JR国分寺駅周辺のとんかつ屋といえば、南口の「とんき」さんの名があげられますが、もう一店、口コミ評価の高いお店を見つけたので、予約して行ってみました。
こちらも南口から徒歩圏にある「名もなき小さなビスロ “とんかつの部”」さん。
お気に入りだった東大和市の勝亭さんが閉業してから、とんかつを食べに行く頻度が減ってしまいました。ここいらで新店を開拓したいところなのです。
🌀アクセス
「とんかつの部」の所在地は、国分寺市南町一丁目。
最寄駅であるJR国分寺駅からは南口側に降りた後、左(東)方向に真っ直ぐ坂を下り、国分寺街道との交差点を渡ってさらに歩いた先にあります。距離にして約670m、徒歩8分ほど。
近くにコインパーキングはありますが、店専用の駐車場はありません。
🌀外観と店内の様子
途切れ途切れに商店が並ぶ2車線歩道付きの道路沿い、二階屋の一階部分が店舗になっていました。
元は小さいながらも人気のあるビストロでしたが、昨年、店主自身のかねてからの希望により、とんかつ専門店に模様替えしたのだそうです。とんかつとフランス家庭料理とでは、随分とジャンルが違うような気もしますが、それだけ店主が多才で研究熱心だということなのでしょう。
壁からは、後から付け足されたような「とんかつの部」と書かれた小さな看板が張り出されていますが・・・
その下側には赤字で「Le bistro sans nom」(名もなきビストロ)とも書かれています。
・・・旧店名(?)の「名もなき小さなビストロ」と書かれたの看板の方が大きくて目立っているし、店の外観もビストロ風のまま。はたしてここは、ビストロなのかとんかつ屋なのか?
まぁ、日本のとんかつの起源は、フランスの「コートレット」(カツレツ)なのだそうですから、和風コートレット専門のビストロと考えれば、不思議はないのかな(笑)
店内に入ると、奥のキッチンを囲むL字カウンターがあって、そこに席は7つか8つあるのみ。
内装もビストロ的な見た目の小さなお店です。
ご亭主と女性のスタッフの2人体勢で迎えてくれました。
17時と早い時間帯での予約をしていたので一番乗りでしたが、後から予約の二組が来て実質満席状態。
早めの時間にふらっと来て座れればラッキーですが、席数の少ないお店なので、事前の予約を推奨します。そもそもビストロなので、特に夜は一杯飲みながら食事をする人が多いはずで、回転はよくないでしょうから。(HOT PEPPERグルメ でネット予約できます)
ランチなら昼前の早い時間なら行けそうかな?。満席で断られたら、駅方面に戻って「とんき」に並ぶ手もあるか。
🌀メニューと料理
メニューは壁に掲げられた手書きの黒板に。
全国の養豚場から、選りすぐりの銘柄豚を豚を仕入れている模様。
この日は、三右衛門(茨城)、ほそやのまる豚(群馬)、たけし豚(宮城)、純粋デュロック種(群馬)の4銘柄。
いずれのブランド豚も、食べたことも聞いたこともなかったのですが、調べてみると・・・
・三右衛門は、こだわり抜いた飼料で育てた山西農場のブランド豚で、柔らかな肉質と良質な脂が特徴。
・ほそやのまる豚は、きめ細やかな赤身の中に、あっさりとして甘みを感じる“サシ”が入った、美しくてオイシイ豚肉。
・たけし豚は、イタリアンのシェフ自身が理想の豚肉を求め、自ら通常の2倍の飼育期間をかけて育てた放牧豚で純白に輝く脂身。
・純粋デュロック種は、赤身の中に脂肪が入り込んだ霜降り肉になりやすい赤毛の豚で、脂身には甘みがありつつもさっぱりした味わいが特徴。
・・・とのことで、いずれも軟らかな肉質と上質な脂身が特徴のようです。
これらのブランドと、ロース、リブロース、ヒレなど部位の組み合わせまで考えると、どれか一つを選ぶのはナカナカに困難。ロースもヒレもどれも食べてみたくなります。
悩みつつメニューを眺めていると、一番下の行に「プレミアム お任せ3種盛り 4,000円」なるものを発見。
「そうだよね、みんなどれも食べたくなるよね」と納得し、少々贅沢かなとも思いつつ、こんな食べ比べができる機会はそうないだろうと判断してこれを選択。
この日は、三右衛門のヒレ、純粋デュロック種のリブロース、上ロースがほそやのまる豚だったか(たけし豚だったか?)です。種類が多いので、どれが何だったか?すでに覚えきれなくなってます(笑)
注文が終わると、テーブルに塩と煮切り醤油にソース、それに浅漬けが並べられました。
タイマーで几帳面に時間を測りながら、肉ごとに「揚げる」「休ませる」を繰り返すとても丁寧な仕事振りです。3種類のトンカツを同時に2人分揚げているので、とても忙しそう。
待っている間、運ばれてきたのはキャベツの千切り。
小瓶に入れられたフルーティーな自家製ドレッシングをたっぷりかけて食べると、これがすこぶる美味い!
キャベツは一回だけお代わり無料だったかな?
もちろんお代わりしましたが、危うくドレッシングを一瓶、使い切ってしまうところでした(笑)
ふっくらと炊かれた白いご飯は小振りな茶碗によそられて、これも一回(?)お代わり自由。
3種盛り合わせのとんかつは、わずかに赤みが残る絶妙な揚げ具合を誇るかのように、皆、切り口を上に向けて並べられています。
うーん、実に美味そう!
真ん中のヒレはわかるのですが、右側が上ロースで、左がリブロースだったかな(?)、脂身が2本入っているし(?)
まず上ロースの脂身の多い部分から。
なんとも綺麗な脂身です。
食べてみると、口当たりがとても柔らかく、サラサラとした脂が滲み出してサッパリとした旨味みとなって口に広がる、とても上質なロース肉であることがわかります。ネットリとした脂ではありません。サクッと、歯に肉の繊維が抵抗することなく簡単に噛み切れます。これは、そんじょそこらの肉屋で売っている豚肉ではありませんね。
サラサラではあるけれど脂身たっぷりなので、多めに芥子をつけても美味いです。
豚肉も極めると、こんなにもさっぱりとした脂身を纏った柔らかな肉質になるのですね。
これまで食べたことのないような、一段ハイレベルなロース肉で驚きました。
しかしこれが、「ほそやのまる豚」だったか、「たけし豚」だったか覚えていないんですよね(痛恨!)
続いて、リブロース。
違う銘柄豚なので単純に部位毎の味の比較はできませんが、先ほどの上ロースと比べると、しっかりとした歯応えがありました。
比べると脂の口溶けも穏やかな感じで、赤身の肉肉しい味わいとのバランスも良好です。
最後にヒレ。
これはもう、見た目通りの柔らかで繊細で均一な肉質。上質なヒレ肉らしい美味しさです。
上ロースもリブロースも、サッパリとした溶け出すような脂身ではありましたが脂身は脂身。後から急に満腹感がやってきました。
そんなときでも食べ進められるヒレ肉の安心感よ!
注文時にご亭主から「プレミアム3種もりは量が多めかもしれません」と聞いてはいたのですが、確かに満腹になりました。
私の胃腸も若くはないようなので控えめにすべきなのはわかっているのですが、並べられたら色々食べてみたくなるのは仕方ないですよね(笑)
次回は、妻殿とロースとヒレを一人前づつ注文して、シェアして食べようかな。
一農場だけで生産しているような、各地の希少な銘柄豚を味わえて大満足。
甲府の美味小屋さんも、こんな風にいくつかの銘柄豚の中から選べるスタイルでしたね。
席数が少ないお店なので、空腹で通りがかったときにふらっと立ち寄れる手軽さがないのが残念ですが、ここでしか口に出来ない銘柄豚のとんかつを味わえるはずです。予約して是非どうぞ。
【名もなき小さなビスロ とんかつの部】
■所在地 国分寺市南町1-13-3
■営業時間 11:30 – 13:30 17:00 – 20:30
■定休日 月曜日
■最寄駅 JR中央線 国分寺駅 南口下車 徒歩7分
■駐車場 なし(周辺にコインパーキングあり)