残念ながら閉店
蕎麦も天ぷらもレベルが高かったから吃驚。
休日の昼前、妻殿から「蕎麦屋に連れて行け」との突然のオーダー。
それじゃあ、今まで行った事のない店にでも行ってみるかと・・
向かったのは立川市内の『八十八庵(やそはちあん)』。
市内の北方を東西に横断する「すずかけ通り」沿いにある蕎麦屋です。
所在地は、立川市幸町。
すずかけ通り沿いに建つ、マンションの一階に店はあります。
駐車場は、店の入っているマンションの敷地内、建物の西側に3台分用意されています。
広い駐車場ではありませんが、店の規模から考えると妥当な台数でしょう。
まぁ、あるだけでも嬉しいと言うものです。
車で行って不幸にも駐車場に空きがなかったら、諦めて近くの「田堀」か「利静庵甚五郎」に行くという手もあります。
最寄り駅は、多摩モノレールの「泉体育館」。
駅からは歩いて10分程の距離です。
マンションの一階ではありますが、杉の引き戸に外壁は板張り、和風の庇を架けて装っており、田舎蕎麦屋的な雰囲気を出しています。
暖簾に描かれているのは、ミッキーマウスを逆さまにしたマーク。
・・・に見えて可愛らしいのですが、正しくは日本古来の「州浜紋」という縁起の良い家紋。
向かって右のガラス窓には、自家製粉のための石臼。
左のガラス窓の奥は、麺打ちの作業部屋。
自家製粉の手打ち蕎麦であることを、店の外観からもアピールしています。
こんな店構えを見せられては、蕎麦の味に期待せざるを得ません。
店内には、小上がりに6人掛けの座卓が3つとカウンターが数席。
座卓は、掘りごたつ式なので座りやすい。
音楽は、ジャズが控えめな音量で流されていました。
この店は家族経営なんでしょうか?
ハキハキした応対の花番さん、蕎麦打ち中のご亭主?、その他厨房に1〜2名というスタッフ構成のようですが、なんとなく息が合っているような、気心が知れているような雰囲気が伝わってきます。
メニューを見ると、冷たい蕎麦から温かい蕎麦から、うどんからご飯ものまで、多彩なラインナップ。
さらに壁を見ると、季節物を含めた一品料理の札が並んでいるので、何を頼むか迷うほど。
これなら何度来ても、食べ飽きることなく食事を楽しめそう。
しばし迷って注文したのは、妻殿が「穴子天せいろ」(2,200円)。
蕎麦は、粗挽き・十割・替わり蕎麦の3種類から選べます。
この日は、十割蕎麦をチョイス。
メニューを見返すと、なんと最高値の品でした!
でもまぁ、穴子はふっくらとボリュームがあって、美味そうですね。
一切れ、お裾分けしてもらいました。
穴子天は油がクドいと胸焼けしてしまいますが、この店の穴子天は割とサッパリ揚がっていて、これなら苦もなく完食できそう。
これは高いけどお薦めのメニューです。
私が注文したのは、一品料理の『若鮎の天ぷら』(650円)と『三色そば』(1,550円)。
まずは、「若鮎の天ぷら」。
いよいよ鮎のシーズン到来ですからね。
このサイズなら頭から丸ごと齧れます。
ほのかな苦みが大人の味。
『三色そば』は、この店自慢の手打蕎麦の三種類、“十割”と“粗挽き”、それに“変わり蕎麦”の全部盛り。
初訪問なので、それぞれどんな味か食べ比べてみたいですからね。
ボリュームもそこそこあります(喜)
まず手繰ったのは、一番気になっていた「粗挽き」。
やや太めで、コシがしっかりと言うか固めの蕎麦。
蕎麦粉が粗挽きのため、表面がブツブツとしていて、食べると風味豊か。
蕎麦通からしたら邪道かもしれませんが、汁にタップリ浸けて、ガシガシ噛んで食べると美味しい。
こんな野趣に富んだ蕎麦は好きですねぇ。
とても気に入りました。
次は「十割そば」。
つなぎが混ざらない、十割蕎麦粉で打った割には細麺で、長さも揃っています。
表面はしっとり感があって、滑らか。
コシはありますが、「粗挽き」よりも固くないので、喉越しが良くて食べやすい。
こちらの方が、正統派の蕎麦ですね。
伸びないうちに、さっさと食べた方が良さそうです。
最後に「変わりそば」。
この日は、アンパンに載っている“けしの実”入りの蕎麦でした。
色が白いのは、つなぎが多めなのかな?
“変わりそば”は蕎麦本来の味がどうこうではなく、変わった味の蕎麦や、季節感のある蕎麦を楽しむものですから、ケシの香りがして「面白いですね」と言う感想。
3種盛りや2種盛りに組込まれていると、味に変化がでて楽しいでしょう。
3種類の蕎麦とも個性があって、それぞれ美味しい蕎麦でした。
蕎麦汁は鰹の出汁が効いていて、辛さは標準的。
締めの蕎麦湯は、少し白濁している程度であっさりしたもの。
最後に頂き物があったそうで、サービスとしてデザートにメロンをお裾分けしてもらいました。
こんなところも家庭的。
それにしても、期待していた以上の蕎麦でした。
手打ちの蕎麦を3種類も用意していて、一品料理もいろいろあるし・・・。
店の規模から考えると、かなり頑張っているんじゃないですかね。
蕎麦好きの方なら、ちょっと足を伸ばしても、好みに合うか試してみる価値がある蕎麦だと思います。
片道一時間圏内くらいまでかな(笑)
私は、まず間違いなく再訪します。
【八十八庵】(やそはちあん)
◇住 所 東京都立川市幸町2-17-8 アミノビル101
◇時 間 11:00~20:00
◇定休日 火曜日
◇駐車場 有り(3台)
◇最寄駅 多摩モノレール 泉体育館駅