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ZUND-BAR(ズンド-バー)@厚木市七沢〜大山山麓・ラーメンの方のAFURI

宮ヶ瀬湖から丹沢山地の麓を辿り、厚木市方面に車で抜ける道すがら、立ち寄ったのはラーメンチェーンのAFURI(アフリ)グループ本店である、ZUND-BAR(ズンド-バー)

一見すると、ラーメン屋の名前とは思えませんが、スープを煮立てる寸胴鍋の“ずんどう”がその由来。

開業したのは2001年ですから、もう20年以上も前こと。
確かその頃、当時ラーメン王なんて呼ばれていた石神秀幸氏が、テレビ番組で熱くこの店の紹介をしていたことを覚えています。なのでてっきり、石神氏のプロデュースした店なのかと思っていたのですが、実際の経営は、当時一世を風靡した別の有名人気ラーメン店のようです。

その番組によると、大山の麓に湧き出る良質な地下水に目を付け、敢えて山あいの辺鄙な場所に出店した、淡麗スープのラーメン店で、今までのラーメン屋のメニューの枠を超えて、締めにラーメンを出すようなコース料理も提供したいし、お酒がメインの客にも対応できる店作りをしたいと話していたはずです。

まぁ、20年以上前に聞いた話なので、記憶違いがあるかもしれませんが。

そんな話に興味は惹かれたものの、厚木の七沢温泉の近くと聞いても、今ひとつ場所がピンと来なかったし、僻地にありながら連日行列のできる人気店になっていると聞くと、行列に並ぶのが嫌いなものだから、すぐに足を向ける気にもならず、そのまま、すっかり忘れてしまっていました。

今回は、秦野市内の鶴巻温泉「元湯 陣屋」へ一泊ドライブ旅行に行くことになり、道順を地図で確認していたところ、ほぼルート上にお店があることに気づきました。
当初の予定では、せっかく秦野までいくのだから、ケーブルカーに乗って大山阿夫利神社に参拝し、景色を楽しんだ後、麓で名物の豆腐料理を食べていくつもりでした。しかし生憎、当日は雪混じりの悪天候だったので、大山詣りと豆腐料理は諦め、代わりに何か別のもので大山からの山の恵みにあやかって行こうと、麓に湧き出す伏流水を使っている日本酒の酒蔵と、このラーメンに立ち寄ることにしました。これもまた、大山の神様のお導きでありましょう。


🌀アクセス

ZUND-BARへの道順としては、東京方面からで向かうなら、宮ヶ瀬湖から山間の県道63号を南下、道の駅を通り過ぎ、さらにしばらく進むと、角にセブンイレブンのあるY字路があります。そこが七沢温泉のへ入口になるので、右に曲がって進み、さらにZUND-BARの看板のある小さなY字路を左に入ると店に辿り着きます。

交通機関を使うなら、本厚木駅前からバスに乗って約30分、広沢寺温泉入口で下車し徒歩5分。
このバスが30分間隔で、料金が片道430円しますから、なかなか不便でハードルが高い。
宮ヶ瀬湖や大山方面へのドライブ途中に立ち寄るか、七沢温泉の日帰り入浴と組み合わせて訪問するのが良いかと思います。

着いてみると、まずは「へぇー、こんな所にあったんだね」って感想。
すぐ横を七沢川が流れる長閑な環境で、周辺には数軒の温泉旅館が点在しているはずですが、まわりに目立つ建物もない山裾の農村風景。

駐車場は店舗の裏手に30台分くらいでしょうか。

奥の方には砂利敷きの駐車スペースまであって広いのですが、12時過ぎの到着で、もう結構な数の車で埋まっています。
こんな辺鄙な場所にあって、しかも雪混じりの天気なのに、この集客力には驚きです。


🌀外観と店内の様子

お店の外観は、周囲の景色と馴染むような、黒い板壁の一軒家。
どぎづい色の看板などはなく、シックな佇まい。

入口横にはベンチが置いてあり、2〜3組の先客が待っているようでした。

天気の良い週末であったら、もっと混雑していたのかも。悪天候の日で良かった(笑)

先客に聞くと、この機械に人数をに入力して、受付番号を発行してもらうシステム。
番号が呼ばれるまで、近くでブラブラしていれば良いので、馬鹿みたいに一列に立って並んでいなくても済むのは楽で良い。

回転は悪くなく、10分も待つことなく中に案内してもらえました。

店内は、焦茶色の壁面の落ち着いた雰囲気の内装で、そこに銀色の横長ステンレス製のカウンター席と・・・

・・:調理実習室にでもありそうな、同じくステンレス製の飾り気のないテープル席が並びます。

テープル席は全て埋まっており、案内されたのはカウンター席でしたが、隣の客と一席空け、間隔をとってゆったりと座らせてくれていました。この日だけのことかもしれませんが。
厨房は別室にあり、カウンターの前はスタッフの通路があるのみ。

席から周りを見渡すと、店内の天井は高く、敢えて屋根裏の配管を隠そうとしない簡素な造り。

昔、バブルが弾けきっていない頃に流行った、「港町の倉庫を簡素に改修しました」という態の内装。

いや、こういう設えもシンプルで嫌いじゃありません。

店員さんは、揃いのユニフォームを着た比較的若い方が多く、男女比は、やや女性が多いかな。
皆、キビキビ丁寧に接客していて、こちらも気持ちが良い。
田舎田舎と連呼して申し訳ないが、こんな田舎に若手の雇用を作っていることだけでも、素晴らしいことだと思います。


🌀メニューと料理

メニューを見ると、らーめんつけ麺ごはんデザートと、項目が並びます。

ラーメン屋なのに、デザートが充実がしているところが特徴的。

客回転率を上げることよりも、女性客や家族連れ含めた来客を期待しているのかな。もちろん、お二人様も。

らーめんの項目を見ると、らーめん煮玉子らーめん柚子らーめん雲呑らーめん炙りチャーシューらーめん柚子辣湯麺大葉香る梅塩らーめん等の種類があり、ほぼそれぞれに醤油味塩味があります。
「らーめん」以外は、全て1,000円超えの強気な価格設定で、よく聞く「千円の壁」なんて軽々と飛び越えています。
ここまで来たのですから、うまい料理を適正な代価で食わせてくれるのなら、私に不満はありません。

スープの味加減も、鶏油の多少によって、淡麗まろ味が選べますが、お店のおすすめは、塩には淡麗醤油にはまろ味とのこと。

麺はデフォルトでは、らーめんには全粒粉、つけ麺には真空手もみ麺だけど、らーめんの麺は真空手揉み麺かこんにゃく麺に、つけ麺の麺はこんにゃく麺に、追加料金を払えば変更可能となっています。
それぞれの選択肢を組み合わると、レパートリーが広がるので、何度来ても飽きることはないかもしれません。

そんな中から選んだのは、20年前のテレビ番組でも観た気がする、
『ZUND-BAR CLASSIC(ズンドバー クラシック)』(1,437円}

一見すると洗面器のようで愛想のない、銀色ステンレス製の真空保温ドンブリにスープが、もう一つのアルマイトの弁当箱のような容器に具材が、それぞれ別々に入れられていています。

まず、自慢の地下水で打った麺とスープの味を確かめてから、後はお好みで具材をトッピングして食べて下さいとのこと。
そう言うことならと、より水自体の良さが分かるように、スープの味付けは塩味、そして鶏油の量は少なめの淡麗で注文してみました。

さて、配膳された「ZUND-BAR CLASSIC}がこちら。

カウンターも器も全てステンレス製ですから、シンプルで無機質で、なんというか小学校の時の給食のような・・・(笑)
2000年代前半もまた、こう言うシンプルで機能優先なデザインが流行った時代だったかも。

そのシンプルな器の中に注がれた透明感のあるスープに、七味がぱらっと振り掛けられただけで浮かぶ全粒粉の細麺が、妙に引き立って見えます。

鶏油にうっすらと覆われたスープを飲んでみると、想像以上にスッキリ淡麗で、これはいくら水が美味いからと言っても、ラーメンとしては薄味に過ぎやしないかと思うほどの繊細な味。

もっと塩味を効かせているのだろうと、勝手に予想していましたが、これは想定の範囲外。

それでも私は、淡麗で自然な出汁が効いた、優しい味のスープが好きなので、これはこれで良いのですがね。

まずは素の「かけらーめん」として楽しんで、なんて書いてありましたが、淡麗なスープに細麺を泳がせて食べ始めたら、すっと喉を通っていってしまって、具を載せる前に麺が無くなってしまいそうです。

これはいけないと、具材の方も確認。

白髪ネギの下には、外縁にコゲが目立つほど炙られたチャーシューと煮玉子、シナチクなどが見え・・・

・・・さらにその下には、海苔とご飯が隠れていました。

麺を食べたら、残りのスープで雑炊にしろってことですね。

とりあえず、主だった具材を載せると、こんなビジュアルになりました。
シンプルな「かけらーめん」から、具沢山な「煮玉子炙りチャーシュー麵」に変身です。

スープを改めて飲んでみると、具材からの旨みが加わり、とても味わい豊かなものに変わっていました。
これは文句なく美味いぞ(喜)
食べ進めると、トッピング具材のボリュームに比べて麺の量が少なめなので、すぐに麺がなくなってしまいました。
うん、美味かったけど、ちょっと寂しい(哀)

そうだ、次は、残ったスープにご飯を入れろってことだったね。

はい、これも美味いです。
麺とご飯を食べて、それにスープまで完飲すると結構満腹。満足致しました。

ただ、食べ尽くして中身がなくなってしまうと、前にも増して無機質で侘しい眺めになってしまうのは、ちょっとどうかな?(笑)
でもこれが、2000年代初めの頃のスタイリッシュなオシャレ感。懐かしさを感じて悪くないかも。

一方、こちらは同行の妻殿がオーダーした「柚子らーめん」(1,073円)

CLASSIC以外は、普通に磁器の丼を使っています。
麺は同じく細麺のようでしたが、スープがどんな味か?一口飲ませて貰えばよかったな。

炙りチャーシューが、美味そうだとのことで、トッピングを追加しましたが、そのお値段はちょい高め。
でも、美味しかったと満足して頂けたようだったので何よりでした。


食べ終わって帰ることには、咳の空きも見られるようになってきました。

午後の休憩時間のない通し営業ですから、ランチでもピークを外して遅めの時間に来た方が、待ち時間が少ないかもしれませんね。


僻地にあって、水自慢の淡麗スープ、強気な価格設定でありながら、集客力の高い、ちょっと異色なラーメン店でした。
立地から考えても、ここのお店は日常の食事として食べに来るラーメン店ではないと思うので、味と店の雰囲気がそれに見合ったものであるのなら、値段は多少高くても構わないと私は思っています。
むしろ、味が良くても、客を1時間も外に立って列ばせるような店は、なぜ値上げして列を1/3に縮めようとしないのか疑問に思う口です。

この店のことは気に入ったのかと聞かれるならば、こんな僻地に、しっかりした従業員が対応してくれるラーメン店を経営し続けていて、店の清潔感や雰囲気も上々、淡麗なスープは好みだし、細麺との相性もよく、大山からの伏流水に惚れ込んで出店したなんてストーリーも素晴らしい。要は気に入りました。

次食べるときは、具材を入れないとラーメンとしては淡麗に過ぎる塩味ではなく、醤油のまろ味を試してみたい。

それと注文をつけるなら、アフリの商号をめぐる、同じ県内の企業同士でのイザコザを早く終わらせてくれないものかということ。
どちらが良いとか悪いとか、私にはどうでもいいことなのです。
ただ、大山からの恵みを取り入れて運気をアップさせようとしているのに、イザコザのある場所に近づくと、その運気が目減りさせられてしまいそうで嫌なのです。両者とも陰でベロっと舌を出して、「なんだか前より知名度が上がったね」なんて言いながら握手でもしてくれたら、拍手喝采なのですがね。


ZUND-BAR(ズンド-バー)
■所在地  神奈川連厚木市七沢1954-7
■営業時間 平日11:00 – 21:00  土日祝9:00-21:00
■定休日  年始
■最寄駅  小田急線 本厚木駅、愛甲石田駅からバス
■駐車場  有り



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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