群馬県の神流川恐竜センターで恐竜化石を見た帰り道、そのまま帰っても良いのですが、久しぶりの遠出だったので、ゆっくり旅館で一泊していくことにしました。
第一希望は神流湖畔にある、眺望と料理が自慢の宿『茜彩庵 山水』だったのですが、調べてみると12月の週末はすでに満室。
茜彩庵山水リンク
国内旅行の需要は、コロナ規制後、完全に回復したと言うか、むしろもっと増えているような気がします。甘く見ていました。
もっとも、旅行支援があった頃の混み方もメチャクチャだったと思いますけどね。
長瀞観光の拠点 旧かんぽの宿
それではと、もう少し範囲を広げてどこかないかと探してみると、一山越えた秩父側に、まだ空室のある良さげなホテルが見つかりました。
それが元かんぽの宿で、事業譲渡され再出発した『亀の井ホテル長瀞寄居』さん。
所在地は寄居町内ですが、長瀞町との境に近い荒川を見下ろす丘のあり、秩父観光にも適した立地です。
北側の裏手には円良田湖という人造湖がありますが、調べてみると釣り客以外には対応が悪く、雰囲気も良くないそうなので、立ち寄り地候補からは早々に除外。
このホテルに魅力を感じた一番の点は、温泉がph9.6のとろとろアルカリ性単純泉で、口コミでの評価も高かったところ。
(『じゃらん』予約ページへ)
次に、朝食バイキングがそれなりに充実していそうなところ。
ただ、多くの元かんぽの宿がそうであるように、ここも眺望の良い丘の上にあって立地も良いのですが、高級指向のホテルではありません。そのつもりで予約をいれました。
神流川恐竜センターからは山間部の2車線道路をスイスイ順調に走ってきたのですが、それなりに距離はあったので、ここまで1時間以上かかってしまいました。
明るいうちに宿に着き、景色を見ながら温泉に入りたかったのですが、残念ながら到着時には外はもう暗くなってしまいました。
客室の様子
予約したプランは、部屋はバスなしの和室ツインルームで、食事に「まぐろの刺身食べ放題」がついたプラン。
料金は、一泊二食付きの2名一室で、1人当たりほぼ20,000円。
週末とは言え、元かんぽの宿のイメージからすると、思いの外強気な料金設定だと感じますが、昨今の物価高や人手不足などを考えると、妥当なところなのでしょう。それに、マグロの刺身だけ大量に食べられるものではありませんが、お刺身食べ放題もついていますからね。
チェックインを済ませて部屋に入ると、ダブルサイズのベッドが2つ並ぶ畳の間。
広さは35㎡あるので、2人ならゆったりと快適に過ごせる十分な広さ。
畳敷の和室ではあるけれど、最初からベッドがセットしてあるので、布団を敷きにホテルの人が部屋に入ってくることがなく、こちらも気を使わずにすんで合理的。一方で旅館の風情には欠けますが。
綺麗に整った部屋で不満はないのですが、レースのカーテンだけが妙にくたびれていたのが残念。
まぁ、最初から高級旅館だとは思っていないので、それほど気にはなりません。
水回りなどは事業譲渡時に改装したはずで、新しくて清潔感があります。
洗面台横には、電気ポットと緑茶のパック、お茶菓子のクッキーが用意されていました。
備え付けの冷蔵庫の中には何も入っていませんが、館内にジュースやビールの自販機があるので不便ではありません。値段もそれほど高くない。
浴衣やアメニティ類は、一階の棚から必要やものを選んで持っていくシステム。
このあたりのシステムも合理的。
ph9.6 アルカリ単純泉の美肌の湯
夕食の時間は、チェックイン時にフロントで予約します。しかし、肝心の「マグロ食べ放題」にラストオーダーの時間設定があるそうなので(20時だったかな)、早めの時間で決めてしまいました。
そうすると時間があまりないので、バタバタと最上階の温泉浴場へ。
浴室は大きめの内湯と、展望露天風呂がそれぞれ一つ。
入った時間が良かったのか人は少なめで、芋洗い状態ではなくてよかった。
さて、浴槽に浸かってみると、アルカリ単純泉のお湯は、本当にとろとろの肌触り。
よく「化粧水のよう」と喩えられる類の美人の湯で、 湯に浸かっていると体もよく温まります。
本当に良いお湯で、これは素晴らしい。
もう外は暗くなっていたので展望露天風呂からの眺望は、田舎町の街明かりがポツポツと見える程度でしたが、空には星が見えて風情がありましたし、冷たい空気も気持ち良かった。
期待以上に良いお湯だったので大満足だったのですが、良いお湯だけに、油断して長湯すると温まり過ぎてのぼせてしまいそう。そのくらい良い温泉でした。
まぐろのお刺身食べ放題プランの夕食
会場にはテーブルがいくつも並び、間に衝立もないので、全体にガヤガヤした感じがします。
かつての「かんぽの宿」と雰囲気は同じようなもので、やはり高級感はありません。
こちらも、事前に予想していた通りの雰囲気だったので、特に不満はありません。
献立を見ると、前菜・お造り・焼き物・蓋物・台の物・揚げ物・食事・甘味と続きます。
会席料理のフルコースの構成で、立派なものです。
中でも、この鮎の塩焼きが、大きさも焼き具合もナカナカのもので美味。
頭から尻尾の骨まで柔らかく、美味しく齧りつけました。
鮎は季節外れのはずですが、きっと良い養殖場から仕入れているのでしょう。
揚げ物は、あんこう唐揚げ。
秩父には海はありませんが、アンコウは大好きなので、文句は一切ありません(笑)
そして、これがおかわり自由な「まぐろの刺身」。
内容は、中トロ、赤身、ネギトロの三種。
食べ放題の刺身にしては、脂ものっていて美味しいものでした。これも期待以上。
給仕のスタッフさんたちは、忙しそうにキビキビと動き回っていましたが、皆、物腰も丁寧で好印象。テーブルの様子もよく見ていてくれていて、刺身皿が空くと「おかわりどうですか?」と、聞いてくれます。
結局、2回おかわりしましたが、満腹になったので3回目のお誘いは断ったくらい。
折角ですから、地酒も少々注文。
この秩父麦酒のペールエールは好きな味でした。
刺身が美味いと、日本酒を飲みたくなります。
こちらは、秩父錦の純米吟醸。
食事は、帆立の炊き込みご飯。
これも美味しいご飯でした。
まぐろの刺身を少し残しておいたので、一緒に食べると余計に美味しく味わえました。
十分に満腹になって、大満足の夕食でした。これ以上持ってこられても食べきりませんよ。
夜鳴きそばならぬ「夜泣き担々麺」サービス
しかし、このホテルのサービスとして、夜鳴きそば的な「担々麺」1人1杯無料提供があります。
時間は21:00-22:30で、場所は同じ夕食会場。
こんな美味そうな写真を見せられたら、少々満腹でも食べに行かざるを得ません(喜)
味は、特性ラー油の赤、黒ごまの黒、白胡麻のクリーミーな白の三種類で、月毎に変わります。
今月は白の月。
少し小さめの丼なので、これなら食べ切れそう。
細麺で、スープとの絡みが良好。元々、担々麺は好きなので、美味しく頂きました。
三種類の中では、辛いラー油の赤が1番好みなので、いつか赤ラー油味の月に再訪したくなりました。ホテルの計略にまんまとハメられていますね(笑)
不満のない朝食バイキング
お酒を飲んで、満腹になって、夜は広いベットで早めに就寝。
翌朝、早めに目が覚めたのでカーテンを開けると、綺麗な朝焼けを拝むことができました(喜)
ただ、到着時にはもう暗かったので気付かなかったのですが。明るくなってみると窓の外には駐車場が見えるだけで、眺望はありません。
これは残念。部屋も低層の2階でしたし。
外から建物のフロント側を見て、右手側の低層棟には、駐車場しか見えない、この眺望のない部屋があって、左手の高層棟に荒川や秩父の山が見える眺望の良い部屋がある模様です。また、あちらからは朝日は見えないけど、夕焼けは見えるのかもしれません。
まぁ、それはそれとして、早めに目が覚めたので、オーブンすぐの朝食バイキング会場へ。
品数は、よくあるビジネスホテルのサービスバイキングと比べると段違いに充実。
和食系のおかずに・・・
子供が喜びそうな、唐揚げ、エビフライといった揚げ物系にハンバーグ。
それに、果物やプリン。
主食は、ご飯、おかゆ、それにパンも何種類もあります。
飲み物は、果実ジュースが何種類かあって、当然、紅茶や珈琲、日本茶、ミルクと揃っています。
この日の朝食バイキングの目玉は、この「鯛刺身のとろろ掛け」だったと思いますが・・・
ありがたく、私が美味しく頂きました。朝から刺身、贅沢です。
うん、うまいねぇ、これ。
お土産コーナーと展望スペース
漬物とか、
道の駅なんかでも同じようなものは買えますが、品数が多いので選ぶのが楽しい。
部屋に戻る前に、最上階の温泉浴場の前にある、展望スペースに行ってみました。
ここからは、荒川にかかる寄居橋や、秩父の山並みや里山の箱庭のような風景、一番手間には秩父鉄道の線路も見えるので、週末の時間によっては、蒸気機関車が走る様子も見えるかも。
景色としては、こちらの高層階の方が圧倒的に優れていて楽しい。
じゃらんや亀の井ホテルの予約サイトを見ても、窓からの眺望について、詳しい記載がなかったのが残念。
次回はもっとよく調べて、少々部屋代が高くても、こちらの景色が見える部屋を予約しようと思います。
帰り支度をしながら室内を確認していたら、携帯電話用のケーブルが置いてあるのに気づきました。
充電ケーブルを忘れてきた人には、救いの神のような、ありがたいサービスでしょう。
ベッドサイドにも、コンセントやソケット類が2人分、用意されていてます。
スマホやパソコンなど、旅行中も持ち運ぶ充電が必要な機器が多くなりましたから、時代に合わせた改装をしてくれているのはありがたいし、コンセントの取り合いのような変なストレスもなくなります。
元々はかんぽの宿だった建物なので、建物が古いとか、廊下の幅が微妙に狭いとか、改装したところで高級ホテルには生まれ変わらない点もありますが、温泉の泉質の良さなど、魅力のあるホテルでした。
秩父・寄居エリアは、多摩地区から日帰り可能圏内ではありますが、またいずれ、プラン内容をよく確認して泊まりに来たいホテルでありました。
【亀の井ホテル寄居長瀞】
■所在地 埼玉県大里郡寄居町末野2267
■最寄駅 秩父鉄道 波久礼駅 寄居駅から送迎バス有り(時間要確認)
■駐車場 有り 関越道花園ICから15分
■予約サイト じゃらんのページリンク