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叶庵 克@瑞穂町〜謎の高級感・本格手打ちの大型蕎麦店【閉店】


閉店してしまいました。ベトナムに支店がある?


青梅街道を車で西に走り、瑞穂町内へ。
国道16号を通り過ぎ、もうすぐ青梅市内に入ろうとする辺りのロードサイドに、
外壁をダークグレーに塗り潰した、何かの会館のようにも見える怪しげな建物があります。

以前はステーキハウスだった建物ですが、今は車内から判別できるような看板もなく、
通るたびに「何の施設かね?」と一瞬思うものの、すぐに忘れて通り過ぎていました。

それでも気になって検索してみたところ、木材をふんだんに使った内装が素晴らしく、
このあたりでは場違いなほど高級感のある手打ち蕎麦店になっているとのこと。
店名は「叶庵 克」(かのうあん かつ)さん。

カウンター席もあるそうで、少人数なら予約なしでも入れるだろうと、
通りがかりに立ち寄ってみました。


🌀アクセス

「叶庵 克」さんの所在地は、西多摩郡瑞穂町長岡4丁目。
で行くなら、青梅街道沿いで、瑞穂町と青梅市境となる青梅新町境交差点の東側。
駐車場はファミレス時代のままで、店横に広くて停めやすいものが用意されています。

最寄駅は、JR八高線の箱根ヶ崎駅か、青梅線の小作駅になりますが、どちらからも
2km以上は離れています。
周辺についでに立ち寄るような名所もないので、専ら車で行くべきロードサイド店です。


🌀外観と店内の様子

ファミレス時代の大きなロードサイド看板を、わざわざ撤去してしまっています。
代わりの物はこんなに小さい置き看板なので、車からはとても読み取れません。
車を停め、建物手前まで歩いてきて、やっとここが蕎麦ダイニングだと確認できます。

昔の単価の安いファミレスだと、客が間違えて入ってくるのを防ぐためでしょうか?
幹線道路沿いにありながら、「知っている人だけ来てくれれば良い」って感じかな。

目隠しの外壁を回らせ、高級感を出すためかこれもグレーに塗ってしまっているので、
正直、またセレモニーホールでも出来たのかと思っていました。

この重厚で高級感のある自動扉も、どちらかと言えば「セレモニーホール仕様」でしょ。

店内の様子は外からは全く伺えませんが、探検気分で中に入ると、
花番さんというよりは仲居さんって感じの方が出迎えてくれました。
靴を靴箱に入れてから上がります。
駐車場も混みがちだったので心配しましたが、すぐに奥へと案内してくれました。

店内は木材をふんだんに使った和風旅館のような作りで、高級感と清潔感があります。
広い廊下を進むと、障子で仕切られた向こう側に、テーブル席などが見え隠れして、
全体になかなか良い雰囲気。

ファミレスに無理やり高級感を持たせようと改築したら、なんか間違っちゃった感
のある外装とは大違い。

こっちの床の板材なんて、幅が広い板を使っていて、お金が掛かっていそうですよ。
週末のプチ贅沢なランチ気分になれて、食べる前からもう気分が上がってきます。(笑)

二人だったので、行き先はカウンター席かな?なんて思っていたのですが、
ラッキーなことに予約もないのに個室に案内してくれました。時節柄、感謝です!

館内が適度に障子で仕切られていたのと、満席ではないもののお客の入りもよかった
ので、他の席の写真は撮れませんでしたが、別にテーブル席とカウンター席があります。

上のパンフレットのカウンター席なんて、テーブルが広くて、
蕎麦屋のカウンターとは思えない高級感があります。
このカウンターなら、座って食事してみたいと思わされますね。


🌀メニューと料理

メニューを見ると、手打ちそばは3種類あります。
長野県八ヶ岳山麓産の蕎麦粉を使った二八そばに、福井産の蕎麦粉と青森産の蕎麦粉
を使った十割の田舎そば。

二八でも十割でも価格は変わらず、もりそばが750円。
へぇ、この内装の店で、石臼挽き自家製粉の手打ちそばがこの価格!?
素晴らしく良心的ですね!
価格設定はもっと高めの店かと思ってました。・・・でも、これで儲かるのかな?

通常メニューは、一般的なものが一通り揃っています。
お盆が過ぎたばかりで、まだ狂ったように暑い時期だったので、
期間限定のぶっかけそばが、とっても美味しそうに見えます。

「梅おろし」と「越前おろし」、どちらも美味そう。

季節限定の一品料理もあるので、蕎麦前も楽しめるでしょう。
車の運転がなければねぇ。

さて、注文したのは、妻殿が写真を見て一目で気に入った「梅おろし冷やかけそば」、
私は初めての店ではまず試してみたくなる「天ざるそば」。
それに、個室を使わせてもらったお礼がわりに単品一品と、ざるそばを一枚です。

そば煎餅とともに、まずやって来たのが一品料理の
「桃の香りの冷たいトマト」(350円)

暑い日にはピッタリの、冷たくて甘い完熟トマトでした。
ほのかな桃の香りは、品種によるものなのか?、シロップを掛けたものなのか?

他にも、トウモロコシとかアスパラとかモロヘイヤとかあるので、野菜類の仕入れにも
力を入れているのかもしれません。

続いて妻殿の
「梅おろし冷かけそば」の手打ち(950円)

関西風の薄味の出し汁がかけてあって、梅おろしとの相性も良し。
夏向きの食欲増進系サッパリ味。

蕎麦は、青森だったか福井だったかの十割田舎そばを選んだのですが、どっちかな?
やや太めでムッチリした食感の蕎麦でしたので、掛け蕎麦なんかには合うと思います。

続いてほぼ同時に私の注文した「天ざるそば」(1,450円)

蕎麦は十割田舎そばを選択して、産地は妻殿の冷やかけそばと違う物にしたのですが、
食べ比べても、残念ながら私の舌では違いが分からず。

でも、艶があり、もっちりとした食感のある、やや太めの蕎麦になっていて味は上々。
こんな雰囲気の良い大型店で、この値段でこのレベルの蕎麦を食べさせてくれるなら
何も文句はありません。

細挽きの蕎麦粉で打っているのかな?

一昔前と違って、十割蕎麦でも、この太さで滑らかな食感のそばを打てるんですね。

天ぷらは、海老・獅子唐・南瓜・舞茸に、あと何だっけかな?

海老は大きさも十分にあり、味も海老の旨味がしっかりあって美味しいもの。

舞茸は厚めに割いたものを使っています。
西多摩にある蕎麦屋では、旨い舞茸の天ぷらを出すライバル店が多いですから、
意識していることでしょう。

ただ、香りがあってジューシーなのは良いのですが、若干火の通りが足りないかな?
好みもあるでしょうけど、舞茸の天ぷらは揚げる加減が難しいって聞きますからね。

最後に、二八も食べてみたかったのと、そばの量が足りなかったら寂しいので
追加しておいた「ざるそば」八ヶ岳産蕎麦粉の二八(750円)

こちらの方が細打ちなので、喉越しは上。
十割蕎麦の香りと味が、二八と比べて傑出して良いとまでは感じなかったので、
どちらが良いかは好みでしょうね。
値段も同じだし。
でも温かい蕎麦やぶっかけ蕎麦には、十割蕎麦が良いかなぁ。

食後の蕎麦湯は、トロッと白濁したもの。

贅沢感があって、良いですよ。

ご馳走様です、満足しました。
味と雰囲気と価格、それに車での利便性の総合点が、とても高いお店だと思いました。

料理に満足して、店に対しての信頼感が上がると、テーブルの隅でアピールしてくる
持ち帰り用「伝説のもつ鍋」なんてものまで、とても旨そうに見えてきます(笑)

なぜ蕎麦屋でモツ鍋?って気もしましたが・・・
夕食はこれで良いやってな具合で、お持ち帰りです。

野菜も入っていて、追加して用意すべきものは何もなしの簡単調理。

ほぅ、ジャンクでスパイシーな旨味が、なかなか食欲をそそるぞ。
モツの量が少なめかもと思いましたが、コッテリ脂がのったモツだったので、
食べてみれば、二人ならこれくらいの量で十分でした。
この後の雑炊もうまかった!


青梅市内にも、蕎麦屋のライバル店は多いのですが、一風毛色の違った良い蕎麦屋が
出来てくれたものです。

でも、この店構えでこの内容と価格帯・・・儲ける気はあるのかな?
冠婚葬祭やその他の会食にも使えそうだし、夜のお酒と食事でも儲ける気かな?
それとも、ゴルフ帰りの客を期待してるのかな?・・・でも今更ゴルフ客?
あっ、親会社が超絶儲けていて、社会還元でやってるのかな??

この規模の店の、この価格帯の蕎麦ですから、伝説級名人が超絶技巧で打つ
蕎麦と比べられても困りますが、とても良い分で蕎麦を味わえるお店です。
親会社の気が変わらないうちに、ドライブ途中にでも行ってみるべきでしょう。
いや、知らんけど(笑)


蕎麦ダイニング 『叶庵 克』(かのうあん かつ)
■所在地   東京都西多摩郡瑞穂町長岡4丁目45
■営業時間  11:30-22:00
■定休日   水曜日
■最寄駅   箱根ヶ崎駅か小作駅だけど遠い
■駐車場   あり



 

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