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手打うどん「指田屋」@小平市〜水道道路沿いで昔ながらの糧うどん


7月最初の週末、遅ればせながらアジサイの花を見に小平市内にある「あじさい公園」まで出かけてみました。

「あじさい公園」は西武新宿線小平駅を南口側に下車し、線路に並行する多摩湖自転車歩行者道(水道道路)を東に5分ほど歩いた先。

今年はコロナ騒ぎで外出を躊躇しているうちに、紫陽花の時期も終わり近づいてしまいました。

だいぶ花の数は減ってしまいましたが、それでも色鮮やかな花が幾つも残っていてくれました♪

それ程知名度のないローカルな公園ですから、人出が多くないところも気に入っています。

来年は、6月の最盛期に来たいですね。


さて、そのあじさい公園からさらに1〜2分、東へ歩くと見えてくるのが・・・

手打ち武蔵野うどん「指田屋」さん。

数年前までは青梅街道沿いにも本店?(姉妹店?)があった、小平市内では老舗の手打ちうどん店です。

出かけて来たのは紫陽花が目的だったか?、うどんが目的だったか?
まぁ、セットにするとより楽しいので、休憩がてらランチにしましょう。


🌀アクセス

指田屋さんの所在地は、小平市天神町2丁目

最寄駅西武新宿線・小平駅で、南口を下車後、多摩湖自転車道を東へ徒歩7分ほど歩いた先。
車の通らない自転車歩行者道を、散歩気分で歩いているとすぐに着きます。

店専用の駐車場も店の横に2台分用意されていますが、南側から入ってくる道が分かりづらいので、
車で来るなら事前に地図で道順を調べておく必要がありそうです。


🌀外観と店内の様子

青梅街道沿いiにあった本店とは違って、外観は建坪が10坪程に見える小さな一軒家です。

14時頃の到着で、先客はなし。
そろそろ店を閉めようとしていたのか、女将さんが店頭の掃き掃除を始めていましたが、気持ちよく迎え入れてくれました。

席は囲炉裏を切った大テーブルの周りに、一辺3席×4=12席があるのみ。
こじんまりとした店内です。

内装は、囲炉裏に吊り下がった自在鉤が目を引を民藝調。
昭和の前半頃の峠のお茶屋さんといった風情で(まだ生まれてないので知りませんけど)、とても趣があります。
休日に遊歩道をそぞろ歩きしながら立ち寄るのには、絶好の雰囲気を持っています。


🌀メニューと料理

メニューを見ると、冷たいもりうどん系と、温かいかけうどん系が数種類づつと、野菜天ぷら、デザート的な焼き団子があるのみ。

うどんの量は、大盛が150円増し、中盛が100円増しとなっていて、「何玉」と表記されるより分かりやすくなってます。

もりうどん系には、プレーンのもりうどん、海苔付きのかけうどん、定番の肉汁付きうどん、それに特製つけ汁カレーうどんがあって、
かけうどん系には、かけ月見カレーの4種類があります。
女将さん一人で切り盛りしている小さなうどん専門店ですから、これだけの品揃えがあれば十分でしょう。

薬味には、七味唐辛子と定番の炒りゴマが用意されていて、こんなところも武蔵野うどんの定席通り。


ちなみに、お水と食後のお盆下げはセルフサービスとなっています。

注文したのは、オーソドックスに武蔵野うどんの定番、
「肉汁付けうどん」(630円)

注文後、グツグツとお湯の沸く音が聞こえてきて、6〜7分後くらいで配膳されました。

うどんはテラッと艶が良く、乳白色したやや幅広の麺で、適度に縮れがあります。
汁によく絡みそう。

肉汁は、所謂「武蔵野うどん」として人気のある近隣の店と同様、濃い醤油色の出汁にバラ肉が数枚浮いたもの。

肉汁を少し飲んでみると、他店と比べて出汁が弱めで、なんと言うか家庭的で素朴な味。
多分、これが昔ながらの農家の家庭の味なんでしょう。
もの足りなかったら薬味のネギと生姜、それに炒りゴマを投入して調整できます。

うどんの量の方は、やや少なめの盛り。
少食気味の私には適量ですが、男性は中盛りか大盛りを注文した方が無難かも。
なに、大した料金差ではありません。

うどんを口に運んでみると、他の武蔵野うどんの有名店のようなガシガシの固さまではなく、でもしっかりしたコシはあります。
啜り込むには丁度良い太さで、塩味と小麦粉の旨味が感じられ、これはなかなか旨いうどんです!

もっとゴワッと硬くて、ガシガシ噛んで食べるような太麺を辛めのつけ汁で食べる、いわゆる「武蔵野うどん」スタイルの味も好きなのですが、老若男女、普通に先入観なく、誰もが食べやすくて旨いと思えるうどんって、こんな感じのうどんなんだと思います。

この日はもう他にお客も来そうもなかったので、どうやら話好きらしい女将さんが色々と教えてくれました。
・小平辺りでは水田を作れなかったので、農家は主に小麦の栽培と養蚕業を営んでいた。
したがって農家は小麦でうどんを打って食べることが多かった。
・鶏肉は食べたけど、昔は豚肉なんて滅多に食べなかったので肉汁なんてものはなく、糧(かて)=野菜を添えてうどんを食べていた。
・豚は業者が子豚を売りに来て、農家が野菜屑などで育てて大きくなった頃、また買取に来ていた。
(売り物だから、普段は豚肉は食べたりしない)
・うどんは毎日手打ちしている。昔からそれぞれ家で工夫して打っていたので、原料は小麦粉と水と塩だけなのに味は他とは違ってくる。
・うどんも最初の一口は汁をつけずに、そのまま食べて味を確かめてくれると嬉しい。
・蕎麦と違って、うどんの茹で汁は塩分が濃い。蕎麦湯のように飲むのは体に悪い。
・目の前の水道道路を建設するときには、まだ人力主体で掘っていたので、近隣や親類の人達が稼ぎに行っていた。
・昔は畑ばかりだったので、春の大風の後は、砂が屋敷に入り込んで拭き掃除しないと家に入れなかった。
・このあたりの団子は、うるち米の米粉だけで作っているのですぐ固くなる。子供の時はあまり好きではなかった(笑)
・多摩から所沢にかけて、団子の作り方はほぼどこも同じ。
等々、歴史的な生の証言(大袈裟か(笑))が聞けて楽しかったです。

・・・という訳で、どうやらこの店のうどんは、昔ながらの本物の糧うどんのようです。
以前、小平ふるさと村で食べた小平糧うどんとも、食感や味が少し異なっているところが興味深い。
同じ小平の昔ながらのうどんであっても、本当に家庭毎に味は異なっているって事ですね。
妻殿が素朴な感じの野菜天ぷらを注文していたのに、写真を撮り忘れたことは痛恨。

では、次に来たときには、より本来の味に近い、盛りうどん+野菜天ぷら+焼き団子の組み合わせで食べてみようかな。


食後は、もう一度あじさい公園に戻って軽く散歩。
池沿いに紫君子蘭(アガパンサス)や、

百合、蓮などの花が咲いていました。
規模は大きくないけれど、そこそこ花が見れて満足。

そろそろ疲れてきたので小平駅前まで戻り、永田珈琲でもう一休み。

あじさい公園の隣にはカフェ ラグラスもあるし、花の時期には散歩が楽しい一角です。


手打うどん【指田屋】
■所在地   小平市天神町2-334
■営業時間  11:00-15:00頃
■定休日   月・火
■最寄駅   西武新宿線 小平駅
■駐車場   有り



 

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