西武新宿線田無駅南口の石臼挽き蕎麦『進士』(しんじ)。
外食不毛地帯の田無駅南口にあってもう10年以上、手打ち十割蕎麦で勝負しているお店です。
市内に用事もあったので週末のランチに伺いました。
アクセス
店があるのは、西東京市南町。
最寄り駅は、西武新宿線の沿線では比較的賑やかな田無駅になります。
駅前広場が出来て垢抜けた雰囲気になった北口ではなく、相変わらずごちゃごちゃ細い道しかない南口側に降り、歩いて僅か3〜4分程の距離。
市役所の方向に歩き、市役所、図書館、公民館を通り過ぎた先に店はあります。
駐車場は、店の西側、他所の家の駐車場を挟んだ、二宅地先に2台分用意されていました。
コインパーキングも周辺にあるので、車で来ても不便はありません。
でも、何しろ田無駅の南口側は細い道ばかりで運転に気を使うし、田無駅周辺の幹線道路も有名な渋滞スポットなので、車でここまで来るのが億劫ではあります。
外観と店内の様子
自宅の一階を店舗としている、小規模なお店です。
入口横のガラス張りの蕎麦打ち場には石臼が置かれていて、「うちは自家製粉・手打ちの本格派だぜ」とアピールしてきます。
店内に入ると、ご亭主の奥さんと思しき女性が迎えてくれました。
厨房の方からは、ご主人の声が聞こえてきます。
テープルは二人用が三つに、四人用が3つ。
カウンターはありませんが、一人や二人でも気兼ねなく来れるテーブル配置です。
内装は、うさぎモチーフの飾りつけがされた民芸調。
静かで落ち着いた雰囲気です。
13時過ぎの訪問でしたが、先客は二組。
どちらも近所のお客で、“ちょっと日本酒をやってから、蕎麦を食って帰る・・”なんていう、羨ましい利用の仕方をしていました。
メニューと料理
その他、おつまみ類となっていて、料理の種類は少なめです。
メニューの多さではなく、「十割の手打ち蕎麦」そのものを売りにして勝負しているようですね。
店の規模も大きくはないし、妥当なところでしょう。
そうは言っても、「海老天せいろ」は少々高いし、この日は「天麩羅」という気分でもなかったので、どうしようかと考えていると、
壁に季節限定なのでしょうか?『鶏せいろ』の貼り紙がありました。
“温かい掛け蕎麦”にすると、折角の十割そばの味がぼやけてしまいそうだれど、
外も寒いし、“温かいつけ蕎麦”なら良かろうと注文してみました。
蕎麦の量は、手打ち蕎麦屋の蒸篭にしては多め(喜)。
店主も「手打ち蕎麦は、高くて量が少ない」という悪いイメージを払拭したいと考えているようです。
その考え方は、大歓迎ですね。
蕎麦自体は、十割蕎麦にしては細切り。
色は白めで、所々に蕎麦粉の星が散っている美味そうなビジュアル。
口に入れると、一般的な十割蕎麦のイメージとは違って喉越しも良い。
固くはないけれど、細切りなのに腰もある。
小麦粉をつなぎに使わない十割蕎麦で、どうしてこんなに細く打てるのか解りませんが・・・
美味しい十割蕎麦です。
つけ汁には、太い葱がいっぱい浮いていて、下には鶏モモ肉がゴロゴロ。
鴨肉ではないのが残念ですが、値段はリーズナブルです。
ただ、つけ汁としては少々うす味ですかね。
もう少し鰹の出汁でも効いていると良かったのですが。
まぁ、これは好みの問題もあるでしょう。
次ぎに来たときには、普通の「せいろ」を注文して、出汁の味を比べてみたいですね。
残ったつけ汁を混ぜると、鶏もも肉から出て来た脂や旨味とよく合わさって大変美味。
水炊きの老舗でだされる白濁スープのようになって、ついつい全部飲み干してしまいました。
店主は長い間の老舗蕎麦屋での修行の後に、この店を開いたそうです。
一品づつ丁寧に調理するのがモットーのようで、地味で小さな店ですが真面目で堅実な姿勢が感じられて好感が持てます。
そのあたりが、駅前に一軒しかない割烹料亭が閉業してしまう程の“外食不毛の地”田無駅南口にあって、手打ち永く蕎麦店を続けていられる理由なのでしょう。
田無駅利用者や周辺に用事のある方等には、お勧めしたい店です。
もう少し周辺の道路が走りやすかったら、もっと来るのになぁ。
石臼挽き手打ち蕎麦 『進士』(しんじ)
所在地 東京都西東京市南町5-29-5
営業時間 [月~金]11:30~14:30 18:00~21:30
[土日祝]11:30~14:30 17:30~20:30
定休日 火曜日