小平市周辺では、鍋焼きうどんが美味しい店として古くから定評のある
『手打ちうどん 平作』さん。
真冬の寒さに負かされかけた体を癒そうと、久しぶりに熱々のうどんを食べに行ってきました。
🌀アクセス
手打うどん平作さんの所在地は、小平市花小金井8丁目。
青梅街道沿いにあって、西武新宿線との踏切の東側、公立昭和病院と武蔵野神社との間に位置しています。
最寄駅は、西武新宿線の花小金井駅になりますが、歩くと15分程かかります。
駐車場は店の敷地内に20台分弱くらいのスペースがあるので、車で行くのが便利です。
しかし、地元では有名な人気店なので、これだけ駐車場があっても、昼のピーク時には満車となっていることが多々あります。
踏切の直近でもあるので、駐車場待ちの路上駐車などはもってのほかの通報もの。満車の時は潔く諦めるか、ぐるっと一周どこかを回ってから、もう一度来ることになります。
また、踏切手前側は渋滞して車が連なっていることが多いので、右折出庫も難しい。
このあたりが、ちょっと面倒な立地ではあります。
🌀外観と店内の様子
店は、東隣にある武蔵野神社のほとんど境内にあるかのような立地。
店の外観は、10年ほど前までは古い平屋の茶屋風古民家で、隣の神社の雰囲気と相まって、それはそれは風情がありました。
まるで大昔から、参拝客用の茶屋として続いていたかの様に見えましたが、流石にそこまで古くはなく、開業は1965年とのこと。それでも60年の歴史があります。
今は老朽化により建て替えられ、大きなビルの一階部分を店舗としていますが、入り口周りは旧店舗の面影を思い出させる造りとなっています。
店の前の曲がりくねった桜の大木も、旧店舗の頃のまま。
ピークの時間帯には行列ができる店なので、新店舗の入り口横にベンチを据え付けてくれていて、その前に石油ストーブも置いてあります。
この辺り気配りは、とってもお客フレンドリー(喜)
ここでの席待ちの状況は、店内の監視モニターで確認してくれているし、時々店員さんが様子を伺いに来てくれているので、並んだまま忘れられて放置されることもなさそう。
私たちが入店したのは週末の12時ごろ。ギリギリ待つことなく席に案内してもらえましたが、その後すぐに満席となりました。それでも外で並んでいるのは多くても2組程度で、皆それほど待たずに中に入れたようです。
店内は、広い空間に2人掛けと4人掛けのテーブル、それにカウンター状の席が並んでいて、席の間には感染対策のアクリルボードが立てられています。奥には小上がりの席もあって、座卓は3つかな?
小上がり席は、主に子供連れの家族客が案内されているようでした。
椅子や机は新しくなりましたが、古い大衆向けうどん店的な内観で、旧店舗の雰囲気が僅かながら残っています。
ホールは、古参の大女将と、その他女性スタッフ2名の態勢で回されていて、明るく大きな声で対応してくれていているので気持ちが良い。何番テーブルの注文はとったか?、あちらのテーブルにお茶は入れたか?などと、互いに確認し合っている様子があり、チームワークも良好です。
待っている間、暇なので覗き込んでいると、茹でたうどんの量を几帳面に秤に載せて重さを確認していたのが印象的。忙しい人気店なのだから、そんなものは目分量なのかと思っていましたが、これがお客とのトラブル防止の秘訣なのか、きっちりした経営をするために必要なことなのか、あるいはただ性格が几帳面なだけなのかは、飲食店で働いたことのない私には解りません(笑)
🌀メニューと料理
メニューを見ると、もり、かけ、たぬき、きつね、月見、肉南蛮、天ぷら・・・など、一般的なラインナップが揃っていて、他に珍しいところでは、すいとんなんてものもあり。
うどんは鍋焼き以外は、200円で増量可能。鍋焼きだけうどんの増量ができないのは、単純に量が増えると鍋に入りきれなくなるからですね。
しかし、昔からこの店の名物は、なんと言っても「鍋焼きうどん」。
真夏の炎天下ならいざ知らず、冬に平作に来たのなら注文の最有力候補となります。
他のお客さんの注文状況を聞いていると、半数ぐらいが鍋焼きうどんで、あとは、冷たい盛りうどんと温かいかけ系のうどんをダブルで注文する人も多かったですね。
実は平作さんに来るの10年振りくらいで、建て替え後は初訪問だったこともあったので、
王道の『鍋焼きうどん』(1,500円)を注文。
お茶とおしぼりと一緒に、待っている間につまめるようにと、揚げたうどんをサービスで持ってきてくれました。
ちょっとしたサービスなのですが、気遣いが嬉しくなります。
熱い蓋を花番さんが取ってくれると、中は出汁がグツグツと沸騰した状態で、これは美味そう!
具材を見ると、なぜか最初から衣が分離されている海老天が一尾。これは身がしっかりしていて美味。
他には、お麩とホウレン草、ナルト、ネギがトッピングされ、真ん中の天かすの下には生玉子が隠されていました。
さらにその下には、伊達巻き、かまぼこ、椎茸、ごぼう、タケノコが埋まっていて、うどんの下にはお餅まで。
普通なら見た目を豪華にするために、トッピングの具材は一番上に並べてアピールするものでしょうに、そんなことは気にしていないようです。これが老舗の余裕か貫禄か。
伊達巻は甘みがあって美味しいし、椎茸は厚みがあって旨味濃厚、
それにこの牛蒡はよく味が染みていて、驚くくらい柔らか。
出汁汁を飲んでみると、見た目は澄んだ薄めの飴色で、味は思ったよりも薄口。
もう少し鰹出汁を効かせたり、天かすを増やして油の旨味を足したりした汁のほうが、私の好みではあります。
10年ぶりくらいに食べたものだから、前からこのくらい薄口だったか? 久しぶりすぎて記憶も曖昧。もしかしたら、自分の味覚のほうが変わったのかな。隣が大病院だから、塩分控えめの健康志向にシフトした….なんてことはないよね(笑)
うどんは、コシが適度にある比較的細打ちで透明感のある麺です。謂わゆる「武蔵野うどん」としてイメージされている、太くて硬くて地粉色で、ガシガシ顎が疲れるほど噛んで食べるような饂飩ではありません。
もっとずっと食べやすいものなのですが、逆に言うと特徴が薄い饂飩と言えるかもしれません。
武蔵野うどんってものは、昔から米のとれない武蔵野台地上の各家庭で、それぞれ好き勝手に家庭料理として打たれていたうどんがルーツですから、元々太いのやら細いのやら、色々なうどんがあって当然だとは思います。近くの「小平ふるさと村」の糧うどんも、それほど硬くも太くもないですからね。これはこれで郷土の味。
盛り沢山な具材の量と比べると、うどんの麺のボリュームは少なめ。
でも、具材には小さな餅まで入っているので、私は十分満腹になりました。
熱々の鍋焼きうどんを食べ進めると、だんだんと体が温まってきて、汗が出てきました。
食べに来る前は少し体が重くて、寒気もしていたのですが、温かくて消化の良い鍋焼きうどんを食べて汗をかいたら、なんだか体調がよくなった気がします(喜)。でも、ひょっとしたら、ついでにお参りした隣の神社のご利益もあったかもしれませんが(笑)
初めて平作さんでうどんを食べたのは、もう30年近く前のこと。地元の友人に紹介され一緒に行ったのが最初です。
既に開店から30年は経過していた頃で、その時すでに友人は「昔は今よりもっと美味かった」なんて言っていたのを思い出します。
世界最古の文字が書かれた粘土板を解読したら、「昔は良かった。近頃の若者はなってない。」と書かれていたそうだから、それに類する話かもしれません(笑)
ここ最近、平作に行っていなかったのは、旧店舗から建て替えられて、あの特別な風情がなくなってしまったことと、昼しか営業していない踏切近くの人気店なので、行列や渋滞が嫌いな身としては、足が遠のきがちになってしまったことから。
しかし、同じ青梅街道沿いにあった老舗のうどん店の関根屋さんも閉店してしまったことだし(泣)、老舗だからといって、いつかなくなってしまわないとも限りません。もう少し暖かくなったら、今度は冷たいもりうどんの味を思い出しに、行ってみようかと思っています。
【手打うどん 平作】
■所在地 小平市花小金井8-26-19
■営業時間 11:00-14:15
■定休日 木曜日
■最寄駅 西武新宿線 花小金井駅
■駐車場 あり