今年の夏の休暇は、(我が家の半ば恒例行事ではありますが)山形県の日本海側、庄内地方で過ごしてきました。
しかし、片道500㎞弱の距離を、車で一気に走り切る気力は私にはもうありません。早めに仕事から戻った、その夜のうちから出発し、途中の群馬県内のビジネスホテルで一泊してから行くことにしました。
そこまで行けば、もう翌朝は渋滞につかまることもないですから。
そんなこんなの道の途中での食事も、当然、旅行の楽しみの一つなのですが、旅の一食目に選んだお店は、埼玉県熊谷市内にある
「とんふみ」籠原本店さん。
なんと、県内の自家農場産の黒豚を揚げたとんかつを提供しているという、実に魅力的なお店なのです。
🌀アクセス
とんふみさんの所在地は、埼玉県熊谷市新堀。
最寄駅はJR高崎線 籠原駅。
この駅の北ロータリーは広くて立派なのですが、なぜか周囲に目立った商業施設がなく、駅送迎の自家用車ばかりが目立つ、賑やかさには欠けています。
でも、駅前でのショッピングが目的でもないので、人混みがないことは大変結構。
店は駅からは北口側に降り、徒歩2分ほどと駅近です。
北東方向に歩いて、りそな銀行の裏手の道向かいの位置にありました。
まだ平日の20時前なのに、周辺は本当に人通りが少ないんですよね。
駐車場は、店の隣に10台分以上の用意あり。
おそらく人気繁盛店だろうとの予想に反して、先に停まっていた車が一台のみだったので、スペース的には楽々駐車できました。
ただ、駅近の割には周囲が妙に薄暗く、駐車枠のラインが見づらくて、車を停めるのに苦労はしましたが。
🌀外観と店内の様子
お店の外観は二階建てで、一般的なとんかつ専門店としては大型の建物。
二階は宴会用の広間になっているようです。
ちょっと小さめなファミレスくらいの規模ですかね。
店内に入ると、岩手県にある直営牧場の写真パネルが、壁にどどーん!
ここの他、深谷市内にも黒豚農場があるそうです。すげぇ!
ここは一体、とんかつ屋が先なのか? 農場が先なのか??
冷蔵ショーケースでは、自家農園製のハムやらベーコンやらも販売中。
ここまでやると、日高にあるサイボクハムのミニミニ版か??ってところですよね。
ただの平凡なとんかつ屋ではございません。
先に進むと、すぐに応対が丁寧な店員さんが出てきてくれて、テーブル席に案内してくれました。
内装は大正時代の小洒落た洋食屋をイメージしたような感じで、清潔感があり雰囲気は良い。
先客は、女性のお一人様を含め、アルコール抜きの2組のみ、静かに食事をされていました。
確かに平日の夜ではありますが、もっと混雑しているかもと心配していたぶん、ちょっと肩透かし。
混み合ってガヤガヤしている店は好きではないので、私にとっては居心地の良い店内です。
ランチどきの方が混む店なのかな?
カウンター席もあるので、お一人様でも気軽に来店できそう。
厨房の様子が見れるので、このカウンターが特等席かもしれません。
🌀メニューと料理
メニューを見ると、自家農場の「彩の国黒豚」を使ったロースカツとヒレカツがあって、
それぞれに上、(レギュラー)、小の選択ができます。
それぞれ肉のボリュームが違うのですが、上との違いが、グラム数だけの違いなのか、肉質にも差があるのかは聞きそびれました。
他にもチーズ巻カツや、メンチカツ、それに串カツなんてものもありますが、肉質自慢のとんかつ屋なら、正直、ロースとヒレのカツだけあれば十分でしょう。
ソテーやハンバーグもありますが、厚切りの豚肉には、やっぱり油で揚げる「トンカツ」という料理法が一番だと思うのです。
しかし、海老フライとのミックスフライや、黒豚カツカレーなんてメニューを見せられると、心を揺さぶられてしまうのも、また事実(喜)
少々迷いましたが、「初訪問の店ではオーソドックスに」の方針にしたがって、
私は、ジューシーで特有の甘みの「上ロースカツセット」(2,420円)、
同行の妻殿は、希少部位のさっぱり、やわらかヘルシーの「上ヒレカツセット」(2,530円)を注文しました。
ここでふと、テーブル上に目をやると、何やら案内書きが・・・・
それによると、
「とんふみでは普段、自営農場で肥育した黒豚を皆様にご提供させて頂いております。
ところが7月の半ばから、連日の猛暑のため、とんふみの黒豚農場の黒豚さん達が夏バテしまいました。(彩の国黒豚は通常の豚さんより、2ヶ月位長い飼育期間を要します。)やむを得ず、厳選した結果、群馬県沼田市産【尾瀬ポーク】をしばらくの間、彩の国黒豚と併用してご提供させて頂きます。」
とのこと。
えぇー何っ?、ここまで期待させておいて、自社農場産の黒豚を食べられないのぉ?!
お店のウェブサイトに、
「低タンパク低カロリーの餌でじっくり育てているので、脂肪がさっぱりした嫌味のない味になり、そこに旨みが蓄えられておいしくなる」
あるいは、
「黒豚は発育が遅く、大量生産には向きませんが、そのぶん味わい深くジューシーな豚肉となる」
などと、書かれていたのを予習してきていたので、これには落胆大(泣)
(←もっとも、よくウェブサイトをよく見れば、肉の仕入れ先の変更についても書かれていたのですが….)
確かに今年の夏も異常な暑さですし、これは仕方ないのかな。
しかし夏バテとは、黒豚ってデリケートなんですね。
群馬県も豚肉の名産地ですし、ここは頭を切り替えて尾瀬ポークに期待しましょう。
さて、運ばれてきた私の上ロースカツの断面を見ると、白く、繊維が密で且つ、細やかそうで、薄くはないけど驚くほどの厚切りにはカットされていない様子。
上ロースですから脂の旨味にも期待をしますが、脂身の部分は控えめな厚さで、ギトギト感はない見た目。
食べてみると、硬い筋などない柔らかな噛み応えで、脂の甘さにもさっぱり感がある、上質さを感じるトンカツです。
うん、旨い。
シェアさせてもらった上ヒレカツの方を食べてみると、こちらは厚切りにカットされた豚肉なのに、すっと歯が通って噛み切れてしまうくらい、とっても柔らか!
軽く感動するくらい、肉質の良さを感じます(喜)
代打の尾瀬ポーク、美味いじゃないですか!!
きっと、とんふみさんの自営農場の「彩の国黒豚」も、この尾瀬ポークと同じ傾向の肉質だったから、代わりにと選んだのでしょう。
こうなると、やっぱり自営農場の黒豚も食べてみたくなります。
また来いということなのですね(笑)
ロースもヒレも、それぞれの美味しさがあったので、次回もこの組み合わせで注文することになりそうです。
今回は車で伺ったのですが、節約のため高速道路を使わず、都下から国道254号と県道ときがわ熊谷線を経由してきたので、ここまで約60Km、2時間くらいの道のりとなりした。
ここから予約してある伊香保の宿までは、ご機嫌に快適な国道17号上武道路でスイスイと進めます。
川越周辺の渋滞を避ける抜け道を研究したいところですが、一応、道も覚えたし、また上信越方面に出撃する際には、また立ち寄りたいお店となりました。
【とんふみ 籠原本店】
■所在地 埼玉県熊谷市新堀781
■営業時間 11:00〜14:30(オーダーストップ)
17:00〜21:00(オーダーストップ)
■定休日 月曜(夜) 年末年始
■最寄駅 JR高崎線 籠原駅 北口下車徒歩2分
■駐車場 有り