JR青梅線の青梅駅から、さらに奥多摩方面へ5駅先にある軍畑(いくさばた)駅。
青梅線も青梅駅から西へ行くと電車の本数も減り、一応都内とは言え、長閑な山村の雰囲気が強くなってきます。
この日のランチは、軍畑駅から多摩川にかかる軍畑大橋を南側に渡った先にある『そば処いけだ』。
幹線道路から外れた、全く目立たない路地にある石臼挽きの手打ちそば屋さんです。
アクセス
最寄り駅であるJR青梅線軍畑駅からは、徒歩8分ほど。
青梅街道を横切り、軍畑大橋を南へ渡って最初の細い路地を左に入り、集落を抜け・・・
そろそろ道を間違えたのかもと、不安になる頃にお店が見えてきます。
こんな集落の奥に店を出して商売になるのだろうか?と心配になるような立地。
駐車場は店の横に2台分ありますから、ドライブのついでに立ち寄ることも勿論可能。
外観と館内の様子
一戸建て日本家屋の一階部分が店舗になっています。
まだ新しそうで綺麗な建物。
店の脇に掲げられたお知らせによると、
「玄そばを手動の石臼で挽いているのでどうしても数量に限りがあり、売り切れ次第終了します」とのこと。
1日20食ほどだそうです。
あまり多くの客を呼び込もうとしていない、そば粉に拘りの店のようですね。
店内に入ると、誠実そうな物腰の柔らかい女将さんが迎えてくれました。
座席は、4人掛けのテーブルが3つのみ。
厨房の様子は見えない造り。
地元産の材木を多用した、西多摩らしい雰囲気の店内となっています。
囲炉裏を切った小上がりもあって、山里らしさを演出。
小規模ながらも趣向を凝らしたお店です。
窓の外の景色は杉林。長閑です。
メニューと料理
メニューは単純で、壁に掲げられているもののみ。
挽きぐるみせいろそばに、天婦羅ととろろのトッビングの組み合わせとなります。
実に潔い。
初訪問の店なのでどんなものかと、全部載せのを注文してみました。
待つこと暫し。お盆にいれられてやってきました。
『挽きぐるみとろろそば(天付)1,200円』
・・・正直、無骨で太い田舎そばを想像していたのですが、登場したのは南天の葉が飾られた細切りの繊細なお蕎麦でした。
添えられているのは、籠に盛られた野菜天に、
とろろ、香の物、
薬味(塩・柚子胡椒?・ネギ)、そば湯となっていて、品のある外観です。
蕎麦は、ツヤツヤとした端正な細切り。
挽きぐるみのそばらしく、星が散っています。
冷水でシャッキリと〆られていて、腰があり喉越しも良い!
「よろしければ、塩だけで食べてみてください」とのことなので、試してみると・・・
冷水で〆たばかりの瑞々しい蕎麦だったせいか、蕎麦に合う塩だったのか、確かに旨い。
「塩だけ付けて食ってみろ」という店は他にもありますが、本当に塩だけでも旨い蕎麦って正直あまりないですよね。
まぁ、人それぞれ好みと味覚の違いはあるでしょうけど。
どんな人が蕎麦を打っているのかは判りませんが、結構な腕自慢なんだと思います。
蕎麦つゆは、味醂か砂糖の甘味を感じるもので、辛すぎもせず。
そば湯は、そば粉を溶いたりしていない透明なもの。
美味しく完食いたしました。
ごちそうさまです。
立地から勝手に想像していた蕎麦とは違って、上品で美味しいお蕎麦でした。
食後に何故か板チョコをサービスで頂きました。
チョコレートは好きなので嬉しいのですが、蕎麦屋で食後に貰ったのは初めてです。
たまたまパチンコの景品で取りすぎた訳じゃないですよね(笑)
それと、店の前の道は細い道だと書きましたが、どうやら昔はこの道が鎌倉街道だったようです。
お見それいたしました。
そろそろ西多摩の紅葉も終わりでしょうが、ドライブついでに立ち寄ると、かなり満足できるお店なのでした。
限定20食程度の小さな店なので、巡り合えたらラッキー。
【そば処いけだ】
◇所在地 東京都青梅市柚木町2-546-21
◇最寄駅 JR青梅線軍畑駅 徒歩8分
◇営業時間 11:30〜売り切れ次第
◇定休日 水曜・木曜
◇駐車場 2台