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赤湯温泉 上杉の御湯『御殿守』@山形県〜 元上杉家の温泉別荘に泊まったけど、辛味噌ラーメンは食べ損ねた話

2025年の山形旅行の締めくくりは、米沢市の北方にある赤湯温泉へ。
宿泊したのは、『上杉の御湯 御殿守』さん。

元は、赤湯御殿と呼ばれていた米沢藩上杉家の温泉別荘で、その頃からだと380年の歴史をもちます。
明治維新後、御殿守という米沢藩の役職で代々世襲し管理してきた家が、上杉家から御殿を譲り受け、旅館として開業したとのこと。そんな歴史を知ったら、一度泊まってみたくなるってもりです。

旅館のすぐ北側は、春の千本桜が美しい烏帽子山公園

米沢盆地の本当に北端部、山形盆地との出入り口に位置いています。
関ヶ原の戦いの後、会津120万石から米沢30万石に大減封された上杉家ですから、温泉御殿なんて保養施設をよく運営できたものだと思いましたが、本当は有事の際に裏手の烏帽子山に砦を築き、北の守りとするための拠点だったのではなかろうか?、知らんけど。歴史物が好きにとっては、そんなことを想像するのが楽しいのです。

現在の建物は、残念ながら赤湯御殿の面影はなく、赤タイルの(赤湯だから?)の近代的な建物となっています。


宿に入ると、談話室に通されてチェックイン。


大浴場の場所など案内されながら、早速、客室へ。

客室露天風呂など付いていない、一般客室を予約してあります。

10畳間に広縁などが付いた、二人で泊まるには十分な広さの客室。

窓の外を見ると、もうすぐそこに烏帽子山の斜面が迫っています。
展望のある部屋ではありませんが、春には丘の上の桜を眺められそうです。

卓上には、つや姫入り煎餅と一口饅頭。

お茶珈琲のセットもあって、不満はなし。

お茶を飲んで一服したら、すぐひとっ風呂つかりに行ってもいいのですが、この宿内には、ちょっとしたお楽しみ的なサービスメニューが幾つかあるようなので、一階に降りてみます。


まずは売店から。

規模は大きくありませんが、先ほどの「つや姫入りせんべい」が気に入ったので、お土産に購入。


次に入館したときにも勧められましたが、上杉家の伝統のおもてなし「お着き酒」を一口。
来客があると、まず一献すすめるのが上杉家の伝統らしいので・・・伝統なら守らざるをえません(笑)


こちらはロビー。新聞なども置いてあります。

先ほどの談話室もそうでしたが、座って自由に寛げる空間が多く、客室以外の場所でもノンビリ寛げるのが、この宿の特徴かもしれません。


こちらのサーバーは、置賜地方の4つのワイナリーのワインの試飲サービス

隣駅の高畠にあるワイナリーは、有名ですよね。

せっかくのお気持ちですから、4つとも飲むしかありません(喜)

さすが酒好きで有名だった謙信公以来の御家風なのか、客に「酒が足りない」とは言わせないようです。


ここから中庭に出ると、旅館の外周をぐるっと回る散策路に出られます。

傍に咲く桔梗の花が綺麗。

先に進んで館の裏手、烏帽子山の際の狭い通路を抜けていくと・・・

・・・昔、横井戸として使っていた「龍穴洞」という横穴があります。

ここがパワースポットらしいので、中に入ると何かご利益があるかも(笑)

狭く薄暗い横穴を、背を丸めて進んで行くと、パッとライトが点灯して、水が湧く最奥部に着きます。

側の箱の中にカードが入っているので、一人一枚取ってフロントで渡すと、記念品と交換してくれます。

狭い通路をさらに進み、急な階段を登り切ると、小さな鳥居と咲き残る紫陽花の花が迎えてくれました。

その前には、大きな岩をくりぬいた足湯

小高い場所にあるので、赤湯の町を見下すことが出来ます。


再び館内に戻って、こちらは上杉謙信・景勝・鷹山公らの資料が展示されている資料室「時の倉」

資料室の前にも、座って寛げるラウンジあり。

資料室では、戦国武将の甲冑レプリカを試着できるサービスもあります。

武田信玄とか伊達政宗とか、上杉家と敵対関係にあった武将の甲冑もありますが….まぁ、いいか。

歴代藩主の中でも、特に上杉鷹山公がこの赤湯御殿を愛して滞在していたそうです。
その書も展示されていますが、うん、読めない(哀)


そんなこんなしていると、結構な時間になってしまいました。
夕食前にゆっくり温泉に浸かりたいので、大浴場へ。

画像「じゃらん」より

東の湯と西の湯があって、時間帯によって男女入れ替えとなります。
内風呂と露天風呂があって、露天風呂は浴槽がいくつもあって広々としています。巨石をくりぬいた岩風呂や、ひばの丸太をくりぬいた丸木風呂などがありますが、東も西も構成は大体同じ。

画像「じゃらん」より

泉質は、弱アルカリ含硫黄-ナトリウム・カルシウム・塩化物で、切り傷や打撲、冷え性等効能があるそうですが、入ってみると、ほぼ無臭無色のさらっとしたほぼ単純泉のように感じます。

伝承によると赤湯温泉は、後三年の役後、源義家の弟である源義綱が陸奥守に叙任され、隣の出羽国の反乱を鎮圧した際、その家臣達により発見され開湯したとのことですから、1000年以上の歴史があります。

赤湯という名前は、傷ついた兵たちが療養のためお湯につかったところ、傷口から血が滲んで真っ赤に染まったことが由来となっていますが、そういつも大量の傷病兵が療養していたはずもないでしょうから、実際には、その昔は硫黄か鉄分の含有量が多くて、今のような透明なお湯ではなく、濁った色の御湯だったのではないでしょうか。
そうだとすると、その後の上杉家の御殿湯であったときには、どんな泉質だったのかな。ちょっと気になります。


入浴後は、この地方の民話を視聴できる「民話の部屋」で一休み。

ここでは、ラムネの無料サービスがあります。
もう夕食も近いので、甘いものは控えるべきなのですが、無料と聞いたら、飲まざるをえません!


夕食の時間となったので、レストランへ。

なんてったって山形ですからね、期待通り山形牛がスタンバイしています(喜)

前菜には、わらびお浸しじゅんさいといった内陸の置賜地方らしい山の幸に、ミル貝酢味噌、カレイ西京焼きなど。

お刺身は、カンパチ、タイにサーモン。

漁港が近い海沿いの温泉旅館の刺身と比べると、鮮度や種類の面で劣るのは仕方ありません。
それでも、このカンパチなんて脂がのって色も良いし、ナカナカのお味。

続いて蓋物。器が綺麗だと、気分があがりますね。

蓋を取ると、鰻おこわ蒸しがでてきました。

鍋物は、お待ちかねの「山形牛すき焼き」

山形牛は、米沢牛よりもまろやかで上品な味が特徴であると聞きますが、肉ごとのランクもありますし、私には見分けがつきません。

最上級の米沢牛となると、流石にもっと霜が降って脂身の甘味が濃厚、赤身の肉質もきめ細やかで、一口食べて「さすが!」と思わされるものがありますが、これでも十分に柔らかくて美味しいお肉です。

焼物の方は、山形牛の石焼

「これでもかっ!」というくらいに、自慢の山形牛を推してくるところは好印象。

これはちょっと、焼きすぎちゃったかな?

次はくち直し的に、郷土料理「置賜伝承料理 冷汁」

山形の冷や汁は、季節の野菜を細かく切って、冷たい出し汁をかけたもの。
上杉謙信の出陣の時の献立の一つであり、後に上杉鷹山が広めた料理と言われているそうです。郷土の伝統ある料理を味わえて嬉しいです。

締めの食事は、山形米つや姫鱧の吸い物、それと漬物二種

私は、銘柄米の中では、山形のつや姫が一番好きなので、これも嬉しい。

デザートには、マンゴームースのメロン載せ。

はい、満腹です。美味しゅうございました(喜)


もう満腹なのですが、なんと談話室「ケーキ無料サービス」を19時から21時の間にやっているのです。

セルフサービスですが、珈琲などの無料サービスもあり。

健康管理上、カロリー摂取はそこそこに抑える必要があるのですが、サービスの一貫ですから食べないとね(笑)

部屋の隅にある、この真空管アンプの音も聞いてみたかったけど、夜は鳴らしてくれないよね。これは残念。


ゆっくり休んで、翌日の朝食はこちら。

こんなふうに、ご飯のおかずを少量づつ、綺麗に小分けして何種類も用意してくれる朝食って大好きです。

朝のバイキングって、内容が充実していたとしても、どうにも忙しなくていけません。

暖かくて消化がよさそうな湯豆腐もあります。

こちらは上杉鷹山公が、保存性がよく、主食となる穀物の「糧(かて)」(=添え物)となる食物の研究を命じ、栽培を奨励した「糧もの(かてもの)」
江戸時代に度々あった凶作による飢饉に備えるための救荒食物です。

上から反時計回りに、うど(独活の大木のうど)、ひょう(夏の畑地に自生する野草)、くきたち(油菜の茎を干したもの)。
ビタミンDなどの栄養もあるようですが、山菜が好きな方なら単純に喜んで食べられる味です。
この他、米沢では山菜のうこぎを生け垣にすることを奨励していたとも聞きますね。

汁物は、山形名物の芋煮

海側の庄内地方では味噌味、置賜地方など内陸側では醤油味なんだそうですけど、ここ米沢では確かに醤油味ですね。郷土色を感じられ、目にも楽しい、満足感のある朝食でした。


時間と体力に余裕があれば、烏帽子山公園や赤湯の町を散策して帰りたいところだったのですが、この後はもう、350km以上車で走って帰宅しなくてはなりません。

それに、旅行中、炎天下歩き回ったせいか、ドライビングシューズの靴底が突然剥がれて壊れてしまいました(泣)
裸足で長距離運転するのも危ないので、どこかで運転しやすい靴を調達しなければなりません。Google先生に聞いてみると、ほんのすぐ近くにあるショッピングセンター内に靴屋があることがわかりますした。そこに行ってスムーズに調達することができ、ヤレヤレ。

赤湯は小さな温泉町なのですが、今は全国津々浦々、至る所にイオン系のショッピングセンターがあるのですね。どこにいってもイオンばかりが繁盛して、全く面白味がないものだと常々思っているのですが、この日ばかりは大変助かりました(喜)


今回は時期も違うし、そもそも散策すらできませんでしたが、烏帽子山の桜は殊に見事で、御殿守の屋上からも眺められるようです。赤湯温泉には、春の桜や、秋の紅葉の時期にくると、もっと景色を楽しめそうです。

画像「じゃらん」より

もう一つ、せっかく赤湯温泉に泊まったのに、食べ損ねて心残りだったのが、ラーメン消費量全国一位の山形県にあって、知名度ナンバーワンと言って良いほど全国的に有名になった、昭和33年創業の老舗、龍上海から味噌ラーメン
お店の味と全く同じではないとしても、どんな味だったのか確認したいと、帰宅後、Amazonで取り寄せてつくってみました。

ネット上の口コミを見ると、「味は近いけれども、パンチとコクが足りない」とのことだったので「にんにく背脂」の瓶詰めも購入してスープに投入。

写真に似せてトッピングしてみましたが、ナルトを買っていなかったのて、代わりに茹で玉子を入れてみました。あっ、青のりもないや。でもまぁ、こんな感じかな?

ベースのスープは、札幌ラーメンのようなこってり味噌味ではなく、表面に脂は浮いているが、とんこつ、鶏ガラ、魚介系が合わさったマイルドな味。

ここから、この真っ赤な辛味噌を溶いて味変していくんですね。

「それほど辛くない」との口コミを見たのですが、蓮華の中で少しスープに溶いてみると、
けっこー辛いじゃん!

辛味噌の中にニンニクや胡麻油も入っているようで、パンチもあるし、さらにオイリーなスープになってきました。別途購入した背脂ニンニクも追加したしね。

本店で食べる麺は、モチモチと腰がある、太めで縮れた手打ち麺なんだそうですが、お取り寄せ品の麺は、縮れが弱め。でも、噛みごたえのある麺で確かに美味しい。

太麺と、脂の旨味が濃いスープの組み合わせという点で言えば、二郎系のラーメンと共通している気がしますが、あそこまで過激なボリュームではないので、私でも完食可能。美味しいじゃないですか(喜)

秋冬の肌寒くなった頃に、昼飯に龍上海のから味噌ラーメンを食べ、烏帽子山公園の紅葉を眺めてからチェックインして温泉につかる….なんて、最高のプランだと思います。でも、ネットでお店の口コミを検索してみると、龍上海は有名になり過ぎて、特にここ赤湯本店は休日2〜3時間待ちが当たり前なんだとか。
う〜ん、私はそんなには待てないなぁ。もう少し店の人気が落ちて、並ばずに食べられるようになるまで、このAmazonの取り寄せラーメンでもいいかな。そんな日がくるかどうかは知らんけど(笑)


【上杉の御湯 御殿守】(うえすぎのみゆ ごてんもり)
■所在地   山形県南陽市赤湯989
■最寄駅   山形新幹線つばさ 赤湯駅 東京駅から約2時間30分
■予約サイト
「じゃらん」で御殿守を見る
「一休.com」で御殿守の予約情報を見る



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