぐに二人分の席を用意してくれました。
スタッフさんは、みんな若くてハキハキと受け答えの気持ち良い人ばかりで好印象。
席はカウンターが10席少々と、隅っこに小さなテーブルが一つあるばかり。
店内はモノトーン調で、天井からはアラブ風のランプが吊り下がり、カウンター中央には金色のビールサーバーが鎮座しています。
とっても小洒落た雰囲気。
まずは期待のクラフトビールを選ぼうとメニューをみると、
味わい濃厚で香りも華やかなエールビール系を中心に、自社醸造のクラフトビールが種類も豊富に並んでいます。
通年醸造のレギュラービールの他に、季節毎に限定生産されているスペシャルビールもありました。
値段はビール毎に異なり、おおよそSサイズが600〜700円、Lサイズが1,100円前後といったところ。
淡麗で喉越しの良いラガービールもありますが、それならアサヒでもキリンでも大手ビールメーカーの商品と大きな違いは感じないでしょう。
折角ここまで来たのなら、味わいが深く、銘柄毎に旨味も香りも異なるエール系のビールを飲むのがいいんじゃないのかな。
それにしても、埼玉県内の西方の飯能市にある醸造メーカーが、これだけの種類のビールを商品化しているなんて、意外性があってちょっと感動的です。
さて、ビールの種類が多いので大いに迷った末に注文すると、すぐ目の前のこのサーバーから注いでくれます。
最初に飲んだのは季節限定の「カールヴァーン・トリペル」のLサイズ(1.250円)。
ジャパン・グレートビアアワーズ2019で銀賞を獲得したとか。
ビールの味を文字で表現するのって難しいですが、飲んでみると味わいと香りがともに深く、苦味を含めて全体のバランスが良くて、こりゃあ美味しいビールです!
地元色の強いところでは、南高麗地区の自社農場産ホップを使用した、苦味に特徴のある「飯能フレッシュホップIPA」(S size 650円)や、飯能産柚子ピールを使った香り華やかな「カールヴァーン・ベルジャンホワイト」(S size 580円)なんてビールもありました。
どちらも季節限定。
他にも説明書きを読むと、飲んでみたいビールが沢山出てくるので、サイズはLではなく、Sサイズを注文して何種類か違うビールを飲んで楽しむと良いと思います。
フードメニューの方は、ビールに合って美味そうなものが並んでいますが、お店の一押しは「タルトフランベ」の模様。
タルトフランベとは、アルザス地方の郷土料理で、小振りな薄焼きピザのことですね。
注文すると、目の前の調理台で生地を伸ばし、トッピングしてから大きなガス窯で焼いてくれます。
注文した料理の調理過程を見ていると、ライブ感があって何だか楽しいですね。
こちらは、トマトソースにサーモン、タマネギ、それにオリーブがトッピングされた地中海スタイル(1,100円)
小振りなので、一人で一枚は軽く食べれてしまいます。
美味かったけど、二人で一枚だと少々物足りなかったので追加注文。
今度はチーズが載ったものが食べたくなったので、ベーコン・タマネギ・チーズがトッピングされた「アルザスStyle」(950円)
チーズが重くないので、こちらもペロッと瞬殺。
調子に乗ってもう一枚追加。
こちらは、フェタチーズ(羊乳のフレッシュチーズ)に羊肉の挽肉、それに野菜がトッピングされた「アラビアstyle」(1,100円)。
スパイスが効いていて、如何にもアラブ料理って感じの味わいでした。
美味し。
意外に気に入ったのが「フライドポテト」。
フライドポテトなんて別に珍しくもないし、ビールに合うなんてことは解りきっているのですが、こちらのお店のものは添えられたディップが大変秀逸。
5種類あるディップの中から3種類選べるMサイズ(950円)を注文し、ディップは唐辛子の効いたアラビアン、柑橘の香りが爽やかなアジアン、マスタードがピリッとくるベンガルをチョイス。
どれもスパイスが効いた奥深い味をしていて、このディップがあるだけで、ただのフライドポテトがワンランクアップしたご馳走に変わります。
ディップによって味が変わるので、最後まで飽きないですしね。
いやぁ、何を飲んでも何を食べても旨かったので、もう一品くらい注文したくなりました。
選んだのはインドのミックススパイスが効いた「マサラ・フライド・チキン」(800円)
甘辛味でスパイスが効いていてビールにも合うし旨かったけど、こちらはフライドポテト程の感動まではなかったかな。
他にもエールビールを少々追加して、ついつい食べ過ぎ飲み過ぎにはなりましたが、大満足の夜となりました。
かつて沸き起こった地ビール人気が去った後、各地で本格的で質を高いビールを醸す醸造所が徐々に増えてきたことから、今再びクラフトビールがブームとなっているようです。
実際、週末に都心部でクラフトビールを提供する大型ビアホールなんかに行くと、ビックリするくらいの繁盛ぶりだったりしています。
しかし、本当に味に満足できる銘柄が果たしてどの程度の数あるのか、そんなお店でクラフトビールを飲んでいると疑問に感じてしまうことがありました。
その点、ここ飯能のカールヴァーンでは、価格帯が高めではありますが、その価格にあった(少なくとも私の味覚レベルでは)旨いクラフトビールを飲むことができます。
カウンターでちょい飲みするスタイルなので、泥酔した酔っ払いのオッサンも、大騒ぎし放題の学生達もおらず、席にさえ付ければ居心地も良好です。
また飯能にくる機会があれば寄ってみたいし、一度は贅沢に、行き帰りにタクシーを使って本店にも行ってみたいところなのです。
「 CARVAAN CRAFTBEER&GRILL」
(カールヴァーン クラフトビール&グリル)
■所在地 埼玉県飯能市仲町11
■営業時間 15:30-22:00(土日11:30-22:00)
■定休日 年末年始他
■最寄駅 西武池袋線飯能駅
■駐車場 無し